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プロローグ

酔った頭でふと思いついた逆転生モノです。何だかほっこりした話になって欲しくて・・・。

「アンドリュー」って言いたいだけちゃうんかと!

<プロローグ>


 オレの名前はANDREW。


 アンドリューだ!


 職業は大魔術師。

 この世界では、オレの名前を知らない者はいないというくらい有名な魔術師だ。

 初級から最上級、果ては「禁呪」と呼ばれる伝説の魔法までを極めた天才魔術師、それがオレだ!


 今、オレはここ十年ほど住んでいる地下迷宮の最下層である十階にいる。


 全ての魔術を極めてしまったオレは、言ってしまえばヒマになってしまった。

 今さらこの力で世界征服だとか、正義の勇者のお供をして大魔王を倒そうだとか、そんな考えはさらさらない。

 禁じられた魔術を使えば不老不死だって若返りだって思いのままだし、魔王なんて多分禁呪バカスカ叩き込めば魔王の城ごと倒せそうだし。これまで稼いできた財産であと三百年くらいは遊んで暮らせるだろうし・・・。


 なので、この十年というもの、飲み友達の偉い王様に頼まれて「冒険者の訓練場」という名前の迷宮を経営している。


「アンドリュー、自分で魔王や魔族退治をする気が無いなら、せめてそれが出来る人材を育成してくれ!!」


 と言う具合に泣きつかれてしまったのだ。


 そこまで言われちゃ仕方がない・・・という訳で、数々の魔法を駆使して一夜のうちに地下十層にも及ぶ大迷宮を作り上げると、オレは冒険者の皆さんに呼びかけた。


「アンドリュー様の【冒険者の訓練場】に挑み、最下層のオレの所まで辿り着けたら、オレの秘蔵のマジックアイテムを、どれでも一つ進呈するぜ!!」


 いやあ、くるわくるわ。


 訓練場なので、営業時間はAM8:00~PM5:00に設定。

 オレだって24時間働きづめなんて勘弁して欲しいしな!


 とはいえ、九時間で最下層まで来るのは間違いなく不可能なので、それぞれの階層に安全地帯を設けてキャンプできるようにしておいた。

 ちなみにオレの部屋のドアは、営業時間内しか開かないからな!


 地下迷宮の中には、各地から呼び集めた魔獣さんや魔物さん、異種族の皆さんが手ぐすね引いて待ち構えている。


「万が一死んじまっても、オレが責任もって生き返らせてやるから!」


 って言ったら、働きに来てくれた。

 みんないい奴らだ。給料もちゃんと出してる。


 それプラス、召喚した魔物や作成したゴーレム、その辺を彷徨ってたゴーストなど多種多様。ゴーストさんなんか、「一定期間働いてくれたら、速攻成仏させてやるから!」っていったら泣いて喜んでたし。


 まぁ、そんなこんなでオレの訓練場経営は上手くいっていた。

 二年に一回くらいはオレの所まで辿り着いてくる奴らが居て、そんなときは嬉しくてな。

 マジックアイテムあげて、一緒に飲みに行ったりして。

 いまだにちゃんと連絡くれたりするマメな奴らもいて、こないだなんて


「西の魔王、倒して改心させてきましたよ!」


 なんて手紙くれたヤツもいたっけ。弟子〔みたいなもの〕が成長するってのは嬉しいもんだよな!


 閑話休題。


「さ~て、今日の仕事も終わったし、ちょっと飲みにでも行くかあ!!」


 時計の針がPM5:00をさしている。

 アフター5ってヤツだな!


 いつものように転移魔法を使って、行きつけの飲み屋に行こうとしたオレ。

 そう、毎日の日課みたいなもんだ。



 曰く、弘法も筆の誤り。

 曰く、河童の川流れ。

 曰く、猿も木から落ちる。

 曰く、上手の手から水がもれる。

 曰く、浅慮の一矢。



 要するに油断大敵ってことだよな。


 いくらオレが全ての魔法を極めた大魔術師でも、「致命的失敗(ファンブル)」からは逃れられなかったんだな。後から考えてみるとだけど。


 まさかあんなことになるなんてなぁ・・・。






 その日から、「アンドリューの部屋」の扉が開くことは、二度となかった。


お読みいただきありがとうございます。

もし一瞬でも「ぷぷっ」て思っていただけたら幸いです…∩( ・ω・)∩バンジャーイ

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