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乱れしこの世で夢見たり  作者: 泰兵衛
第1章 ここは戦国!!
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第4話 想像通りだよ

明智光秀…へ?この人が?たしか明智光秀って教養あふれる常識人じゃなかったっけ?それで革新的な信長と対立して本能寺の変を起こしたんだろ?それがこの奇人?いや、たしかに礼儀は正しいけどさ。


おれのこんな戸惑いをよそに、光秀はすっと指を向けた。


「あそこに野うさぎがおりまする。」


「ええ。」


30メートルぐらい先には、たしかに野うさぎがいた。


「あれを撃ってごらんに差し上げましょう。」


「バカな!」


佑光が声をあげた。おれもびっくりした。


「あのように遠く、そして動き回るものを!?」


「左様。」


「無理だっ。」


おれは思わず声に力が入ってしまう。


「フハハッ。その声が気持ちいいのです」


光秀はにやりと銃を構えながらうすら笑った。

おれは思わずその不気味さに後ずさりしてしまった。


「ご覧あれ」


パンッと乾いた音が響き、それとほぼ同時に野うさぎは、頭から赤黒い血をどくどく出しながら倒れた。


「いかがでありますかな?」


「す…素晴らしき腕前。これなら上様も…お喜びになられるでしょう」


おれは、光秀の笑みの前では、顔をひきつらせるしかなかった。



国友より京に帰ったところ、目の前より異様な出で立ちの、いや光秀よりすごいともいえなくもないのが歩いてきた。


女ものの着物に、キセル、袴は金色。頭にはまげではなく、かんざしをさし、顔は歌舞伎役者がするような隈取りをしている。


「まことにおもしろきものが京にはいますね。」


光秀が言う。


「いや、明智殿が言えることではありませぬよ。」


おれは思わずつっこみを入れる。


「おや。それがし、あのようなものではありませぬよ。そうでござろう?沼田殿?」


急にふられた佑光は


「ま、どっちもどっちですなあ」


なんて、答えて横をむきやがった。いや、この光秀はなんかやべえわ。


まあ、前の異様な男は、案の定、ごろつき4,

5人に絡まれている。


「あー。佑光、明智殿。助けにむかいましょうか」


「いいぞ。」


「フハハッ。わかりもうした。」


ってな感じで歩いていったら急に、そのごろつき共全員が倒れた。


「へ。ちょろいものだな。あ、これはこれは、助けようとしてくれてどうもすまねえなあ」

その男は、手をひらひらさせながら言う。


「全員、あなたが?」


「おうよ。」


「お強いな。失礼ながらお名前は?」


その男は、まってましたとばかりにざっと見栄をきり右手を前に、左手を後ろにそれぞれつきだして、


「天下一の傾家者、前田慶次郎とは我のことよ!」


あー。前田慶次ね。よくマンガでみる。光秀とはちがい、こっちは想像通りだよ。


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