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乱れしこの世で夢見たり  作者: 泰兵衛
第2章 戦国乱世!!
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第14話 本番

お犬様をつれて、舞鶴に戻ったおれを出迎えた、佑光がひとこと。


「ありえない。」


…おい!いくらおれが冴えない顔してるからって!こんな美少女と結婚したからて、ありえないはありえないわ!


山田家、家臣、増田仁右衛門長盛の発言


「」


口をあんぐりとあけ、なにも発言せず。


…君たちが、おれをどう思っているのかようわかったよ。


慶次は、ヒャッハーと叫び、義昭公に光秀、幽斎さん、京極さん、一宮さん、お飾り一色、は、普通に祝ってくれた。


で、おれはお犬様に歌を送贈った。


三千世界の烏を殺し、ぬしと朝寝がしてみたい


お犬様はめっちゃよろこんでくれた。


え?高杉晋作?だれですかー?



おれが信長と面会してから3日がたった。ついに信長、上洛へ軍を動かす。しかし、その発言が度肝をぬいた。


伊勢へ、柴田勝家を主将とする兵2万。


南近江には、信長率いる一万が出兵、これに浅井5千、徳川3千、足利家も5千を率いて参戦されたし。つまり、合計2万1千


二正面作戦だ。人材の宝庫たる織田家だからこそ可能なのだ。


義昭公はこれみて、すぐさま若狭、丹後に出兵命令を下した。


義昭公は、小浜にとどまる。


総大将は一色式部大夫義道、1千3百を率いる。もちろんお飾り。副将に細川兵部大夫藤孝千2百、軍師、明智十兵衛光秀、千、で、おれいつもどおり佑光、慶次がおれの組下で8百、京極長門守高吉、3百、和田伊賀守惟政4百。出陣のため、家をでるさいにお犬様がおれの手を握って


「ご武運を」


なんて、満面の笑みで言ってくれたから、おれは鼻血をだしてしまった。


…そのときの慌ててたお犬様、かわいかったなぁ…

「おい。信勝、なににやけている?気持ち悪い」


いつものおれなら、こんな発言をした佑光をしばいて、とっくみあいになるが、軽く受け流した。

理由はお犬様がかわいくて、思い出して上の空だったでは、そう、断じて決してなく、おれが大将の自覚が目覚めているからなのだ。うん。


「殿、しっかり」


長盛がおれを肘でつつく。


「なんだい。長盛。おれは常にしっかろりとしているよ。」


「はいはい。」


長盛が、やれやれと首を振った。


「大将よ、ちゃんと働き場をくれるんだよな?」


「…織田様次第」


おれがこう短く呟くと慶次は、んだよとぼやいた。


「太郎左、太郎左はおるか」


おれたちが南近江に布陣したとき、耳にしたのは、お飾りというか、ニート一色の声だった。


「なんでしょう?一色様?」


おれはこのニートがおれになんの用だよと思った。


「織田殿に会いに行くが、そなたは織田殿の義弟。兵部とともについて参れ。」


「はっ。」


一色は、管領っていう肩書きのニートなので、命令には従わないといけない。


「よく来た。一色殿、細川殿…山田」


「なんかおれだけ扱いひどくないですかね?」


「山田。貴様はそういえば、おれの義弟だ。おれのふたりの義弟を紹介してやろう。こちら、徳川三河守家康…竹千代だ。」


「よろしくお願い致す。山田殿。」


おっ!これが家康か!体は痩せてるけど、顔には肉が多いなー。あと、丸顔で目がでかい。


「こちらこそ、よろしくお願いいたします」


「そして、こちらが、市の旦那、浅井備前守長政だ。」


「よろしく、山田殿。」


金ヶ崎で信長を、義兄を正史では裏切る長政か…細身のイケメンだ。金の前立てが似合ってる。


「お願いいたしまする」


おれがこう言うと長政はニコリと笑った。


「殿!殿!」


慌ただしく入って来たのは、木下藤吉郎だ。


「どうした?ネズミ?」


「南近江の六角めは 和田山に兵を固めておりまする!今は葺作<みつくり>城は手薄!軍義前なれども急ぎ攻めるべきかと!」


「うむ。では、ネズミ、それに山田、ふたりで葺作城を落とせ」


「ええ!?おれ!」


「二度言わせるな。天下のためだ。よろしいな?一色殿。」


「ええ。」


ニートめ!信長に迎合しやがって!


「いやー!山田殿と一緒とは心強いですなー!ではいきましょう!」


上機嫌の秀吉についていくしかなかった。


結論をいえば、葺作城は一日でおちた。まさか敵は攻めてくると思っていなかったので、簡単に大手門を叩き割り、城内に乱入。慶次が槍をふりまわし走ったもののすでに大勢は決していて、慶次はチクショーーと雄叫びをあげていた。一番槍も大将首も木下隊だ。山田隊、挙げた首は、雑兵首のみ。く、悔しくなんかねえ!


で、六角は仰天。急使を派遣し、観音寺を退去した。で、同時に伊勢北畠が柴田の猛攻によって臣従したと伝わった。


「義昭公をおよびいたせ。」


「はっ」


「山田。」


「なんでございますか?」


「これからが本番ぞ。天下へのな。」


信長はじっと西を見詰めていた。



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