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乱れしこの世で夢見たり  作者: 泰兵衛
第2章 戦国乱世!!
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13話 無理だわ!

おれと光秀は、岐阜城で平伏している。

戦国の世を切り開いた織田信長。こいつをみるのは、楽しみであり同時に不安だった。


「一同、殿のお成りで…」


小姓の掘久太郎秀政の口上が終わる前に、足音が足早に聞こえた。


「うむ。よう来た。われが織田上総介信長だ。」


おれは慌てて平伏する。


「そこの若者。」


「はっ。」


「そう固くなるな。横の者は笑っておるわ」


おれは光秀を見た。たしかに光秀は信長をみて笑っている。


これが…信長か…


信長はまげを結っておらず、顔は細く目は切れ長だ。ひげは生えておらず、声は甲高い。たしかこの時の信長は30代だ。でももっと若く見える。


「お初にお目見えします。拙者、足利幕臣、明智十兵衛光秀。」


「同じく、山田太郎左衛門信勝。」


信長は立ち上がる。


「わしは、天下をとる。そもために上洛するだけである。」


「それは好都合。」


おれの言葉を聞いた信長は、ほう、と声を漏らした。


「上様は天下をふさわしき方にお譲りするお考えでございます。」


光秀は。クククと低く笑っている。


「詳しく聞かせえ。」



信長は、座った。おれは説明した。義昭公はもう室町には力がないと自覚していること、自分が最期の将軍になりふさわしき方に禅譲するつもりであること。それを聞いた信長は大笑いした。


「ふん。酔狂な御仁もいたものだ。」


「織田様は何故天下を?」


光秀が質問する。


「約束したのだ。天下をとると。」


おれは意外な思いがした。約束?それが信長をこれから突き動かすのか?


「織田様にご質問が」


「なんだ?」


おれは、どうしても聞きたいことを言った。


「松永弾正忠はどうするおつもりでございまするか?」


おれは、松永を許せない。上様を、義輝公を殺したのだ。


「主君の仇、か?」


「はい。」


「降伏すればよし、しなければ殺すまで。やつにはわれが天下をとるのに利用価値はある。」


「…左様ですか」


「1万石の首か、山田。」


「松永ずれに値踏みされましてございまする。」


「主君の仇などにこだわっておってはその首にはなんの価値ももたん。くだらん。」


「なに!」


おれは思わず立ち上がった。掘が、無礼であるぞ!と叫んだが信長がすぐさま控えよ、久太郎と言った。


「気骨はあるようだな。」


「織田様。この者は猪武者ではございませぬ。舞鶴代官として交易を管理しております。」


光秀が、急におれを紹介した。


「知っておる。海賊供の関所をなくさせたそうだな。」


「はい。」


おれは着座した。


「われも美濃尾張の座、関所もなくした。われが天下を取れば日ノ本すべての座、関所をなくすつもりだ。」


「…なるほど。すべての権益を破壊するおつもりで」


光秀は、なんだか信長に親近感を抱いているようだ。


「山田。ぬしはそれをやった。それもただの一幕臣で。」


「お褒めにあずかり、恐悦至極。」


「そう固くなるな。さきほど怒ったように気骨を前面にだせ。」


信長は、ふっと笑った。


「それがわかるよう、ぬしは戦を知るべし。ぬしは磨けばひかる石ころぞ。ぬし、齢は?」


「18」


おれは、気骨を前面にだせと言われたのでぶっきらぼうに答えた。


「好都合。わしの妹は16。結婚せえ。」


えっ!信長の妹って市だよね!?絶世の美女がおれの嫁になるの!?ラッキー!


「入れ!犬!」


信長の甲高い声が響く。…え?犬?前田利家?いや、あいつ男じゃん。


「はい…」


か細い声が聞こえてきた。襖の前には…美少女がいた


うん。犬、お犬様は信長の末の妹。で、なんか、結婚することになり祝宴。そこで正史の織田五大将の、柴田権六勝家、

丹羽五郎左衛門長秀、滝川彦衛門一益と会った。で、ここまで順調でもね、おれは今、


二つの布団があって、ろうそく一本の暗闇があるところにいる。


うん。ありえんわ。彼女すらいなかったこのおれが出会って数時間のそれも美少女と…


いや、無理だわ!そりゃ年頃なんだから、いわゆるAVとかみていたけども!それとこれとは話が違うわ!


「信勝様…」


「は、はひぃ!?」


お犬様は信長とはちがい、少し垂れた目をしていた。


「わたくし、こういうのは初めてなんで…その…」


上目遣いで見てくるお犬様は反則的にかわいかった。


「いや、おれも初めてで…その…」


「じゃ、そのお互い初めてなんで…その…」


おれは自分でも顔があかくなるのを感じた。


「わ、わわかった!お互い初めてだ!頑張ろうや!」


こうなれば、自棄だ!おれはお犬様に覆い被さった。


その日は眠れなかった。が、お犬様も寝むれなかたみたいでお互い顔があかいままだった。



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