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乱れしこの世で夢見たり  作者: 泰兵衛
第2章 戦国乱世!!
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第11話 舞鶴代官

丹後海賊を味方にした足利家は、すぐさま丹後平定戦を始めた。


日本助は手筈通り丹後の沿岸を荒らしまくった。


そこにあらわれた一色だが、あらかじめ一色襲来を予測していた足利軍、先陣、光秀6百、二陣がおれの3百。ここには佑光と慶次がつけられた。三陣が京極さん2百、四陣が和田さん2百。んで最期が総大将をまかせれた幽斎さん7百。合計2千。これで一色軍を倒しにいく。


まあ、戦の結果としては大勝した。まさか足利があらわれると思わず浮き足だった一色軍に戦上手の明智軍が攻撃。光秀の家臣の溝尾、明智弥平次の奮戦もあり、一色軍は中陣まで崩れた。そこに全軍突撃。慶次が一色の家老を撃ち取って一色軍崩壊。これに追撃。ついに一色当主、義道の馬廻り衆までも崩され、義道は居城宮津へわずかの供回りと逃げ帰った。んでおれらは宮津にいき、これを包囲した。


え?おれはどうだっただって?いや~こんな勝ち戦なのに首1つとれませんでしたよ~


武辺はおれにはないみたいだ!悲しいわ!


「和睦を結ぶか」


幽斎さんが言った。

宮津城は固かった。おれたちは何度か攻めたけどだめだった。宮津って堅城だったんだな。


で、和睦内容だが


一、一色家は、宮津城を退去し、北丹後6万石を足利家に譲り、足利家に臣従し、淡路公方と縁切りし、丹後守護職を返上すること。

一、一色義道は足利家管領として遇する故、一色義道は若狭に移り住み、天下の政道を助けること


淡路公方とは、淡路に逃れた足利義栄のことだ。若狭を領有し、丹後一色を圧倒している義昭公のどっちが将軍にふさわしいかはもはや明確だ。んで、この条件がのまれれば、一色当主は若狭にいるから足利家が南丹後も動かせる。


「太郎左。いってくれぬか!」


「はっ。」


おれは、和睦案を宮津城に伝えた。結果?まあ

簡単すぎた。この条件を義道殿にみせたら


「わしを管領としてくれるのか!」


って、喜んで一瞬だった。


和睦は成り、宮津城代には幽斎さんがなった。


「上様、人手が足りませぬ。急ぎ召し抱えを。それと武田舘では、若狭、丹後、20万石の裁量は無理です。小浜に城を築くべきかと。」


光秀さんの上申をうけた義昭公はすぐに小浜に城普請と、そして浪人を集めだした。


「太郎左。そなたは、舞鶴代官となれ。代官名代に佑光と慶次をつける。」


「…代官は奈左殿ではないんですか?」


おれは疑問だった。


「ああ。あのものではどうも舞鶴を私物にする可能性だあるからな。それなら兄上以来の幕臣であるそなたらに任せたほうが適任であるだろう?」


おれもなんだかんだいって古参なんだな、あらためて思った。


ここで臨時的に役職が決まった。

一色式部大輔義道

管領


細川兵部大輔藤孝 宮津城代


明智十兵衛光秀

浪人奉行


京極長門守高吉 普請奉行


和田伊賀守惟政 普請奉行名代


山田太郎左衛門信勝

舞鶴代官


沼田三朗兵衛佑光

舞鶴代官名代


前田慶次郎利益

舞鶴代官名代

てな感じ。みてわかるように完全に管令はお飾り。

おれたち三人は舞鶴に赴いた。


「まずは商人を集めなければな。」


冷静なのは、佑光。


「へへ。ひっぱってこようか?」


物騒なのが、慶次。うん、おれの部下って正反対だね。


舞鶴にいくと、日本助がいて手をあげている。


「よっ。お代官」


「よう。で、わざわざ出迎え?」


「馬鹿いえ。だれが山田の出迎えなんかするかよ。」


お代官から山田にランクダウンしてるし、どうなってんだよ。


「よろこべ。新しい商家だ。それもでけえ。」


「あ、ほんとだ。」


見れば、かなりでかい商家だ。看板には納屋とある。


納屋…今井宗及か。おれはいいのがきたと思った。


「ふむ。納屋…ああ、松嶋か…」


「いや、佑光。 納屋の当主は今井宗及だぞ?」


「ええ?ああ?いや、その納屋の当主が名器?松嶋の壺をもってると聞いたことがあってな。それにしても、お主はよく知っているな。」


「え?はは、まあね~」


え?このころって納屋ってそんな程度の知名度なの?あらまー。


「申し。お代官様ですか?」


ひとりの、やせ形の少年があらわれた。


「ああ。そうだが、だれ?」


「申し遅れました。拙者、納屋の今井様よりここ舞鶴支店をまかされた助左衛門と申します。」


「へえ。おれより若いじゃん。それなのに店長か~。」


「うむ。納屋の身代であれほどの店、それをまかせられるとは。」


助左衛門が、うれしそうに頭をかく。


「いや、拙者、今井様に、将来、呂宋(るそん)に行きたいからまかせてくれっていったら、大笑いされて任されました。」


呂宋とは、フィリピンのことだ。


「へえ。じゃあ、助左衛門。呂宋助左衛門って名乗れよ。」


助左衛門、もとい呂宋がうれしそうに笑う。


「ええ。ありがとうございます!では早速商売を始めます!」


これが、呂宋助左衛門との初めての出合いだった。

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