勇ましきイサミ
ちょっと長くなったような。湊人ピーンチ!!
「そろそろ、直接大和君に会おうかしら。」
女はそう呟いた。
「おいおい、俺の作ったクローンどうなるんだよ、時間返せー。」
男は冗談めかく女に言った。
「冗談よ冗談。アンタのクローンを先に出させるわよ。」
「・・・・・。」
ーーー
「そういえば安藤先輩、あのぉー、マネーの方は・・・?」
「ん?部費だ。ブヒブヒ。」
「え・・・」
「なんだ君、そんなにお金欲しかったの~?欲張りだなぁー(笑)」
あんどぅーは馬鹿にするように俺に言った。
なんか恥ずかし。
「おいおい(笑)湊人(笑)金なんて或わけないじゃん?(笑)俺たち学生だぜ?(笑)」
カズマが馬鹿にしてきた。
「わ、笑うなよそんなにッ!」
「あ、湊人くん顔赤くなってるからやめたげなぁ~(笑)」
「なってないス!!」
「なってるぞ(笑)」
「なってないぃッ!!」
そんな日常にある男が飛び込んできたのだ。
トントン
ドアをノックする音が聞こえた。
「んあ?誰だろ。僕出るよ。」
みっきーがドアを開けると
「やほー!」
「??」
「あ、むさしさん!!」
まゆみちゃんがそのむさしとやらに声をかけた。
「こんにちは~。」
「おぉーやほーまゆちゃん。相変わらず可愛いぜー。」
「可愛くないですー。」
「ん?んん?誰誰?」
カズマが男に問いかけた
男が応えようとしたが、まゆみちゃんがかわりに答えた。
「あ、前、私を助けてくれた恩人です!!変な怪物に襲われてるのを助けてくれたんですよ~。」
「んー、まぁそんなとこだぜ。よろしく~。」
あんどぅーは
「・・・。うん。よろしく。・・・。まゆみちゃんを助けてくれたんですか!ありがとうございます。」
「あ、敬語じゃなくていい。同い年だから。・・・多分!」
「あぁ、わかった。にしても、まゆちゃん可愛いよねぇ。どう育てたらこうなるのか(笑)俺ンちの妹は可愛げが全くないんだぜ(笑)」
(うーむ、話に入れない。)
なんて思っていたら、イサミが俺の手を引っ張って。
「・・・ついてこい。」
と小さく呟いた。
俺は、なんだろう?と思いながらついていくことにした。
「あんどぅー、ちょっと湊人借りるから。」
「んー?いいけど、二人きりで何すんのさ(笑)」
「何もしないし。じゃあ。」
俺はイサミに連れてかれ、例の地下室にワープした。
「外に聞こえたらまずい・・・て訳ではないんだが・・・。あんどぅーには聞かれてはいけない噺だ。きっとここでこうやって話しているのも彼には聞こえている。」
「ちょ。え?そんな遠距離でも聞こえるんですか?!」
「あんどぅーは凄いからな。だから私の部屋の中で話すぞ。あそこなら聞かれまい。プライベートルームだからな。」
(え・・・・女の人の部屋入るの?(´・・///)
「変な考え事してるんなら殺すぞ?」
「すみませんでした。」
むさしとみんなががやがや噺している時。
あんどぅーは
(湊人はなに考えてやがるんだ(笑)・・・・なんの噺をするのか。流石に俺も、イサミの部屋内部の会話は聞けないな。)
ーーー
「単刀直入に言おう。ムサシっていう奴には気をつけろ。」
何故?と頭をかしげるとイサミはそれを察し、理由を述べた。
「アイツは、あんどぅーの・・・・。」
言おうとした瞬間イサミの部屋の本棚に乗っていた本が2、3冊、勝手に落ちてきた。
「うわッ?!ビックリした・・・。で、あんどぅーのなんですか?」
「・・・それ以上は言ってはならないようだ。・・・だろう?」
イサミは急に視点を変え、俺の後ろを見てそう言った。
俺はおそるおそる後ろを向くと
銃を構えた女の人が立っていた。
その顔には見覚えがあった。
・・・この前、あんどぅーを「大和くん」と親しげに呼んで、最後狂い始めた人。
「うわっ・・・・?!」
「気づかれちゃった。」
「嘘。わざと見えるような位置だ。」
「わかっちゃったかー!」
無邪気に笑う。
まるでお友達を驚かそうとしている時のように。
しかしその手には銃が構えられている。
「ねぇ。撃っていいと思う?」
「・・・。湊人。逃げろ。」
「え。」
「うん!やっぱりここの人はみーんな後輩に優しいんだ!!あたしには優しくないのにねッ!」
そう言った瞬間[ぱんッ]と音がした。
と同時に俺は少し違う場所にいた。
「・・・え。」
「逃げろと言ってるだろう、邪魔だ。」
どうやらイサミが瞬間移動で俺を弾に当たらないようにしてくれたようだ。
俺は、イサミなら勝てると思ったので、逃げようとした。
「逃がすわけ、ないじゃん?」
その瞬間、パンっと音がしたと同時に俺は激しい痛みを感じてその場に倒れた。
「湊人・・・?!逃げろっつったろ・・・・!」
「大丈夫!!死ぬまではやってないから!!でも、放って置いたら・・・あたししーらな・・・」
ぐちゃっ
一秒後、その女は人間としての個体を失い、どろっとした液体として存在していた。
「・・・・クソが。」
ーーー
むさしが帰ってから5分後。
「にょあっ?!どうしたの湊人くん?!・・・まさかイサミが・・・」
「私がやってたら運ばないだろ。普通。それより早くやってくれ。早くしないと死ぬかもしれない。」
「にょわ~!!今すぐ治すよ!!治癒!!」
唱えると傷はみるみるうちに消え、苦しそうな顔をしていた湊人はすやすやと眠った。
「ななな、何があったんですか?!湊人くん大丈夫ですかッ?!」
「僕が治療したからには絶対に大丈夫なのさ!!・・・それより、何があったの?イサミ。」
「イサミ、大丈夫か。・・・まさかとは思うが・・・。」
あんどぅーがイサミに話しかけていた。
「多分、そのまさかだ。私の部屋に例の女が出た。」
「例の女てオバケ?!」
「違うわボケっ」
カズマのボケにみっきーが華麗につっこんだ。
しかし誰も笑わない。笑えない。
「・・・・ぜってぇ許さねぇ。後輩を襲うなんて思ってもいなかった・・・・」
「・・・・。大丈夫。何かあったら私に任せろ。」
「・・・・。ったく、イサミはたくましいなーもう、もうちょっと女の子らしくしたらどうだい?」
「イヤだな。」
「ま、今回の件は皆忘れて!!いつもの仕事取り掛かる!ほらほら!」
イサミは悲しそうにあんどぅーを見ていた。
「んじゃ、俺ちょっと出かけてくるよ。俺がいない間に敵きたらちゃんと倒してくれよ?(笑)」
「了解っス!!」
カズマが元気に返事をした。
「おーまえじゃ心配だなぁ・・・(笑)」
「うえッ?!」
そこでようやく笑いが起きたのだった。
ーーー
「うー・・・・ん・・・・」
「あ!!先輩!!湊人君起きました!!」
「おおっ湊人!!大丈夫か?!」
「う・・・ん?・・・・あぁ、寝てたんですか俺。」
「簡潔に説明すると、お前はあの女に射殺されて生き返った。」
「え?!俺死んだの?!」
「死んでない死んでない;説明雑過ぎ;あのね、女の人に撃たれて、僕が治療したってこと!!」
「あーでも結局撃たれたんですね俺。なんか、スゲェ痛かった気がする。」
俺は痛かったような気がするとこをさすった。
(うーん、にしても、俺は本当に役たたずだな・・・)
「ま、今回の件は忘れろ!!とあんどぅーが言ってたぞ!!はははッ!」
カズマが俺に笑いかけてそう言ってくれたおかげで俺は少し心が安定した。
イサミがいつもより優しげな声でみんなに
「今日はもう遅い、皆帰んな。あとのことは私がやっておく。」
「お言葉に甘えてッ!いこうぜ湊人!!!」
「おまいらほんとに仲いいねェ・・・。」
立った瞬間ふらっと来たが、カズマに若干支えられながら無事帰宅した。
ーーー
誤字脱字発見次第連絡求ム。