第七章 告白
それからも2人でいろいろ話した。
いろいろ話すと言っても、かなには記憶がないのだから必然的に話し手は俺になるわけだが。
俺は、思いつく限りのことを話した。そんなにボキャブラリーが多い方でもないし、人に話せるような楽しい人生を送ってきたわけでもない。しかし、俺が言葉に詰まるとかながいろいろと質問してくる。そんなことを繰り返して、ずっと話していた。
ここで目覚めてからどれほどの時間が経ったのだろう。まだ夜は明けない。しかし、俺はさっきとは違い、明けないでいいと思っていた。むしろ明けないで欲しいと、かなとの楽しい時間をできるだけ長く続けたいと、そう思っていた。
すると、そんな俺の心中を知ってか知らないでか、かなが突然口を開いた。
「ねえ、信二さん?」
「なんだ?」
「ありがとうね、長い長い夜だったけど、たった一晩で私、今までできなかったこと全部できたよ。」
かなの声音が突然か細くなった。
「どうしたんだ、突然?」
「私ね、最初から全部わかってたんだ。これは、私の夢。」
俺は、かなが何を言いたいのか全くわからなかった。
「記 憶がないなんて嘘、最初から全部わかってたの。私の名前は本当に佳奈って名前なの。当てられちゃった時はちょっとびっくりしちゃったけどね。それでね、も うすぐ私の夢は終わるの。大丈夫、私の夢が終わる前に信二さんもここから出られるから。だから、その前に、私の事、聞いて欲しい。」
ますます何を言っているのかわからなかったが、何か聞いて欲しいみたいだったので俺は頷いた。
「これを聞いても信二さんが私の事、嫌いにならないでいてくれたら嬉しいな。」
そう言って佳奈は話し始めた。




