野球部の坊主率が高すぎて生きるのが辛い
……話が進まない
……うわぁ中二くせー。
何ですか「神の領域を侵した」って。中二病ですジャ○プ漫画の読みすぎです。早く「運命」を「さだめ」と読むのをやめてください。ぼくのかんがえたさいきょうのしゅじんこうに光と闇の相反する禁断の魔法を使わせるのをやめてください。ついでに戦うヒロインに日本刀を持たせるのもやめてください。簡単に転生させないでください、神。改行しろよ、俺。
「……としあき君、何その頭悪い中学生を見るような目」
「いやぁハハハ。そういえばお前は未来から来たんだったな、あはははは」
「……なんかやる気なくなっちゃったよん」
半笑いの僕に疲れた顔を見せると、ちゅらさんはベッドに入ってしまいました。
待って! まだ話の途中ですよ! 茶化したのは悪かったから!
「とっしーがどうしてもって言うから疲れた体に鞭打って話してあげてたのに……」
ちゅらさんは「もうねりゅー!」と言う謎の一言を残し、布団をかぶってしまいました。
疲れているところ(まぁ自己申告なんですけど)をお願いして説明してもらっていたのに、それをくだらない事でぶち壊しにした僕に、ちゅらさんを叩き起こす権利はありません。ここは黙って、明日にでも聞き出すことにしましょうか。 心の中でそう決めると、急に眠気がしてきたので時計を見ると、まだ七時過ぎでした。
今日はいろいろなことがあったので、自分でも気がつかないうちに疲れていたのでしょう。
かなり早いですが、僕はベッドに入りました。
しかし、ここで一つ問題があります。僕のベッドには先客がいました。
普通の主人公ならここで自分は床で睡眠をとり、朝にカッチコッチになった体をほぐすところですが、自らを変態である公言する僕は、当たり前のようにちゅらさんの横に入り込み「ハァハァ」と息を荒げます。
……まぁヘタレな僕は息を荒げるだけで特に何もしないわけですけど。
「……うほっ」
小鳥のさえずりと窓から差し込む朝日で、僕は目を覚ましました。
とりあえず身の回りをチェック。このおはようチェックは、寮に入寮してから一度も欠かしたことはありません。
自分の身は自分で守らないとね。
よし。特に問題はなし。昨日寝たときのまま僕は裸だし、ちゅらさんは下着姿です。
……冷静になって考えてみるとこれって結構アウトー!
「……さぶっ。あっ、としあき君起きてたんだぁ」
あっ、お姫様のお目覚めです。
「……ありぇ? 何で私服着てないの、としあき裸なのー」
「それはだな、お前が」
「とっしーのエッチー!」
「ひでぶっ」
……忘れたんですか。あなたが僕を剥き、自分で服を脱いだんですよ。
何故殴られるんですか。
ヒリヒリする頬を気にしながら、とりあえず制服に着替え(?)学校に行く準備が整った時に、あることに気がつきました。
ちゅらさんどうしよう。
学校に連れて行くわけにはいきません。動物じゃないんだから。
かといって部屋の中に残しておくのも心配です。
……さて、困ったぞ。
「あぁそれなら大丈夫だよ?」
「何で? ……まさかお前、俺のクラスに転入してくるつもりか」
これはお決まりのパターンですね。ヒロインが主人公のクラスに魔法的(もしくは財力的)パワーで転がり込んでくるという。
僕的にはそんな展開はノーセンキューです。めんどくさいしー。
「そんな事しないよー。マンガじゃあるまいし」
未来から来たピンクが何を言っているんでしょうかね。
「とっしーが授業を受けている間、私はグラウンドでサッカーしてるから無問題!」
そっか! サッカーをしているんですか。なら安心ですね!
……アレ? 欠片も安心できなくないですか?
僕が生活をしている寮は、学校から徒歩で二分程の距離にあります。
かなり遅くに起きてもまず遅刻することのない僕ですが、いつも学校が始まる三十分程前から寮を出ます。
理由は簡単。寮に住む運動部の生徒と混じって登校するのがたまらなく煩わしいからです。
右を見れば坊主。左を見ても坊主。四方八方坊主。360゜全てが坊主。
……耐えられますか? ちなみに僕は耐え切れません。
さて、考え事をしている間に学校にたどり着きましたよ。
平穏な日常パートが始まる……といいな。




