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Parasite Dreamer  作者: 晴彦
2/8

ハブラレルヤ君と一緒

あはははは


うふふふふ


おーい、待ってよー


捕まえてみなさーい


行くぞー、それっ


きゃあ


つーかまーえたっ


捕まっちゃったわ


あはははは


うふふふふ




 トンッ




……あれ? これはなんだい


どうかしたの


僕の胸に包丁が刺さっているよ


あぁそれね


うん


私が槇原君に刺したの


えっ?


死んで、槇原君


ちょっと待っ






彼女は包丁を、僕の胸に、深く深く押し込んだ






「痛気持ちいいぃぃぃぃぃ!」

「わひゃ!?」


 目が覚めると僕は布団で眠っていました。

 とりあえず起き上がり、探索モードオン。

 僕は両目を左右別々の方向に動かし、自分が今どこにいるのかを確認しました。聞いた話によると、ある空手家が、この左右の目を自在に動かす技を使い、史上最強の生物と互角に戦ったこともあるそうです。

 まぁ今はそんな話はどうでもいいです。

 見たところ、どうやらここは僕が住んでいる寮の部屋のようですね。

 ひとまず一安心。目が覚めるとラブホテルの中で、見知らぬ女の子が裸(もちろん僕も裸)で顔を赤くし、恥ずかしそうに「……昨日は激しかった(ポッ)」なんてことになったら最悪ですからね。

 とりあえず『衣・食・住』の『住』の安全は満たせたので、お次は『衣』に行ってみましょう。

 ……パジャマですね。僕が毎日着ているピカ○ュウ柄のポ○モンパジャマ。

 なんでパジャマを着ているのかはわかりませんが、まぁOKでしょう。ポケ○ンだけに。

 さて、自室の『住』に、ポケパジャマの『衣』。残る一つは『食』。……『食』って何だ? それにゆとり教育って……。

 僕が腕を組み、この場においての『食』の安全性の有無、そしてゆとり教育の弊害について考え始めると、部屋の奥の方から足音が聞こえます。

 どうやらこちらに近付いているようです。


「おっ、目が覚めたみたいだねとしあき君」


 声は僕の後ろから聞こえます。とりあえず振り返ってみました。

 えらい美人がそこにいた…………というのは冗談で、まぁまぁ可愛い女の子が腰に手を当て立っていました。ちなみに服装は全身ピンクで統一しています。


「……誰?」


 とりあえず僕は尋ねてみました。会ったことも見たこともない人だったので。


「まぁ私の名前は後で教えるよ。それより傷の方は大丈夫ぅ?」


 いや、今教えてよ。それに傷って何だ?


「覚えてないの?」

「……何を」

「君、刺されたんだよ?」

「……はぁ?」


 今このピンクなんて言った?

 僕が刺された?


「……覚えてないみたいだねぇ」


 そう言うとピンクちゃん(仮)は僕に近寄り、僕のパジャマのボタンを外し始めました。

 いやんえっち。

 自分の服のボタンを女の子に外してもらう……なかなか感慨深いものがあります。

 なんだかムラムラしてきたー。

 ボタンを一つ外す度に、ピンクちゃん(仮)の寝癖(アンテナ、もしくはアホ毛と言った方が正しいか)がゆらゆらと揺れ、僕の鼻腔にほのかな桃の香りを届けます。

 そういえば青酸ガス(毒ガス)はわずかに甘い桃の香りがするそうです。Masterキートンが言っていました。

 僕がくだらない事を考えている間に、ピンクちゃん(仮)は全てのボタンを外し終えます。

 ……これから僕はどうなるのでしょうか。見ず知らずのピンク色の少女に童貞を捧げることになってしまうのでしょうか。

 それは嫌です。どうせエッチなことをやるのなら、まずはお付き合いから始めるべきです。お互いがお互いを本当に愛し合った時、その時にするべきなんですよエッチな事は。だいたい最近の若者は……。


「見てみて」


 僕が現代の若者達の性事情について、論理的に分析していると、ピンクちゃん(仮)が僕の胸を指差します。

 いや……。

 見てみろって言われても……。正直筋肉もあまりなくて貧相だし、毎日見てるし……。

 あまり乗り気はしませんでしたが、とりあえず見てみることにしました。



 しゅー。

 血の気が引きました。

 僕の胸に蛇が張り付いています。

 でかいです。

 きもいです。


「その子はハブのハブラレルヤ。私のペットで君の傷を治してくれているんだよ?」


 傷を治す?

 イッツジョーク?

 何を言っているのでしょうね、この女は?


「……これ蛇じゃん。治すどころか、逆に俺殺されるんじゃあ……」

「何を言いますか! 私の可愛い可愛いハブラレ君が人を殺すなんて……ありえないよっ!」

「いやありえるよ! ハブだぞ? 毒があるんだぞ!か? 咬まれたら半日も無い内に死ぬんだぞ?」


 僕がピンクちゃん(仮)にそう突っ込むと、彼女は黙って僕の胸を指差した。


「……何だよ」


 僕は(あまり見たくないのですが)指差された胸を確認します。

 ……アハハハハ。ハブが僕の胸に咬みついてるや。


「ハブラー君は君の傷を癒やしてくれてるんだよ? その証拠に咬まれても全然痛くないでしょ?」


 アハハハハハ。


「とりあえず詳しい話はハレルヤ君の治療が済んでから。それまで寝ててね」


 そう言うとピンクちゃん(仮)は部屋から出て行きました。

 ……僕とハブラレルヤ君を残して。


 正直何がなんだかわかりません。意味不明です。

 でも、一つだけ言いたいことがあります。


「ハブラレルヤ君の略称、統一しろよ……」

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