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『下ごしらえ』で冒険者を目指す ~地味スキルなのに、なぜかモテる件~  作者: 紡里
第六章 ハーレム生活

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再び養鶏場

 冒険者ギルドを出て、街歩きをしていたフォンとサァラに合流した。


「じゃあ、ルナはギルドで狩り方の講師をして、私たちがおばあ様を派遣してもらえるように交渉に行くのね」

 フォンが確認する。

「ばあちゃんがうなずいてくれたら連れて来られるように、馬車を借りて行こう」

 俺は商業ギルドでどの馬車を借りようか考えながら話をした。


「そっか。行きは駆け足でいいとしても、帰りの問題があるんにゃ。

 明日、朝早く行く感じ?」

「そうしよう。昼過ぎに着いて、即決してくれたらとんぼ返りできる。

 まあ、あっちの都合もあるから、そうも行かないだろう」


「前回は依頼だったから泊めてくれたけど、断られることもあるからな。

 馬車で行けば、そこで寝泊まりできる」

 ルナが馬車を勧めてきた理由には、それもあるらしい。

 多くは語らないが、そういう経験があるんだろうな。


 その日は馬車の予約をして、念のため野宿の準備を整えた。



 翌日。

「道が悪いから、車輪が取られるぅ」

 御者をやってくれるサァラが苦戦していた。


 前回の往きは徒歩というか、駆け足で通り抜けた。

 帰りは卵を運搬する荷馬車に乗せてもらった。養鶏場で働く人たちは卵を割れないように運ぶんだから、すごい腕前だったんだと思い知る。



 養鶏場に到着すると、子どもたちが寄ってきた。

「あれ~、また来たの?」

「また丼食べさせて」

 歓迎ムードだ。あまり来客がないので、珍獣扱いされている気もする。


 手を引っ張られて、まだ頼んでいないのに主人の元に連れて行かれた。


 「どうしました? 何か問題でもありましたか」

 心配そうな顔をさせてしまったぞ。

 討伐依頼をこなして街に帰った冒険者がとんぼ返りしてきたんだもんな。

 普通、何事かと思うよ。



 ぬいぐるみの評判が予想以上で、作り方を教えて欲しいことを説明した。できたら街に来て、職人に講義をしてほしいことを伝えた。


「うちは片手間に作るかって話だから、作り方を教えるのは構わないよ。

 じゃあ、誰が行くかちょっと話し合ってくるか」

 話がすんなり通って、ホッとした。


 話し合いには時間がかかるから、今日は泊まっていけと言われた。

「宿代として、また美味いもの食わしてくれよ。期待してる」

 そんなふうに言われたら、張り切っちゃうよな。



 台所に向かう途中で、ばあちゃんの一人に声をかけられた。

「ルナちゃんの分のぬいぐるみは完成しているよ」と。

「喜ぶよ。ありがと」

 代金を立て替えて払い、ぬいぐるみを受け取った。


 それを見て、フォンとサァラがそわそわしている。


「一泊してくなら、二人の分のぬいぐるみを朝までに作るけど」

 ばあちゃんがニッと笑った。


「そんなことを言われたら、泊まるしかありませんね」

 と、フォンはにやけそうになる顔を隠すように、頬に手を添えた。

 そんな顔、初めて見たぞ。


 フォンとサァラは目をキラキラさせて、女性たちの群れに入っていった。


 ええ……。

 やっぱ、ぬいぐるみ、なんか変だぞ。


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