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『下ごしらえ』で冒険者を目指す ~地味スキルなのに、なぜかモテる件~  作者: 紡里
第六章 ハーレム生活

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夜中に考えるのはよくないので

 ルナが腕を組んで、考えている。

「フォンだけの問題じゃなく、パーティーに関わることだと考えよう。

 まずは、妖精族が接触を図ってきた意図をはっきりさせないと」


「明日、冒険者ギルドが尋問するんでしょ。それが終わったら教えてくれるかにゃ?」


「それなら、呼び出されたらすぐに応じられるように、明日はギルドで過ごそうか。

 資料室で妖精の国の情報を調べたいしさ」

 俺が資料室と言ったので、ルナとサァラが嫌そうな顔をした。

 どうも字を読むのが苦手らしい。俺が説明するのを真面目に聞いてくれるから、問題ない。


「二人は訓練場に行ってもいいんじゃないか」

「うん。あんまり役に立たないと思うし」

 サァラが嬉しそうに肯定する。



 明日の予定はそれでいいとして、気になることがある。


「俺がすぐに気付いたようなことだ。賢者とか魔導師とか、頭のいい人たちが思いつかないものかな? 

 マッピングって地図作成のスキルもあるんだから、そういう人が気付かないのは有り得ない気がする」


「つまり?」

 フォンが不安そうな顔をする。話の行く先が見えないんだろう。


「ダンジョンが学習していることを、偉い人たちは知っているんじゃないかな?」


 フォンが目を見開いて、手で口を隠す。

「そ、そんな……では、なぜ?」


「俺たち庶民には知られたくない、とか?」

 遥か上の人たちの考えは理解できないことがある。利権が絡んだら、複雑になってくるだろう。


「そんな。じゃあ、父のしたことは……」

 震えるフォンの手を、ルナが握った。

「暴露してほしくないことに触れちゃった可能性があるのかもね」



 家族を犠牲にして「皆のため」に闘ったつもりが、無駄なあがきだったのか?

 せめて、世の中のためになったと思いたかったのに。

 フォンの目から涙がこぼれ落ちた。


「優しいお父さんだったんだねん」

 サァラが立ち上がって、フォンの頭をなでる。


 フォンがハッとしたように顔を上げた。

「……優しかったかしら? なんとなく、その言葉に違和感があるわ」


 フォンが思い出すようにしているのを見守る。

 その間に、冷めたお茶を入れ替えよう。


「笑顔を思い出せないし、厳しい話し方をする人だった気がするわ。

 ダンジョンのことを語り出すと激昂しやすくて、怖かったかも……」


「うんうん、それで?」

 サァラが相槌を打つ。


「乳母夫妻が『優しい人だった』とか『正義を貫こうとした』とか言うのを、鵜呑みにしていた気がしてきたわ」



 ああ。酒が入った後で、深夜に暗いことを考え始めるのは、良くないぞ。

 ルナとアイコンタクトをして、話を反らしていくことにした。


「でも、「優しい」にも色々あるからね。人を傷つけない優しさも、厳しくする優しさもあるし。都合よく使える人を『優しい』って表現することもあるじゃない」

 ルナが色々言っている。

 だが、最後の「都合いい」話が胸に刺さったぞ。俺、そういう「優しい」を言われるタイプだ。


「それに『思い出』って、時間が経てば経つほど『加工』されていくからねん。

 その人から見た印象が良ければ、どんどん良くなっていく。悪ければ、嫌なことばかり思い出して、もっと嫌いになっちゃったりして」

 サァラはフォンの頭を抱え込んで、頬ずりした。


「家族を愛していたか俺にはわからないけど、きっと根回しとか下準備が足りなかったんだよ」

 フォンが二人の言葉に納得していないようなので、理屈で語ることにした。


「研究者って、周りのことを気にかけないもんな」

 ルナが援護射撃をしてくれた。


「だったら、『知っている』だけでは害されない可能性がある。それを『利用』しようとしたら、マズいかもしれないけど。

 問答無用で消されることがないなら、交渉の余地はあるだろ?」


 頭を使って、フォンが納得しそうな言葉を紡いだ。

 悩んでいても事態は変わらないから、ぐっすり眠ろう。朝になって、スッキリした頭で考えた方がいい。


「そうね」

 フォンが力なく微笑んだので、今日はここまで。

 二人がフォンを風呂に連れて行き、大きなベッドで四人仲良く寝た。


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