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『下ごしらえ』で冒険者を目指す ~地味スキルなのに、なぜかモテる件~  作者: 紡里
第九章 ダンジョン

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ダンジョン遊戯

 ダンジョンの入り口には、もう職員が待機していた。

 冒険者タグを見せ、ダンジョンに入るための手続きをする。


 前回より職員が多い。しかも事務系だけじゃなく、第一線を退いた冒険者っぽい職員が増員されている。

 俺かフォンに何かあったときに、すぐ動けるようにしているのかな。いや、それは自意識過剰か?


「強制じゃないけど、できたら六層以下には行かないでほしいかな」

 と、さりげなく言われた。気のせいじゃなかった。


 六層以下は、Cランク以上の冒険者向けと言われている。

 護衛をすることを考えたら、その手前で遊んでいてほしいということか。


「ん~、考えておくよ」

 ルナは即答を避けた。

 前回は俺の実験に付き合って二層までしか行っていないから、欲求不満になってるのかもしれない。


「今日、初心者はどれくらいいる?」

 深く潜れないなら、潜れないなりの楽しみ方はある。後で、ルナも納得できるような案を提案してみよう。


「一層にどれくらい人がいるかって話?

 今のところはそんなにいないかな。

 歩いて来る初心者が着くのは昼前だろうし。初級者は腕試しがしたくて、すぐ二層を目指して足早に通り抜ける奴が多い」

 職員は俺が要求を呑みそうな雰囲気を察して、安堵の表情を浮かべた。


 こういうところは持ちつ持たれつ、お互い様だからな。



 ダンジョンの入り口で、それぞれが体をほぐす。

 怪我をしないための準備運動だ。


 脇腹を伸ばすように上半身を傾けながら、提案する。

「一層はラグラットだろ。Dランクなら四人以上、Cランクなら一人で一匹」

 だから、Cランク四人となると過剰戦力とも言える。


「一人ずつ討伐して、その技を競い合わないか? 早さとか怪我の少なさとかでさ」

「それ、面白いにゃ。やるやる」

 サァラが乗ってくれた。


 足の腱を伸ばしながら、フォンも賛成する。

「ウィンドボールの練習になるわね」

 風魔法は補助的な技が多いので、ウィンドボールが気に入ったらしい。



 実際は、俺が一番不利な気がする。

 冒険者向きのスキルを持っていないし、経験も三人には全然追いつけない。


 それでも、何ができるかを考えたいんだ。

 少なくとも一人で一匹討伐できたら、ラグラットを五人がかりで倒した「鮮血の深淵」時代より強くなったと思えるし。


 ……嘘です。あれは地上で、群れているラグラット。

 ダンジョンの一層では、初級者向けと言わんばかりに一匹ずつ出てくる。

 だから条件が違う。けど、成長してる実感がほしいじゃん。


 誰に対する言い訳をしているのか、自分でもわからん。

 背中を丸めてから、今度は反対に背筋を反らす。

 これやると、呼吸がしやすくなるんだよな。


「じゃあ、ラグラットを倒す順番を決めようか」

 体操が終わったところで、ルナが言う。


 自分の提案が採用されて、俺は笑顔になった。


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