第六十九話 「再会」
暫くすると優駿の元に、葉国の代表として街の領主が挨拶にやって来る。
領主は蛇国軍が侵攻してくるのを知り、民を連れて逃亡中に蛇国軍に追い付かれ、止む無く戦闘になったとの事らしい。
助けられた事に感謝を述べる領主だが、優駿達翔国軍の姿を見て、何やら怯えている様子であった。
……いや蛇国の侵攻に乗じ、葉国を我が物とする為に侵攻してきたと思っている事だろう。
事実、翔国は長年の間。隣国である葉国の領土を狙い、何度も侵攻してきた敵国なのだから、その考えは当然と言える。
……優駿は似たような物だからと、何も言えなかった。
とりあえず、優駿は領主に葉国の詳しい状況を聞く。……それともう一つ、二千程居る葉国軍の情報も知りたかった。
今、優駿達には四千の兵しか居ない。それで葉国軍二千の兵の協力を仰げないかと、領主に軍の代表の者を呼んで貰う事にした。
「将軍が一人、居るには居るのですが……。実は我が国の者では無いのです。他国の者ですが、御用とあれば呼んで参ります。……暫く、お待ち下さいませ。」
……他国の将軍?他国の将軍が何故、葉国に居るのかと疑問が頭を掠める優駿だが……。
その人物の登場に、優駿は驚く事になる。
「周衛と申します。助けて頂いた事には感謝致しますが……。貴公ら翔国軍の者が、何故この葉国に居るのか?その理由を、お尋ねしたい。」
──!?
周衛……将軍?
優駿の脳裏に、九年前の……。あの日の記憶が鮮明に蘇ってくる。
「……周衛将軍?」
「…………。」
翔国軍大将の流す突然の涙に、戸惑いを覚える周衛。……周衛には、その涙の意味が全く理解する事が出来なかった。
優駿は馬から降り、涙を流しながら周衛将軍に歩み寄っていく。
「周衛将軍……。僕です、優駿です……。」
優駿は大粒の涙を零しながら、周衛将軍の手を取った。
「ま、まさか……。若!?良くぞ、ご無事で……。」
その突然の再会に又、周衛も喜び涙を流していた。
「僕は貴方に酷い事を言ってしまった。あの時の事を、ずっと謝りたかったんです。」
「立派になられましたな……。若君。」
優駿はずっと、あの日の事を悔いていた。周衛将軍に再び会い、謝りたいと願っていた。
……九年振りにそれが叶い、優駿は涙を長して喜んだ。
それと同時に周衛将軍が生きていた事と、共に戦える事に喜ぶ優駿。
優国最強の将軍であり、同じ祖国を持つ周衛の加入は優駿にとって、これ以上とない頼もしい存在だった。
周衛将軍は優国が滅んだ後も、蛇国と戦い続けていた。優駿と優駿の妹を探し、蛇国に抗い続けていた周衛将軍。
……その後、周衛は葉国の李葉を頼り、葉国に身を潜めながら蛇国と戦っていたのである。
しかし、残念ながら……。優駿の妹、優眠を見つける事は叶わなかった。
「しかし、驚きました。若君が翔国軍の大将とは……。」
「ははは、成り行きで……。」
優駿は葉国への道のりの途中、馬の上で揺られながら翔国で起こった事を、周衛将軍に話した。
朧の団の事、牢屋の中から刹那に助けて貰った事、翔国軍の軍師と戦った事。そして"天覇十傑"の二将との戦いの全てを……。
「…………。」
驚き、言葉を失う周衛将軍。
「まさか"天覇十傑"の将軍を撃ち破るとは……。翔国には、そこまで手練れの者が居るのですね。」
周衛は"天覇十傑"の二将を倒した事と、優駿が丞相に成っている事に驚いていた。
「流石です、若……。」
「いや、そんな。あははははは……。僕じゃなくて、他の皆が凄いんだよ。」
「……なあ、ちょっといいか?」
優駿が話をしていると、刹那が何やら不思議そうな顔をしながら話し掛けてくる。
「どうしたの?刹那。」
「…………。」
どうやら刹那は優駿ではなく、周衛将軍に話がある様だ。
「なあ、お前。何で優駿の事を、若って呼んでるんだ?」
「……え?」
「話していらっしゃらなかったのですか?若君。刹那殿……。優駿様は我が祖国、優国の王子で有らせられます。」
「……は?」
驚く刹那。……と確か話した筈なのだと、首を傾げる優駿。
「あの……。この前、皆に話したよね?」
「……はあっ!?」
「…………。」
どうやら刹那は、優駿の冗談だと思っていた様である。
武将紹介
「優駿」
武力 47
知力 87
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「士龍」
武力 87
知力 65
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。
「司馬晋」
武力 89
知力 93
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。
「蓋亞」
武力 92
知力 64
蛇国 三連星
蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。蛇国で一、二を争う猛将である。
「雄流手我」
武力 90
知力 46
蛇国 三連星
蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。趣味は犬のエサやり。
「松朱」
武力 88
知力 72
蛇国 三連星
蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。焼き芋大好き。
「周衛」
武力 92
知力 78
忠誠 100
今は亡き優国、最強の将。九年の時を経て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。




