表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十国伝  作者: 魔神
蛇国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/71

第六十八話 「悔しさを発条〈バネ〉に」

──翌日。

怪我人の治療と、軍の状態を確認しながら悩む姿の優駿。


「一度退却して、翔国に戻るべきだと思うんだけど……。どうかな?」


「…………。」

優駿の問いに、司馬晋は少し考える。


「確か公孫翔さんの指示は、元葉国の領土を全て奪ってくる様に……。だった筈だよね?……なら戻るのは、少し早いんじゃないかな?前にも言ったけど、この軍の一番の目的は陽動なんだよ。公孫翔さんは、こちらの軍と連動して軍を進めていく筈だよ。」


話を続ける司馬晋。


「……つまり僕達が暴れている間に、公孫翔率いる別動隊が葉国城を制圧する手筈なんだよ。」


……確かに、司馬晋の言う通りなのだろう。

しかし優駿は、自分達だけで軍を進めてしまっても本当に良い物なのかと悩んでいた。

一度戻り、公孫翔に指示だけでも仰ぐべきではないのかと……。


「この軍の大将は、君だよ。……祖国を取り戻すんだろ?優駿。」


──!?

優駿には司馬晋の言葉が、あの時の公孫翔と重なって見えていた。……そして拳を握り締め、優駿は決意をする。


「そうだね……。祖国を、優国を取り戻すんだ。」


負傷兵、約一万を翔国へと帰還させ、残り四千の兵で軍を進める優駿達。

その途中、刹那と士龍の二人は何故か一言も話さず、(ただ)無言で馬の上で揺られていた。


「……どうしたの刹那?」

心配になり、刹那に声を掛ける優駿。


「…………。」

刹那は何も言わず、(ただ)悔しさに拳を握り締めていた。

「刹那……。」


「俺は"剣竜"に勝てなかった。何も出来なかったんだ……。張翼が居なければ、今頃俺は死んでいた。」


「そう言う事だ。残りの"剣竜"四人は、全て俺が一人で倒したんだ。……この、俺様がな。」

話を聞いていた張翼が、何やら得意気に話し出す。


「俺は、もっと強くならなくてはならねぇんだ。」

「刹那……。」


必ず強くなると、心に固く誓う刹那。……しかし武の心得が全く無い優駿には、一体どう声を掛けて良いのか分からず、声を掛けるのを躊躇(ためら)っていた。


それと同時に優駿自身も、(みずか)らの不甲斐(ふがい)なさを()いていたのである。


先程の砦での戦いに()いて、参謀である司馬晋に頼り切り、優駿は何も出来なかった。

その悔しさを発条(バネ)に、己の知略を磨いて刹那を助けようと心に誓う優駿だった。


「……何だ?」

関を越え、葉城を目指して東に向かう優駿達は遥か南方の森に、騎馬の一隊を発見する。


森の中で多少確認し辛いが、数は五千……。いや、一万は居る可能性がある。

……だが、その軍の様子が少し妙であった。


「なんだ?……戦っているのか?」

どうやら戦闘が行われている様子なのだが……。まだ相手の軍は、こちらの軍には気が付いてはいない様である。


「……何処(どこ)の軍だ?」

片方は間違いなく蛇国の軍隊なのだろう。……しかし、もう一方の軍隊は一体何処(どこ)の国の軍隊なのかと優駿と刹那は疑問に思う。


「恐らく、葉国軍の残党かな?助けに行くよ、優駿。」

そう言って司馬晋は優駿の返事を待たず、兵を率いて突撃して行った。


司馬晋と張翼の反応が速く、二人はすぐに隊を(まと)め突撃を開始する。優駿達も慌てて隊を纏め、二隊を追いかけて行った。


優駿達は四千の兵で蛇国軍の背後を突き、突撃を開始していく。蛇国軍は一万は居ると予想されるのだが、全く問題は無かった。


先陣を切る司馬晋と張翼の二隊が凄まじい活躍を見せる。

突如、後方から現れた司馬晋隊と張翼隊に全く対応出来ず、蛇国軍は一方的に討ち取られていった。


後方から奇襲に()い、混乱状態に(おとしい)れられ殲滅される蛇国軍。

……いや。たとえ万全の状態であったとしても、この二隊とまともに戦う事が出来る軍など、かなり限られている事だろう。


「何だ?後方から敵襲だと!?一体、何処(どこ)の軍だ?」


混乱を極める蛇国軍は、優駿率いる翔国軍に全く対応する事が出来ず、瞬く間に陣形を崩され一方的に追い込まれていく。


「何をしているか、貴様ら!もう良い、こうなったら(わし)直々(じきじき)に相手になってくれるわ!!」


余程腕に覚えがあるのか、蛇国の将は矛を手に取り翔国の将目掛けて突き進んでいった。


──ザシュ!

しかし相手が悪く、一刀の元に斬り捨てられる蛇国の将。実力差もあり、たった一太刀で打ち取られ。蛇国の将軍は、そのまま大地へと沈んでいった。


「馬鹿な野郎だ……。()りに()って黄牙に挑むなんてな。」


"天覇十傑"の一人、厳狼将軍に勝利した黄牙なのだ。並大抵の将では、黄牙の相手にすらならなかった。


一万の蛇国軍を圧倒し、将軍を討ち取る優駿達。優駿達が勝鬨を上げると、蛇国兵達は将が討たれた事を知り、散り散りに逃げ出していった。

武将紹介

優駿(ゆうしゅん)

武力 47

知力 87

主人公 オーラがあまり無い。


一応これでも主人公。

亡き国、優国の王子。

生き別れの妹を探している。

祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。

頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。

こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。


刹那(せつな)

武力 89

知力 54

髪型 95 かなり気合い入れてる。


村の自警団の一員。

剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。

でも頭の方は、お察し。

綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。


公孫翔(こうそんしょう)

武力 92

知力 99

髪型 98 美容院通ってるの!?


(おぼろ)の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。


黄牙(こうが)

武力 96

知力 77

自称 最強剣士。


公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。


劉士元(りゅうしげん)

武力 97

知力 67

暗殺 最強の一族


大陸最強の暗殺者一族、"剣竜(けんりゅう)"。


張翼(ちょうよく)

武力 94

知力 87

自分 大好き


翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。


士龍(しりゅう)

武力 87

知力 65

努力 家


志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。


司馬晋(しばしん)

武力 89

知力 93

糸目 開眼しないタイプの糸目。


掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。


蓋亞(がいあ)

武力 92

知力 64

蛇国 三連星


蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。蛇国で一、二を争う猛将である。


雄流手我(おるてが)

武力 90

知力 46

蛇国 三連星


蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。趣味は犬のエサやり。


松朱(まつしゅ)

武力 88

知力 72

蛇国 三連星


蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。焼き芋大好き。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
刹那も優駿も、2人とも自分の不甲斐なさに落ち込んでるんだね…(ToT) ん?森の中で遭遇した、部隊は蛇国と相手は誰だ??
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ