表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十国伝  作者: 魔神
蛇国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/71

第六十五話 「起死回生の強者」

──ドドドドドドド!!

開け放たれた東門から大量の騎兵が雪崩れ込み、蛇国の大軍に囲まれ窮地に追いやられる優駿達。


東門や砦の上に居た味方兵士は皆、すぐに西門に集まり事なきを得たものの……。

兵を集結させた所で味方の兵の数は五千にも()たず、押し寄せる二万もの蛇国兵に囲まれ、優駿達は更なる絶望へと追い込まれていた。


「……そ、そんな。嘘だよね、晋。勝てないと思って逃げてしまったの?」


頼りにしていた参謀である司馬晋が、自分達を置いて一人だけ逃げ出した事に絶望する優駿。


「死ねい!」

そんな絶望に打ち(ひし)がれる優駿に、容赦なく襲いかかる蛇国兵達。


──ザシュ!!

「無事かっ、優駿!?」

間一髪で助けに入る刹那。


「……刹那。どうしよう、晋が……。晋が東門を開けて、一人だけ逃げちゃったんだ。……どうしよう、刹那。もう、このままじゃ無理だよ。」


その通りなのだろう……。二万七千もの大軍に囲まれ、絶望の淵へと追いやられるのだ。

守備の要である東門が開け放たれた時点で、この戦いの勝敗は既に決していたのだろう。


──ザッ。

刹那は無言で優駿の元に歩み寄り、襟首を掴んで優駿に怒りを(あらわ)にした。


「立て優駿!まだ諦めるんじゃねぇ……。まだ、俺が居る。士龍も黄牙も居る。……俺が、絶対に終わらせねぇ!!」


「刹那……。」

「シャキッとしろよ優駿、大将だろ。」


そう言って刹那は、蛇国兵の中へと斬り込んでいった。


「……そうだ。僕が大将なんだ、僕が諦めた駄目じゃないか!」

刹那に励まされ、優駿は立ち上がる。


しかし、この絶望的な状況の中で優駿が打てる策は何一つ無かった。……何とか、この場を好転させるべく優駿は戦況を、もう一度確認しようと動き出す。


東門より迫る、二万を超える大量の蛇国兵達……。その大軍に押し寄せられ、西門付近へと追いやられる優駿達五千。

……そして、この絶望的状況を打破する策を優駿には見出だす事が出来なかった。


──!?

そこで優駿は、ある違和感に気が付く。開け放たれて居る筈の西門から、蛇国兵達が全く入って来ていないのである。


勿論、西門にも兵士は立たせて居るのだ。不思議では無いと言えば、不思議では無いのだが……。

そうすると西門だけ押し寄せる大軍に、問題無く対処出来ていると言う事になる。


優駿は西門の状況を確認する為に、味方兵を()き分け西門へと向かった。


──ザシュ!

西門へと押し寄せる、大量の蛇国兵達。……それを次々と、鬼神の如く斬り裂いていく黄牙。


「黄牙さん……。」

その武に魅せられ震える優駿。


この戦い……。黄牙と言う存在が居なければ、優駿達は既に全滅していた事だろう。

この黄牙の圧倒的、武力。……そして仲間の窮地に駆け付ける機転の鋭さ。


その強さと頼もしさに魅せられ、優駿は再び奮い立った。


「……そうだ、刹那達は諦めずに戦っているんだ。大将の僕が一番最初に諦めて、どうするんだ。……何とか、ここから打てる対策を考えるんだ。」


優駿は、そう決意し戦う覚悟を決めた。


──時は少し(さかのぼ)り。

東門を開けて外に出ようと、東門に近付いて行く司馬晋の姿があった。


「はーい、開けちゃって。」

──ギィィィィ。

部下に門を開けさせる司馬晋。


「……は?」

その行動に理解が出来ず、東門を守る兵士達は困惑していた。


「さて、行くよー。あ、君達も来たければ、どうぞ。ここに残りたい人は、自由に残ると良いよ。……それじゃあね。」


「……え?」

東門を守る兵達は皆、司馬晋の行動が理解出来ず、(ただ)見ている事しか出来なかった。


──ドドドドドドド!

司馬晋達は馬を走らせ、東門から突入を試みる蛇国軍を()き分け、兵の少ない隙間から逃げ出して行く。


……その異様な光景に、蛇国兵達も戸惑っていた。


「くくく……。奴ら勝てないと悟り、味方を置いて東門を開けて逃げ出して行くぞ!」


「ギャハハハ!良い、逃がしてやれ。その代わり、砦の中に残る翔国兵達を皆殺しにしてやれ!」


「突撃せよ!翔国兵は皆殺しだ!!」

「オオオオオオオオ!!」


──ドドドドドドド!!

そして東門に居た蛇国軍、一万五千は東門を(くぐ)り砦内へと侵入していった。


「アハハハハハハハ!馬鹿だねぇ、あいつら……。君達も、そう思うよね?」


馬を走らせながら、砦内に侵入する万の大軍を見て司馬晋は笑っていた。……砦内に残された優駿達は万の大軍に攻め寄られ、今頃大変な事態に(おちい)っているに違いない。


「東門を開けたらさ、砦内に蛇国軍が全員突撃して行ったよ。……今頃どうなっているのか、楽しみだなぁ。アハハハハハハハ!」


今頃どうなっているのかと想像し、ニヤリと笑う司馬晋。


「アハハハ!馬鹿だねぇ、あいつら。勝てると思ってるのかなぁ?勝てる訳無いでしょ、ほんと馬鹿だなぁ!アハハハハハハハ!!」


……そう言って笑う司馬晋の顔は、何処と無く狂気染(きょうきじ)みている様にも見えた。

武将紹介

優駿(ゆうしゅん)

武力 47

知力 87

主人公 オーラがあまり無い。


一応これでも主人公。

亡き国、優国の王子。

生き別れの妹を探している。

祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。

頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。

こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。


刹那(せつな)

武力 89

知力 54

髪型 95 かなり気合い入れてる。


村の自警団の一員。

剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。

でも頭の方は、お察し。

綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。


公孫翔(こうそんしょう)

武力 92

知力 99

髪型 98 美容院通ってるの!?


(おぼろ)の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。


黄牙(こうが)

武力 96

知力 77

自称 最強剣士。


公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。


劉士元(りゅうしげん)

武力 97

知力 67

暗殺 最強の一族


大陸最強の暗殺者一族、"剣竜(けんりゅう)"。


張翼(ちょうよく)

武力 94

知力 87

自分 大好き


翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。


士龍(しりゅう)

武力 85

知力 64

努力 家


志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える事もある。


司馬晋(しばしん)

武力 79

知力 91

糸目 開眼しないタイプの糸目。


掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
西門が持ちこたえているのは黄牙が…諦めない仲間が頑張ってくれていたからだった! それにしても司馬晋なんだよ〜! 笑い過ぎじゃないの〜?? 勝てるわけない…ん?それって蛇国に対して言ってるのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ