第五十三話 「急変」
公孫翔は対李葉戦を想定し、あらゆる知略戦を頭の中で巡らせる。
李葉が打ってくる全ての手を予想し、その対策を幾つも念入りに練る公孫翔。
知略戦つまり、それは……。
──"公孫翔"と"李葉"。
両者、どちらの知略が上なのか?……それが最も重要であり、それがそのまま勝敗に影響する戦いなのである。
公孫翔は李葉との戦いが、楽しみで仕方がなかった。
これは戦争なのだ。人の生き死にを左右する戦いを楽しむのは、不謹慎と言えるだろう……。
……しかし、相手は"天覇十傑"の中でも最強の一角を担う"三英傑"の一人。天才策略家の李葉なのだ。
その天才と謳われる策略家に、一体自分は何れ程戦えるのか?……そして、どちらの知略が上なのか?
自らの知略に、覚えがある者ならば……。一度はその知略を競いあってみたいと思うのは、至極当然の事なのである。
……それに戦力。
"天覇十傑"を破った二人の猛者、黄牙と劉士元の存在。
そして張翼、刹那、士龍、司馬晋……。
これ以上と無い戦力が、こちらには揃っているのだ。軍の強さは圧倒的に、翔国が上回っている事だろう……。
対葉国戦に向けて幾つもの策を練り、着々と軍備を整えていく公孫翔の元に。古くから朧の団に所属し、公孫翔と仲の良い偵察隊の者が一人、急いで駆け込んできた。
「大変だっ!翔!!」
余程大事なのか……。その人物は慌てて息を切らせ、公孫翔の元に駆け寄ってくる。
「……一体、何があった?」
公孫翔は長く朧の団に所属し、信用の置ける人物達を偵察に、ある場所に向かわせていた。
その者達を向かわせていた場所は、葉国。
……つまり、葉国で何かしらの異変があったと言う事である。
……何かを感じ取る、公孫翔。
しかし偵察隊が告げた言葉は、公孫翔の予想を遥かに上回る予想外の出来事だった。
「……葉国が、蛇国の手に落ちた。」
──!?
「何だと!?」
葉国が滅んだ事に、驚きが隠せない公孫翔……。
蛇国が二国を飲み込む程、勢いがある国だと言う事は公孫翔も理解していた。
だが"天覇十傑"の中でも、最強の一人に数えられる、李葉が守る葉国を……。
"天覇十傑"が一人も居ない蛇国が、攻め落とせるとは思ってもみなかったのである。
「まさか、葉国が敗けるとはな……。蛇国には、李葉を倒せる程の"化け物"が居るという事か。」
「……どうするんだ?翔。これで蛇国は、三国を飲み込んだ大国だ。下手に動くと、こちらも徒では済まないぞ。」
「…………。」
公孫翔は顎に手を当てて、少し考えを巡らせる。
「すまないが幹部を全員、集めてくれ。」
考えが纏まったのか……。公孫翔は、そう部下に告げた。
「…………。」
李葉の居る葉国をその勢力下に収め、三国を飲み込み、強大な大国と化した蛇国……。公孫翔は次の戦いが、必ず熾烈な物になると予想し覚悟を決める。
「葉国が滅ぼされたってだって?蛇国はそんなに強ぇーのかよ?……いや確か、蛇国は"天覇十傑"一人も居ねー筈だよな?……一体、どういう事だ?」
「まさか、あの李葉が居る葉国が敗けるなんて……。びっくりだね、刹那。」
「実は李葉が大した事、無いんじゃねーの?」
葉国が滅ぼされた報せに、驚く一同。刹那と優駿の二人は一番に駆け付け、何やら二人で話し込んでいた。
「…………。」
流石の公孫翔も動揺しているのか、それとも悩んでいるのか……。何時に無く黙り、静かに考え込む公孫翔の姿があった。
「…………。」
そんな公孫翔の姿を横目で、ちらりと見る司馬晋。
刹那と優駿の二人も、やがて静かになり。自然と無言の公孫翔に、視線が集まり始める。
「…………。」
……そして公孫翔は皆を一瞥し、優駿に問い掛けた。
「……優駿。お前は、この状況をどう考えている?」
武将紹介
「優駿」
武力 47
知力 87
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「士龍」
武力 85
知力 64
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える事もある。
「司馬晋」
武力 79
知力 91
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。




