第四十九話 「一枚の地図」
翔国軍と朧の団との戦いから、三ヶ月と言う時が経過していた。
朧の団頭目公孫翔は翔国の新たな王となり、十国制覇を目指す為。その軍備を整え、次なる戦いに挑む決意をする。
三ヶ月と言う期間は、兵の練兵や国の建て直し等の意味合いも大きいのだが……。やはり一番の理由としては、この男の回復である。
「……いけそうか?黄牙。」
「おおよ。この分だと、もう"天覇十傑"の二、三人はいけるぜ。」
「……ははは、それは頼もしいな。」
公孫翔は"天覇十傑"の一人、厳狼将軍を討ち取った男。黄牙の回復を待っていたのである。
「あの、公孫翔さん。臥龍将軍の方は、どうなったんですか?」
優駿の言葉に、公孫翔は少し顔を曇らせた。
「やはり俺が何度言っても、首を縦には振ってはくれんな。しかも、おまけに牢の中から出ようともしない。……自分は、国王を守れなかった罪人だと言ってな。」
「……そう、なんですか。"天覇十傑"の臥龍将軍が味方に加わってくれれば、かなり心強いんですけどね。」
「……ああ、そうだな。」
釣られて、顔を曇らせる優駿。
「心配すんな、優駿。俺が"天覇十傑"くらい強くなって、大活躍してやるからよ。……見てろよ!」
「そうだね、刹那は強いもんね!」
「……お、おおよ。任せろ優駿。」
相変わらず仲の良い二人の掛け合いに、公孫翔は笑みを浮かべていた。
「……で?俺達を、ここに集めた理由は何なんだ?」
「…………。」
刹那の問いに、公孫翔は中央の台に一枚の地図を広げる。
「……何だ、こりゃ。」
それは十国の領土が記された、この大陸全土の地図であった。
「この大陸の地図だ。そろそろ十国制覇の為に、動こうと思ってな。」
「へー、こうなってんのか。」
「子供の頃に見たのと、ちょっと違ってるなぁ?……まあ、だいたい同じなんだけどね。」
…………。
地図を見た刹那と優駿の言葉に。一同は、ひっそりと静まり返る。
「……あれ?どうしたんですか?皆さん。」
皆が静まり返っている理由が分からず、困惑する二名。
「…………。」
そんな中、公孫翔は真剣な面持ちで優駿に話し始める。
「地図と言うのは、国家の最重要機密の一つだ。王を始め、一部の将軍達や大臣達しか、その詳細を詳しく知らされてはいない。万が一、他国に漏れると侵略される為の道具として使われてしまうからな……。故に、この俺も地図を見たのは三ヶ月前が初めてだ。……優駿、国の要人しか知らない大陸の地図を。お前は、一体何処で見たんだ?」
一同の視線が集まる中、優駿は少し恥ずかしそうに照れながら話し始める。
「言っても誰も信じないと思って、ずっと黙ってたんですけど……。実は僕、滅ぼされた優国の王子なんです。だから子供の頃に、地図を見た事があって……。」
「……それでか、成る程な。優駿、お前の見た地図と、この地図の違いを教えてくれ。」
「あ、はい。……ここと、ここがちょっと違ってます。」
「……ふむ。」
王子と聞いても、あまりピンと来なかった刹那。優駿の事は時に気にせず、地図をじっと眺め続ける。……そして刹那は、この地図に違和感がある事に気が付いた。
「……ん?何かおかしいぞ、この地図。この大陸には、確か国は十ある筈なんだよな?だけどよ、この地図に国は九つしか載っていないぞ。……また何処かの国が一つ、滅んだのか?」
首を傾げながら、地図を凝視する刹那。
「……ああ。それはね、刹那。」
武将紹介
「優駿」
武力 47
知力 87
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「士龍」
武力 85
知力 64
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える事もある。
「司馬晋」
武力 79
知力 91
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。




