第四十五話 「正〈まさ〉に」
「退くよ皆。流石に"天覇十傑"に勝つ事なんて、今の僕に出来る筈が無いからね……。はーい皆ー、急いでー!じゃないと皆、死んじゃうよー。」
「……ぬ?」
"天覇十傑"の強烈無比な一撃を喰らい、吹き飛ばされた筈の司馬晋が。まるで何事も無かった様に立ち上がり、司馬晋は部下に撤退の指示を出していた。
……その姿に違和感を覚え、臥龍将軍は不思議そうな顔で少し首を傾げる。
急いで駆け付けた為に、力があまり入っていなかったのだろうか?……それとも、たまたま司馬晋の運が良かっただけなのか?
……いや、しかし。それでも臥龍将軍の放った、その一撃は重く。
正に"天覇十傑"の名に恥じない強烈な一撃だった。
「……うーむ。」
「はーい皆ー、退却だよー。死にたくなかったら、急いでねー。……あっ、やっぱり中止で。」
「……え?」
──ドゴォ!!
突如、強烈な双刃が襲いかかり。吹き飛ばされる臥龍将軍。
「ぬぐっ。」
──すたっ。
まるで宙を、舞う様に飛び上がり、そのまま着地する"剣竜"。その刃を敵に突き付けながら、臥龍将軍を睨み付ける。
「……探したぞ。次は、俺から逃げるなよ。」
「もー、来ないから逃げちゃう所でしたよー。……僕達。」
心強い援軍の登場に、安堵する司馬晋隊三百。隊長の司馬晋も、にこにこと笑いながら"剣竜"を出迎えた。
「……さあ、始めようか。」
凄まじい殺気を放ちながら、妖しく光る二本の剣を携え、不敵な笑みを浮かべる"剣竜"。
──ガキィン!!
劉士元は瞬時に移動し、臥龍子将軍に鋭い二刀を叩き込む。……しかし、流石は"天覇十傑"に数えられる臥龍将軍である。臥龍は難無くその二刀を受け止めながら笑みを浮かべ、この闘いを楽しんでいた。
「よかろう、"剣竜"よ!さあ、雌雄を決しようぞ!!」
臥龍将軍も又、戦斧を構え。恐ろしい程の殺気を放ち、強敵と死合える事に喜んでいた。
──ガキィィ!!
目にも止まらぬ速さで、撃ち合う両者。周りの兵や大臣達も皆、その闘いの凄まじさに言葉を失っていた。
「ヌハハハハハハハハ!これ程迄に血が沸き立つのは、何とも久しい事よ!!……一体、何時以来の事か!大戦の英雄"剣竜"。正しく、儂ら"天覇十傑"にも劣らぬ化け物よ!!」
──ドガガガッ!!
その人の域を超えた超人同士の闘いに。周囲の者は皆、息を飲み。……静かに、その闘いを見守っていた。
──只、一人を除いては。
「はいはーい。もう僕らの勝ちだからね、さっさと捕まえちゃって。もたもたしてるとその分、今戦っている味方が死んじゃうんだよー。ほら、急いで。」
「はっ、はい!」
司馬晋は空気を読む事無く迅速に指示を出し、手際良く物事を片付けていった。
隊の者は急ぎ指示通りに王や大臣等、投降した兵達を縄で縛り上げる。
「ひいぃぃっ。が、臥龍将軍助けてくれ!」
「臥龍よ、何をしておるかー!早く王である、この俺を助けぬかー!!」
──ガキィン!!
「ぬぐっ!!」
泣き叫び、臥龍将軍に縋り付く王や大臣達。そして、その様子に呆れ。……司馬晋は溜め息を付いた。
「……やれやれ。王の為に遥々戦場から戻った挙げ句、更に"剣竜"みたいな化け物と必死に闘う臥龍将軍にさぁ。労いの言葉の、一つも無いのかねぇ。……こりゃ、臥龍将軍も大変だね。」
「…………。」
「た、隊長。全員捕らえ終わりました!」
「うん。次は手筈通り、城の上に旗を掲げるよ。"朧"の文字の旗をね。……これで、僕らの勝ちだ。」
……司馬晋は"剣竜"達の闘いを見守りながら、ニヤリと笑みを浮かべた。
武将紹介
「優駿」
武力 45
知力 85
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「臥龍」
武力 96
知力 68
体格 98
"天覇十傑"に名を連ねる、最強の将軍の一人。その実力は、剣竜とも互角に戦える程の強さを持つ。翔国が誇る、二大将軍である。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「青辛」
武力 74
知力 92
糸目 では無い。目を閉じているだけ。
知将。その知略は翔国一と称される人物。翔国の軍略を一手に取り仕切っている将軍である。二大将軍に隠れがちだが、非常に優秀な将軍と言える。
「呉頭」
武力 85
知力 38
悪行 96
大陸最大の盗賊団、月影団の頭目。朧の団以外で唯一、討伐隊を退ける程の武闘派集団の親玉である。かなりの怪力の持ち主。かなり悪事を働いているが、領主程嫌われてはいない。
「士龍」
武力 84
知力 58
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える事もある。
「司馬晋」
武力 78
知力 89
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。
「厳狼」
武力 98
知力 84
最強 お爺ちゃん
"天覇十傑"に名を連ねる将軍。翔国軍、筆頭の大将軍でもある。……そろそろ引退して、孫とゆっくりしたいお年頃。身長二メートル以上の巨体を誇っている。
「牛丹」
武力 88
知力 46
牛肉 大好き
翔国五将の一人。相方の豚躑将軍とは大の仲良し。
「豚擲」
武力 87
知力 64
豚肉 大好き
翔国五将の一人。相方の牛丹将軍とは大の仲良し。




