第四十二話 「天下の一撃」
──ドゴォ!!
「ぐはっ!!」
黄牙は何とか必死に耐え凌ぎ、厳狼将軍の攻撃に食らい付いていた。だが初めて相対する"天覇十傑"の攻撃に、黄牙は防戦一方へと追い込まれる。
──ドガッ!!
「がはっ!!」
"天覇十傑"の放つ重い一撃に、吹き飛ばされる黄牙。厳狼将軍の強さは、黄牙の予想を遥かに超える。……正に、化け物だった。
──バキッ!!
何とか懸命に、剣で防いではいるものの。厳狼将軍の放つ凄まじい一撃に耐えきれず、黄牙は大地へと打ち付けられる。
「しぶとい小童じゃのぉ。この儂の一撃を、ここまで受け止めるとはな……。」
「ぐっ。どんだけ化け物なんだよ、この爺さん。」
黄牙は既に、防ぎ切れなかった攻撃により、全身傷だらけの状態であった。並の常人なら、立つ事さえ叶わない傷を負っていた。
「まさか、ここまでとはな。……流石、"天覇十傑"って訳か。上等だぜ、てめーら。」
震えながらも、黄牙は必死に立ち上がる。
しかし、その剣を持つ手は痺れ。……最早殆んどの感覚を失っていた。
たが、その様な状態で尚。……黄牙の目は闘志に溢れ、この闘いを諦めてはいなかった。
「……はて、妙な事もある物じゃのう。臥龍の奴でさえ、ここまで儂の矛を受け止めれぬ筈なのじゃが。……お主は、何者じゃ?」
──ガキィン!!
黄牙は厳狼将軍の言葉に答える様に、渾身の刃を厳狼将軍に撃ち付ける。
「言った筈だぜ、爺さん!この俺は"天覇十傑"を全て打ち倒す、天下最強の男だってな!!」
──ドドドドドドドド!!
「待ちやがれっ!」
「…………。」
張翼隊に追われ、逃げる事しか出来ない公孫翔達。張翼と剣を交えたものの、張翼の圧倒的な強さを感じ取り、公孫翔は戦いを避けるしか術が無かった。
「"天覇十傑"以外にも、まだあんな腕が立つ奴が居たとはな……。俺は翔国軍を、少し甘く見ていた様だ。」
「どうするんだ?翔。あんな化け物、相手に出来ないぞ!?」
馬を走らせながら、公孫翔の周りに居る仲間達が不安の声を上げる。
「問題無い、このまま進め。……手は幾らでもあるからな。」
──ドドドドドドドド!!
火に燃える山中を馬で駆け、ある地点へと向かう公孫翔達。
「……確か、この辺りにも作って置いた筈だな。」
公孫翔は目的の場所まで辿り着き、涼しい表情で追ってくる張翼を横目に指示を出す。
「……やれ。」
──!?
「不味い!罠だ、退けっ!!」
張翼が足元の泥濘に気が付いた時には既に遅く、その火矢は放たれていた。
足元に撒かれた大量の油に、驚く張翼隊。驚き戸惑う姿の張翼隊に、炎は油を伝い容赦無く襲いかかる。
「ぐわあっ、馬鹿な!?また火計だとっ!?」
「ギャアアアアアアア!!」
火計で燃え行く張翼隊の姿を、冷ややかな目で見下ろす公孫翔。
「そりゃあ誰だって、火の無い所に向かうよな……。」
……そう言い残し、公孫翔達は森の中へと消えていった。
「……くそっ!!」
悔しさのあまり、張翼は力一杯地面を叩き付ける。
──ザシュ!!
刹那の刃は、凄まじい速さで次々と敵兵を斬り裂いていく。
「……ちぃっ、やはり数が多いな。」
中央の通路を選んだ刹那隊は、運悪く牛丹将軍の一隊と出会してしまい、その足を止められる形となっていた。
「……ざっと千五百って所か。この調子なら、他の二隊もやべーかもな。」
「……刹那、大丈夫?いける?」
囲まれている隊の数に、優駿は心配し刹那に声を掛ける。
──ザシュ!!
敵兵を斬り裂きながら、刹那は優駿を安心させる為に力強く答えた。
「任せとけって、優駿。怪我も、この通りバッチシよ!!」
──ザシュ、ザシュウ!!
凄まじい速さで、次々に敵兵斬り裂きながら突き進んでいく刹那。
「…………。」
そして中央の牛丹将軍が居る敵陣に、刹那は単身で斬り込んでいった。
──ガキィン!!
「おらよ!!」
だが、刹那の素早い一撃を牛丹将軍は矛で受け止める。
「……チィッ!」
「……そんなっ!?刹那の一撃を、受け止めるだなんて。」
仕止める事が出来ず、大量の敵兵に囲まれる刹那。
「……くそっ、仕止め損なったか。」
たった三百の寡兵で、千五百の敵兵に囲まれる優駿と刹那達。その劣勢の中、刹那に引けを取らない敵将の登場に。……優駿は友である刹那の武を信じ、祈る事しか出来なかった。
武将紹介
「優駿」
武力 45
知力 85
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「臥龍」
武力 96
知力 68
体格 98
"天覇十傑"に名を連ねる、最強の将軍の一人。その実力は、剣竜とも互角に戦える程の強さを持つ。翔国が誇る、二大将軍である。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「青辛」
武力 74
知力 92
糸目 では無い。目を閉じているだけ。
知将。その知略は翔国一と称される人物。翔国の軍略を一手に取り仕切っている将軍である。二大将軍に隠れがちだが、非常に優秀な将軍と言える。
「呉頭」
武力 85
知力 38
悪行 96
大陸最大の盗賊団、月影団の頭目。朧の団以外で唯一、討伐隊を退ける程の武闘派集団の親玉である。かなりの怪力の持ち主。かなり悪事を働いているが、領主程嫌われてはいない。
「士龍」
武力 84
知力 58
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える事もある。
「司馬晋」
武力 78
知力 89
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。
「厳狼」
武力 98
知力 84
最強 お爺ちゃん
"天覇十傑"に名を連ねる将軍。翔国軍、筆頭の大将軍でもある。……そろそろ引退して、孫とゆっくりしたいお年頃。身長二メートル以上の巨体を誇っている。
「牛丹」
武力 88
知力 46
牛肉 大好き
翔国五将の一人。相方の豚躑将軍とは大の仲良し。
「豚擲」
武力 87
知力 64
豚肉 大好き
翔国五将の一人。相方の牛丹将軍とは大の仲良し。




