第四十話 「戦いの鍵」
──ザシュ!
厳狼将軍の居る敵陣に、単身で乗り込む黄牙。厳狼将軍の側近三百相手に、恐ろしい速さで次々と敵を斬り裂いていく。
「がはっ!」
「なっ、何だこいつは!?」
「…………。」
公孫翔は討伐軍の動ききに合わせ、軍の前列から厳狼将軍を引き離す様に計算し、火を放っていた。
厳狼将軍達は、まだ無事である軍の後列から分断され。戦う事の出来る兵は将軍の周りに、三百人程度しか残されてはいなかった。
──ザシュ。
次々に、討伐兵を薙ぎ倒していく黄牙の強さに。三百の兵達は次第に怯え始め、足が竦んで動けなくなっていた。
「良い、ここは儂がやろう。」
「……しょ、将軍。」
「へっ……。やっと、お出ましかよ!」
部下を見兼ねて、前に出る厳狼将軍。"天覇十傑"の登場に黄牙は身構える。
「…………。」
厳狼将軍は周りの兵士を見回し、少し考えを巡らせた。
「お主達は、まだ動ける兵達を集めよ。反乱軍は、すぐにでも仕掛けてくる筈じゃ。」
「ははっ!!」
側近達に指示を出し、厳狼将軍は恐ろしい殺気で黄牙を睨み付ける。
「……よくもやってくれたのぉ、小僧。」
厳狼将軍は黄牙に歩み寄り、巨大な矛を構え身構えた。
「……でけぇ爺さんだな、おい。」
──ドゴォ!!
「ぐはあっ!!」
──その力は、正に圧倒的だった。
黄牙は厳狼将軍の矛を何とか受け止めたものの、その衝撃に耐えきれずに吹き飛ばされ、木々に打ち付けられる。
「ぐっ……。どんだけ、馬鹿力な爺さんなんだよ。」
すぐに立ち上がろうとする黄牙だが、頭は眩み手足は痺れ。先程の一撃で、腕の感覚をほぼ失っていた。
「全く何と、命知らずな奴よ……。この儂が"天覇十傑"の、厳狼と知っての事かのぉ。」
「ざけんな、爺さん。"天覇十傑"は全員、この俺の剣で叩き潰す!」
黄牙は、力を振り絞って何とか立ち上がり。尚も剣を構え、"天覇十傑"に挑んでいく。
「ぬははははははははは……。ほざきやがるな、若造がっ!儂ら"天覇十傑"は、そう言った威勢だけの若造を、一体何人屠って来たと思っておるのだ。……所詮、貴様もその一人に過ぎん!!」
気力を振り絞り、立ち上がった迄はいいのだが。……初めて対峙する"天覇十傑"を前に。武の極みに立つ猛者の気迫と、人の域を超えた化け物の放つ殺気に当てられ。黄牙は死の恐怖と言う物を感じ取っていた。
──だが。
黄牙も決して負けてはいない。……いや、負ける訳にはいかなかった。
友との約束を果たす為に、黄牙は"天覇十傑"に勝たねばならないのだ。
「おいおい爺さん。この俺を、今までの相手と一緒にすんじゃねぇよ。今、お前の目の前に居るのは!天下最強の男だぜ!!」
──ガキィン!!
黄牙は"天覇十傑"に、鋭い一撃を放つ。
──ざざざざっ。
朧の団の主力為が苦戦を強いられる中、刹那達は走っていた。
その途中で刹那は、戦いの前に聞いた公孫翔の言葉を思い出す。
『よく聞け。次の戦いで鍵になるのはお前だ、刹那』
『……は?何でだよ。黄牙も居るし、士元も居る。それにお前だって、俺より強いだろ?』
『次の戦い、俺達は自由に動く事は出来ない。俺は三千の兵を率いて、万を超える軍を相手にしなくてはならないからな。黄牙と士元も同じだ。……自由に動く事は、出来ないだろう。そこで、お前達の出番だ。刹那、司馬晋、士龍……。その中で一番腕の立つお前に、この戦いの命運が懸かっている。期待してるぞ、刹那。』
『ちぃっ。……分かったよ。』
刹那は走りながら、その言葉を思いだし。刹那の持つ剣に、自然と力が入っていた。
武将紹介
「優駿」
武力 45
知力 85
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「臥龍」
武力 96
知力 68
体格 98
"天覇十傑"に名を連ねる、最強の将軍の一人。その実力は、剣竜とも互角に戦える程の強さを持つ。翔国が誇る、二大将軍である。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「青辛」
武力 74
知力 92
糸目 では無い。目を閉じているだけ。
知将。その知略は翔国一と称される人物。翔国の軍略を一手に取り仕切っている将軍である。二大将軍に隠れがちだが、非常に優秀な将軍と言える。
「呉頭」
武力 85
知力 38
悪行 96
大陸最大の盗賊団、月影団の頭目。朧の団以外で唯一、討伐隊を退ける程の武闘派集団の親玉である。かなりの怪力の持ち主。かなり悪事を働いているが、領主程嫌われてはいない。
「士龍」
武力 84
知力 58
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える事もある。
「司馬晋」
武力 78
知力 89
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。
「厳狼」
武力 98
知力 84
最強 お爺ちゃん
"天覇十傑"に名を連ねる将軍。翔国軍、筆頭の大将軍でもある。……そろそろ引退して、孫とゆっくりしたいお年頃。身長二メートル以上の巨体を誇っている。




