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十国伝  作者: 魔神
翔国編

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38/57

第三十八話 「友の言葉」

──ドドドドドドドド!!

三万五千と言う大軍の侵攻により、木々が(ざわ)めき山が揺れ動く。


「…………。」

この戦い、公孫翔の頭の中には一つの不安があった。

例え自分の元に、三千の兵が居たとしても。即興(そっきょう)で集めた三千では、討伐軍とまともに戦う事は出来ないだろう。

……実際に戦力になるのは、最初から居る二百五十人だけだと言う事を、公孫翔も分かっていた。


「……黄牙、少しいいか?」

「おっ!何だ、出番か?任せろ、何でも言ってくれ。」

やっと公孫翔が重い口を開いた事に、少し安心する黄牙。……だが公孫翔の表情は、まだ少し暗い物があった。


「すまん、俺の判断が甘かった所為(せい)で。立てていた二十四ある計の内、二十二の計略が潰れてしまった。……まさか月影団があの様な大軍を前にして、あんな安い挑発に乗るとは思ってもみなかったからな。宛にしていた盗賊団五千の援軍が、これだけで消えてしまった。」


「減らせたのは、精々五千程度だろう。……すまない、全て俺の判断が甘かった所為(せい)だ。」


「ああ、そりゃあ難儀だなぁ。……だがよ。まだ勝てる策が、後二つ残ってるんだろ?」


悔やむ姿の公孫翔に、黄牙は簡単な引き算の"差"を答える。例え数ある計略が(つい)えたと言え、まだ残っている計略は(いく)つかはある筈なのである。

……だが、公孫翔の表情はかなり重い物があった。


「あるには、あるんだがな。……まあ、負ける事は無いだろうが。」

そう話した後。……公孫翔は少しの間、口を(つぐ)んでいた。そして少し思い詰めた表情の後、黄牙にそう切り出す。


「俺が苦しむ策と。黄牙、お前が苦しむ策。……どちらがいい?」

思い詰め、何処(どこ)か寂しげな表情で公孫翔は黄牙にそう告げた。

……公孫翔には、分かっていたのだ。

黄牙がどう答えるか等、長年の付き合いである公孫翔には、分かりきっていた事なのだ。


「答えは決まっている、俺が苦しむ策だ。……要は、あれだろ?俺が一騎打ちで、"天覇十傑(やつ)"を倒せばいいんだろ?……なら俺に、任せておけ。」


「……すまない、頼めるか?」

「誰に向かって、言ってるんだ?この世に、俺より強い奴は居ない。……だから、そんな辛気臭い顔すんなよ。」

「……ははは、そうだな。」


一番頼りになる、黄牙の言葉に。……公孫翔は笑っていた。

「……やるか。」

「おおよ!やっと、俺の出番だな。……腕が鳴るぜ!」


公孫翔は友の言葉で何時(いつ)もの表情に戻り、勝つ為の策を放つ。


……公孫翔の放つ、その計略とは?

当然だが、この世界には火薬などと言う物はまだ存在しない。鉄砲など重火器も存在しなければ、ましてや戦闘機や戦車などもある筈が無い。


そんな世界に置いて、最強の戦術とは何か?勿論それは(いく)つも存在し、様々な戦術が挙げられるが。

……その中の一つに、罠に()めれば最も多くの敵兵の命を奪い。火薬並みの高い威力を持つ、恐ろしい計略が存在する。

それは歴史上、最も有名な計略の一つ……。


──火計である。


「放て。」

公孫翔の計によって放たれる、数多(あまた)の火矢。その放たれた火によって油を伝い、その炎は業火となって討伐軍に襲いかかっていく。


「…………。」

炎の海と化した、その光景を。公孫翔は何も言わず、冷ややかな表情で(ただ)見つめていた。

武将紹介

優駿(ゆうしゅん)

武力 45

知力 85

主人公 オーラがあまり無い。


一応これでも主人公。

亡き国、優国の王子。

生き別れの妹を探している。

祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。

頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。

こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。


刹那(せつな)

武力 89

知力 54

髪型 95 かなり気合い入れてる。


村の自警団の一員。

剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。

でも頭の方は、お察し。

綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。


公孫翔(こうそんしょう)

武力 92

知力 99

髪型 98 美容院通ってるの!?


(おぼろ)の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。


黄牙(こうが)

武力 96

知力 77

自称 最強剣士。


公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。


劉士元(りゅうしげん)

武力 97

知力 67

暗殺 最強の一族


大陸最強の暗殺者一族、"剣竜(けんりゅう)"。


臥龍(がりゅう)

武力 96

知力 68

体格 98


"天覇十傑"に名を連ねる、最強の将軍の一人。その実力は、剣竜とも互角に戦える程の強さを持つ。翔国が誇る、二大将軍である。


張翼(ちょうよく)

武力 94

知力 87

自分 大好き


翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。


青辛(せいしん)

武力 74

知力 92

糸目 では無い。目を閉じているだけ。


知将。その知略は翔国一と称される人物。翔国の軍略を一手に取り仕切っている将軍である。二大将軍に隠れがちだが、非常に優秀な将軍と言える。


呉頭(ごず)

武力 85

知力 38

悪行(カルマ) 96


大陸最大の盗賊団、月影団(げつえいだん)の頭目。朧の団以外で唯一、討伐隊を退ける程の武闘派集団の親玉である。かなりの怪力の持ち主。かなり悪事を働いているが、領主程嫌われてはいない。


士龍(しりゅう)

武力 84

知力 58

努力 家


志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える事もある。


司馬晋(しばしん)

武力 78

知力 89

糸目 開眼しないタイプの糸目。


掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。


厳狼(げんろう)

武力 98

知力 84

最強 お爺ちゃん


"天覇十傑"に名を連ねる将軍。翔国軍、筆頭の大将軍でもある。……そろそろ引退して、孫とゆっくりしたいお年頃。身長二メートル以上の巨体を誇っている。

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― 新着の感想 ―
24の作戦があって、22に減った。どんだけ〜〜(≧▽≦) 公孫翔は、将棋とか囲碁とかきっと得意でしょうね。先手先手を見抜く力。でも、盗賊団の失態は想定外だったみたいだけど。 黄牙が頼もしい!信頼関係…
24も計略考えていたんですね〜!!公孫翔凄い!できればボツになった計略を教えてほしい…あ、冗談ですw 黄牙、あのじいちゃんに勝てるのかな…少し心配だけど大丈夫だよね?
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