第三十二話 「志願兵」
──翌日。
朧の団の拠点である領主の館の前に、沢山の人集りが出来ていた。
「思ってたより、集まってんな。」
「……そうだね、刹那。」
その人だかりは、朧の団が募った打倒翔国軍の志願兵達である。集まった人数の多さに驚く、刹那と優駿。
「……えーと二千人は居るよね、多分」
「こりゃ、まだまだ増えるぜ。」
刹那はきょろきょろと周りを見回し、腕の立つ奴は居ないのかと子供の様にはしゃいでいた。
……よしっ、これなら。と優駿は次の戦いの勝利と、そしてその先の目標に拳を握り締める。
「刹那、少しいいか?」
「ん、何だ?」
「あっ公孫翔さん、おはようございます。」
刹那が振り向くと、公孫翔が二本の木剣を持ってニヤニヤと笑いながら立っていた。
「木剣で見込みのある奴を二、三人連れてきてくれ。……頼めるか?」
「何か、面白そうだな。おおよ、俺に任せとけ。」
「刹那、行ってらっしゃい。」
凄く楽しそうに辺りを見回す刹那の姿を、暖かく見送る優駿。
「……ふむ、まずまずと言う所だな。明日、俺は小用で出掛けてくる。俺が居ない間、留守を頼むぞ優駿。」
「あ、はい。例の、あれですよね?……その、大丈夫何ですか?僕、少し心配で……。ほら、色々あれですし。」
「何も問題無いだろう、俺達も似たような物だしな。」
「……はあ。」
心配している優駿を余所に、公孫翔は笑いながら答える。
翌日の朝、空を見上げながら、公孫翔の心配をする優駿の姿があった。
公孫翔が向かった先、それは到底味方と呼べる存在では無い。少なくとも一般人や優駿からすれば、それは確実に敵と呼べる存在だったからである。
「……まあ刹那より強い人だし、大丈夫かな。」
────────。
「待たせたな、手土産に旨い酒を持ってきた。……とりあえず、一杯やりながら話そうか。」
ここ翔国は十国の中でも一、二を争う程圧政に苦しめられ、治安の悪い国である。その為、国に蔓延る盗賊団の数も又大陸一であった。
公孫翔はその盗賊達の頭に、ある提案を持ちかける。
「こりゃ、随分と気前が良いじゃねぇか。」
旨い酒を飲みながら、上機嫌に話す盗賊達。
「きちんと仕事さえしてくれればな、それ相応の対価は払おう。」
この国に蔓延る盗賊達の数は、五千をゆうに超えていた。その五千を全て味方に付ければ、先日に集まった志願兵と合わせ。朧の団の数は、一万近くにも膨れ上がる事だろう。
酒を飲み交わし、楽しく話し合う一同。公孫翔は笑いながらも、頭の中では次の戦いの準備を進めていた。
「…………。」
……次の戦いは、苦戦は免れない。
公孫翔は不足の事態等を幾つも想定し、慎重に事を進め数多の手段を取り入れていた。
その手段の一つが、この五千の盗賊達である。
「よぉ……。お前が噂の、朧の団の頭か?」
大柄の男がどすんと腰を掛け、公孫翔に話し掛けてきた。
「どんな化け物が来るかと思っていたら、女見てぇな面してやがる。……ハハハハハハハ、俺は月影団の呉頭だ。似たような名前の盗賊団同士、仲良くやろうぜ!」
──月影団。
月影団は、この国最大。……いや、大陸最大の盗賊団である。その数は千五百人を超えており、朧の団以外では。唯一、国の討伐隊を返り討ちにする程の実力を持つ武闘派集団であった。
この月影団を味方に引き込めれば、朧の団にとってかなりの戦力増強に繋がる事だろう。
……公孫翔が当てにしているのは、この月影団であり他は数合わせに過ぎなかった。
武将紹介
「優駿」
武力 45
知力 84
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「臥龍」
武力 96
知力 68
体格 98
"天覇十傑"に名を連ねる、最強の将軍の一人。その実力は、剣竜とも互角に戦える程の強さを持つ。翔国が誇る、二大将軍である。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「青辛」
武力 74
知力 92
糸目 では無い。目を閉じているだけ。
知将。その知略は翔国一と称される人物。翔国の軍略を一手に取り仕切っている将軍である。二大将軍に隠れがちだが、非常に優秀な将軍と言える。
「呉頭」
武力 85
知力 38
悪行 96
大陸最大の盗賊団、月影団の頭目。朧の団以外で唯一、討伐隊を退ける程の武闘派集団の親玉である。かなりの怪力の持ち主。かなり悪事を働いているが、領主程嫌われてはいない。




