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自由と鬼胎と眼力  作者: いさら井蛙
赤ん坊時代
8/20

僕と私の顔合わせ

今日は疲れました。

ストレス発散の小説投稿です。

1日経つと書き方が同じかどうか不安で仕方ないです。

◇◇◇―――――――――――――


 転生してから丁度4ヶ月。


 今日は前から決めていた、とある事を実行する日。


 

 よし、まずはお母さんかお父さんを呼ばないと。

お母さんが近くに居るし、お母さんにしよう。


「まま、まま」

「はいは〜い!どうしたのシアト?お腹空いた?」

「こっち、きて」


 とりあえず、移動移動!

結構前から歩けるようになったから家の散策をしてたんだけど、一番見たいアレが高い位置に有って、見れなかったんだよね。


「あれ、みたい」

「ん?どれ?……あ、鏡ね!そっかそっか、初めて見ると気になるよね〜。ちょっと持ち上げるわよ〜」


 知らない筈の物の名前を言うのはちょっと気が引けるから、伝わって良かった。

とにかく、これで漸く僕の外見が分かるよ……


「はい!これは鏡って言ってね〜、この中に居るのはもう1人のシアトなんだよ?」


 引っかからないからね?


 

 それにしても、僕は……可愛い。赤ちゃんだし。


 髪の毛の色は、お母さんから受け継いだ薄桃色。

まだ4ヶ月だけど、毛量は意外と有る。

 

 頭には前頭部から真っ直ぐに生えた角が1、2

…………3、4。あれ?何か小さいの増えてない!?

元々生えている角の付け根の、少し後ろ辺りから、短めの角が生えてる。

これは……お父さんの角だ。上に伸びているお母さんの角に対してこっちは先端が後ろの方に向いてる。

そっかぁ、角4本か〜、かっこいいけどね?


 尻尾は、薄らと鱗の見える、黒っぽい尻尾。

これについては最近動かす練習をしてたから、先端だけは知ってるんだけど、全体像を見るのは初めて。

かっこいいなぁ〜


 因みに、龍人は普通のベッドだと尻尾が邪魔で仰向けに寝れないから、専用の穴の空いたベッドが存在する。

僕みたいに小さいなら自前で穴を空けて作れるけど、お父さんとかだと結構ベッド自体が大きくなって……

だからお父さんは別の部屋で寝てるんだよね。


 そして一番気になる、目。

右目は焦茶。左は……白。柏くんのだ。

一見、白内障みたいに見えるけど、視力は有る。景色は見える。謎の力のお陰かな?

色と言えば、元の世界でも、青とか緑とかの髪色が自然発生するような事になっていた。

以前は何とも思ってなかったけど、今の感想は「メラニンとか、どうなってるんだろう」しかないね。


 総評、可愛い。かっこいい。けど色々混ざってて厨二病感が否めない。

厨二病。昔は僕も罹ってたけど、ね?

今は流石に卒業してるから、少々きついと言うか……

幾らスキルが有る世界って言っても厨二病は厨二病だし、中学の時にあれだけ「こんな強いスキルが欲しい!」とか考えて、結局高校では何もできなかった事は完全に黒歴史だし……

 


 はぁ……

折角女の子になったんだし、もっと女の子らしく振る舞ってみるとか?一人称を「私」に変えてみる?

その方がこの身体に合ってるし、厨二感が和みそうだし、自然かな?



「シアト、ほら、バイバイしてみて!鏡の中のシアトもきっと嬉しいと思うよ!」


 お母さん、それは流石に



 

――――鏡の中の「私」は、



「……」



――――「私」の()は、「僕」自身を見つめている様に見えて

 


 


 ……なんだ、簡単な事じゃん。


柏くんにこの眼を貰ったのは僕で。

 

いつか元の世界に戻りたいと思っているのも僕で。

 

初めからお母さんとお父さんの子供なのも僕で。

 

そんな僕が、なりたい訳でもないのに「私」とか気取るって、我ながら呆れてしまうな。


そうだよ、この姿を嫌う必要も無い。

これは立派な僕の姿。

逆に胸を張っていかなくちゃね!

こんな、かっこ可愛い姿なんだ、って!

 


余計な振る舞いなんて要らない。

堂々と、僕は僕自身だから、ね。

 

 

「シアト、どうしたの?」

「……ううん、なんにもない」

 

 案外、お母さんの言う事も的外れではないのかもしれない。

心做しか、微笑んでるからね、もう1人の僕が。



◇◇◇―――――――――――――


 普段、あまり私を呼ぶ事の無いシアトが、今日は朝から呼び付けてきた。

 

 最近は「あうー」も少なくなってきて、代わりに「ママ」が増えた。今日は2回も連続で言ってくれたわ!

 

 そう言えば、この間、初めて「ママ」って言ってくれた事をランに話したら、

「それ、『まんま』じゃないんですか?」

なんて言ってくるし!「まんま」なんて言葉、教えてません!うちは「ご飯」なんです!!


 それよりも、シアトが何か見せて欲しいみたい。

指を上に指してるから、上に有る物みたい。

う〜ん、ここは洗面台だし何か面白い物が有るかしら

……あ!鏡!


 あ〜昔、私も初めて見た時、気になって仕方なかったわ。

「このなかにわたしがいるの!おかあさん、たすけられない?」ってお母さんに聞いたら、もの凄く笑われて……

その後もずっと揶揄われてたから、良く記憶に残ってるよ。



 そうだ!鏡を初めて見るシアトなら、この中にもう1人のシアトが居るって言っても、信じてもらえるかも!


 

 う〜ん!よしよし!シアト、鏡に食い付いてるよ!

ずっと鏡と睨めっこしてるし、これはやはり信じてるのでは!?

前々から、シアトは話しかけたら素直に聞いてくれるし、こっちが言った事を分かってるみたいに動いてくれるから、凄く賢い子だと思ってたんだけどね、やっぱり鏡の不思議には勝てなかったかぁ〜!


 

 シアトは鏡をずっと見つめてるだけだし、何かしてもらおうかしら?


「シアト、ほら、バイバイしてみて!鏡の中のシアトもきっと嬉しいと思うよ!」


 振ってくれたら私も嬉しい!!


 ん?ちょっとぼーっとしてるけど、何か有ったのかし――――あっっ、可愛い!!!



 


 そう言えば、考えていなかったのだけど、

シアトに鏡の(しんじつ)、何時伝えようかしら……

厨二病、私は好きですよ?

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