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自由と鬼胎と眼力  作者: いさら井蛙
プロローグ
2/20

心と眼が惹かれるスキル

こ、こんな感じじゃない?

◇◆◆◆◆―――――――――――

スキルショップ店内


「「「いらっしゃいませ」」」

「ど、ドウモ〜」

 

 凄い。場違い感が凄い。

 

 何処かの貴族の館ですと言われても信じてしまう程豪華な装飾の数々。バッチリと正装を着た、執事やメイドの格好をした店員さん達。

……ここだけ別世界ですね?

 

あ、綺麗なメイドさんが1人こっちに――

 

「何かお探しのスキルは御座いますか?」

「え、アッ、アノーハジメテココニキタンデスケド……ココデカエルスキルノイチラントカ、アリマスカ?」

「……はい。ご用意致します。ですが、膨大な数のスキルがある為、ある程度種類を絞られてからスキルをお探しください」

「ァ、ハイ」

 

 あぁぁ駄目だ駄目だ!しっかりしろ僕!

緊張するけどッ!!相手は人なんだよ!

カタコトじゃ分かりづらいから!!

 

「――ンンッ。えぇっと、攻撃スキルじゃないや……スキルで、持ち主を補助する効果があるもの、でお願いします」

「畏まりました」


 思わず丁寧な言葉選びになってしまった。はぁ…

 

 ん?何か視界が歪んで――


 

『これらが先程の条件に合致したスキル一覧です』

 

 気付いたら知らない広い部屋に居た。

一瞬視界がぐにゃっとしたかと思ったら景色変わってるし、隣に居たメイドさん居ないし、目の前には数え切れない程のスキルオーブやらスクロールやら本やらが有るし。

怖っ……この店、

やろうと思えば客を幾らでも捌けるじゃん。

誘拐的な意味でも。


『ここからは管理AIのワタクシ、レスターがお客様の担当を致します。スキルについての質問があれば遠慮無く申し付けください』

「は、はい。分かりました」


 気を取り直して。スキルを見て行こう。

と言っても、

 

「多いなぁ」

『ここにあるだけでも約1万種御座いますから』

「1万か…」

 これだけ多いとなると、2時間程度の出勤前の時間じゃ到底足りなそうだなぁ。ま、今日買うと決めた訳では無いし。パッと見て回――――――――


 

『【永劫のウェットアイ】オーブ パッシブ』

[ドライアイの方必見!このスキルが有れば、瞬きをせずとも目が常時潤います!もう貴方を苦しめる目の乾燥とはお別れです!序でに目の疲れの回復速度を速くする効果も有ります!]



 ここで究極の2択が生まれる。

 これを買うか、買わないか!!


 

 このスキルが有れば、僕の【眼力】スキルは大幅な強化を受けるだろう。

瞬きの必要が無くなるんだ。スキルが途切れなくなる。今はまだ数秒間しか止められない【眼力】くんだけど、将来を考えると、この【永劫のウェットアイ】スキルを取らない択は無い。

 

 問題は

「これ1個で車買える…」

これを買うと所持金が8割消える事だ。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…どうしようどうしよう」

迷う、迷うぅぅ!

こんなスキル、神様が「取れ」って言ってるようなものじゃん!

一旦冷静になろう。うん、なろう。なってるよ。うん、やっぱりなってないや。


「質問が有ります」

『はい、どのようなご質問でしょうか?』

「『目』に関するスキルで、この【永劫のウェットアイ】に似たスキルは有りますか?」

『そうですね……こちらの【永劫のウェットアイ】はドライアイの方々を救う為に開発されました。このようなスキルは基本的に一点物の為、該当するスキルは御座いません』

「なるほど」

『宜しければ、『目』に該当するスキル一覧も御覧になりますか?』

「はい。お願いします」

 

 さてさて、【永劫のウェットアイ】に似たスキルは無かったみたいだけど『目』のスキル一覧を見せてくれるらしい。

僕の【眼力】が成長したらまた買いたいな〜。



『【赤の魔眼】現物 パッシブ』

『【青の魔眼】現物 パッシブ』

『【緑の魔眼】現物 パッシブ』

『【白の魔眼】現物 パッシブ』

『【黒の魔眼】現物 パッシブ』


 どれどれ、魔眼か。魔眼は眼球だし僕は要らないかな。

……うーん、僕の所持金が丸々8個消えるね。

尚更買わない。



『【可視光増加】オーブ アクティブ』

『【可視光増加】オーブ パッシブ』

『【視力強化】オーブ パッシブ』

『【眼精疲労回復】オーブ アクティブ』

『【望遠】オーブ アクティブ』



 この【眼精疲労回復】って言うのは、【永劫のウェットアイ】に含まれてるっぽい?

じゃあ【永劫のウェットアイ】くんは実質複合スキル?益々魅了的に見えてきた。

 

 思い切って買っちゃう?

まだまだ見てないスキルはあるけど、僕のスキルとこれ以上シナジーが高いスキルは無い、と思う。

まだ確定してないけど臨時収入あるし?

貯金もある程度は残ってる。

向こう見ずかもしれないけど、今直ぐ買いたい。

だって感じちゃってるんだもん、運命。

唐突に、今迄弱小スキルだった僕のスキルが、カースト中位ぐらいにはなると言われた気分。

 

これはもう決定だね、うん。


 

「これ、買います」



◇―――――――――――――――

市街某所


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」


 や、やっと着いた〜。

あの後、色々説明聞いてたらちょっと急がないと遅刻しそうな時間になってしまったけど、何とか間に合って良かった。

言ったら悪いけど、火事騒ぎでいつもより人通りが少なくて助かった。

火事の方はどうやら消防隊の人が直ちに駆けつけて鎮火したらしい。

近年は魔導技術が発展したお陰で、警察とか消防とかが事件が発生してから2、3分で来てくれるし、凄い良い時代になったね。

うん、良かった良かった。


「おはよーござーまーす――あれ?」

 あれ?オフィスに誰も居ないんだけど…

大半がノマドだし人が少ないのはいつもの事なんだけど、あの古めかしいジョーシがいないのはどう言うこと?

……え?無断欠勤ですか?


 ジョーシに手当を要求してリストラされる気でいたんだけど―――――とりあえず時間休でも使っておこう。

余ってるし。

あ〜2話目だぁー

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