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自由と鬼胎と眼力  作者: いさら井蛙
童時代
19/20

本人に質問

前半は設定パートです。ご了承ください。


15話を訂正がこの話と今後に関係有るのでここに書きます。

以前、サブスキルが「成長しない」と書きましたが、「成長する」と認識してください。

――――――――――――――――


「シアトちゃん、なんだかげんきそうだね」

「そうだね。さっき登校中に受けたフィナーラの貴族テストで満点取れたんだよね!」

「それ、まだつづいてたんだ……」


 いやー、昨日一生懸命勉強した甲斐が有ったよ。

お陰で、フィナーラも満面の笑み!

うんうん、みんな幸せハッピー!!


「でも、それにしてはテンションがおかしくない?」

「えっ、そ、そうかなー」

「……あきらかにそうだよ」


 やべっ、行き過ぎてたか。

ゴードくんが「げんき」って言ってくれたから大丈夫だと思ったんだけど……そんなに甘くないか。


「まぁ……色々有ったんだよ」

「そっか」

「素っ気無!吃驚するぐらい淡白な反応だね?!」


 ……でもこのルーティーンで、少しは心が晴れた気がする。


「けど、今のやり取りでちょっとだけ気が楽になったよ。ありがとう」

「……はぁ。まぁ、いまのほうがシアトちゃんらしいよ」


 

 え、まさか普段の僕と様子が違うから話しかけてくれたの?ゴードくんの方から声をかけてきてくれたから、珍しいなぁって思ってたけど、そう言う事?

 

……なんか対応がクールだぁ。



「じゃあ今日のホームルームを始める」


 あ、もう授業の時間か。

今日の1時間目は、国語か。読み書きはできるし、最近は毎授業文字なぞりしかしてないしなぁ……

この時間にお母さんに何をプレゼントしようか考えておこうかな。


 

――――――――――――――――


「もうすぐスキルの実習が始まる。そこで今日の能力の授業はスキルの種類と注意事項について学ぶ」


 4時間目の能力の授業。

昼前で凄く眠いけど、今の僕はスキルに関する知識が色々と不足している気がするから、よく聞いておかないといけない。


「今までの授業で言っていた『スキル』。本当は色々な種類に分けられる。ソートに聞く。何か知ってる?」

「え、えっと……しげんスキル?」

「おぉよく知ってる。ソートありがとう。始源スキルと言うスキルはみんなが今持ってる様な、生まれて初めて入手したスキルの事を言う。今までの授業で言ってきた『スキル』もこれの事を言ってる」


 始源スキル?なんかかっこいい名前だね。

これは前世で言う「メインスキル」の事か。

地球でもメインスキルからこっちに改名されないかな?


「実は始源スキルだと少しだけ違う。スキルは大きく2つの種類に分ける事ができる。まず、みんなの考え方で効果が変わるスキル、変動スキル。これに始源スキルは含まれる。もう一つは基本的に効果が変わらないスキル、通称不変スキル」


 なるほど……変動スキルは、メインとサブをセットで言ってるみたいな認識で良さそうだね。

不変スキルは、アザーズの事かな。


「まずは変動スキルについて話していく」


 よし、多分ここの部分大事だぞ。


「変動スキルの大きな特徴として個人の知識や思考、経験などでスキルの効果やスキル名が変わる事が有る。みんなも始源スキルを持ってるから自分のスキルに対する知識の重要性は親御さんから教えられていると思う」


 うーん……そんなの教えてもらったっけ?

生まれた直ぐ後からスキルが使えてたから、もしかしたら忘れてるのかもしれないなぁ。


「変動スキルの変化には名前がついている。一般に変化の事を『成立』、悪い方向の変化の事を特に『破綻』と言う。この言葉は3年生でも習うと思うから今は覚えなくても良しとする。ただスキルの変化には良い物も悪い物も有る、と言う事は絶対に覚えておく」


 変化の名前の『成立』も『破綻』も日本と同じだから特に更新する事は無さそうだね。

でも、この事は能力者として必ず覚えてないといけないぐらい大事な基礎だし、下手すれば命に関わる場合も有るから、「ごめんなさい、忘れてました!」では済まされない。


「例えば火を生み出す【火】のスキルを持った人が居るとする。このスキルが【炎】や【火炎】になって火力が上がる。これを『成立する』と言う。【火球】や【火矢】と言った方向性が絞られる変化も同様」


 正直、【火球】とか【火矢】にして威力を上げるよりも、【火】の方が色々な形にできるから、最早、実質『破綻』なんじゃないかって思うけどね。

 

「極端な例を挙げる。もし【火】のスキルを持って生まれた特技子が居たとして『水を生み出すスキル』だと教えられて成長、その後『火』とは燃え盛る火の事だと知った時に今まで使えていた『水を生み出すスキル』は使えなくなる。その上【火】の能力も安定せず、暴走状態になってしまって自分も怪我をしてしまう。こういう事を『破綻する』と言う」


 確かに凄く極端……普通は有り得ないね。

だけど、アニマーテ先生は、多分極端な例を出してみんなに気を引き締めてもらいたかったんだと思う。

 

スキルは力をくれるけど、危険な事には変わりない。


 これから先、スキルの実習授業が始まる。

1年生だし、先週もやったスキルの制御とか、魔力の消費調整とかスキルを使用する判断力とか、威力以外の事を重点的に鍛えていくと思う。

子供の悪戯でスキルを街中で振り回してもらったらそれこそ困るよね。

よく考えたら、以前の日本で、小学生が兵器持ち歩いていると思うと…………危なっかしい。


「因みにこれは本当にあった出来事だから他人事だと思わないよう心掛ける」


 ……代々水系のスキルを使う家系だったのかな?


「おかしな事でも意外と実例が有る事は結構有る。次の説明に行く」


 あ、はい。


「変動スキルの入手方法は未だに不め……いだから発見したら国王から勲章貰える。始源スキル以外の変動スキルも見つかってるけど全部『ある日突然手に入れてた』らしくて不詳」

「「……」」


 ……いや、まあ、1週間もよく耐えた方だと思うよ?

苦しい場面は、今迄もちょっとあった。

僕達もなんとなく、何か有るんだろうなぁと察して、今迄黙ってたんだけど……流石に、ね


「始源スキルもある日突然手に入る上に人によって異なると言う神秘性を有している事から変動スキルは『人を選ぶスキル』とも言われている」


 何も無かったみたいにスルーした……


「せんせい!」

「グレース、何か聞く」


 陽気なグレースくんが、遂に行った!!


「せんせいは、なんでことばのさいごがウ段なの?」


 果たして先生の答えは、


「これは師匠に教えてもらった『キャラ作り』の一種」


 

 ……キャラ!?


「せんせいは、ふつうにしゃべれるってこと?」

「うん。こんな風に話したりできるから、別にウ段に脅迫されてるわけじゃない」


「先生、何故キャラ作りを?」

「む、シアトか。そうだなぁ」


 どうしてなのか、こう言う時は本人に直接聞くのが1番だよね。


「私は以前冒険者だったんだけど、先生になりたいって思って飛び出して来た。その時、師匠に『生徒たちの個性に負けない様に、お前もキャラを作った方が良い。例えば語尾をウ段にしてみるとか』と言われた」

「な、なるほど」

「もしかして授業で話す内容が分かりにくかったりした?」

「えっーと……まぁ、イ段とかも増やしてみては?」


 

 あ!!

さっき「不明」で詰まったから咄嗟に「イ段」とか言ったけど、この際「はい!少し分かりにくいので語尾の制限を無くしてもらえると助かります!」とか言っておけば良かった……


「了解。これからはイ段とウ段を使う」


 すまない……みんな。



――――――――――――――――


「フィナーラ、タクト、今日は放課後に用事が有るから先に帰って良いよ」

「分かった〜」

「おだいじにね」

「はっ!お大じに〜」


 今日は、お母さんに日頃の感謝を込めてプレゼントを買って帰りたいんだよね。だから、


「ラントカイ、お金貸して!」

「……」


 僕はまだお小遣いとか貰ってないし。


「しっかり返すから。出世払いで!」

「はぁ。いくらぐらい?一応、非常時用のお金だから1000プルトぐらいは有るけど」

「うーん。相場は分からないけど、余裕で足りると思う」


 この国では「プルト」と言う単位が使われてる。

日本の「円」と比べてどれくらいか考えるなら、前にお母さんにメロンパンを買ってもらった時、10プルトで買えたから、1プルト大体10円ぐらいだと思う。メロンパンが高級じゃなかったらだけど。


「昔の事を思い出した」

「ん?昔?」

「うん。昔のチェア様も今のシアトみたいな事言ってたなって。当時のチェア様はお転婆だったから、その時も私が財布を管理してた」


 今のお母さんも大概だと思うけど……

でもそっか、お母さんは昔からあんな感じなんだね。


 

――――――――――――――――


「ねぇシアト。一体何処に向かってるの?」

「ふっふっふっ、到着するまでナイショ〜!」

「……はぁ」


 ま、また溜め息つかれた……

こっちは、結構そう言うの敏感なんだからね。


 

「そう言えばシアト」

「な、何?」

「今日の朝、」


 あれ、さっきと違って真剣な話っぽい。


「嫌な事を思い出したって言ってたでしょ?」

「…うん。それがどうしたの?」


 どんな話だろう。展開が分からない。


「その嫌な事が、昨日私が話した故郷の話、なんじゃないかな……って」

「……あ」

「シアトが聞いてきた事だったけど、不快な話をすんなり話してしまった私に責任が有る事だし……」


 ……なるほど。


「全く別の事だから、気にしなくて良かったのに」

「……そう」


 これは、絶対気にしてるなぁ。

また今度、何か考えないと……


「とにかく!ほら、着いたよー」

「うん…………ここって」

「お花屋さんだよ」


 通学路からは外れた道に有るけど、お母さんと買い物に出かけた時に場所は覚えてたからね。

お陰ですんなり来る事ができた。


 お母さんへの贈り物を考えた時に直ぐに思い浮かんだのは母の日に贈るカーネーションだったから。他の選択肢は考えても良い案が思いつかなかったし。


 

「ごめんくださーい」

「いらっしゃい」


 店主さんは中々に渋い褐色のおっちゃん。

ギャップが凄い。


「えっと……これとこれと……これかな。おっちゃん、お会計お願いします。ラントカイ、支払いお願い」

「おぉ、家族への贈り物か?偉いぞ」

「あ、はい。ありがとうございます。支払いは別の人ですけどね。ラントカイ、ボーっとしてないでこっち来て」


 ま、まさかここに来て、支払い拒否とか?

 頼むよ、ラントカイ!当ては君しかいないんだ!


「えっと……これは?」

「花だけど。……あぁ、そう言う事ね。この黄色のカーネーションがラントカイので、ピンクのカーネーション2本の内の1本がお母さんの、2本のバラの内の1本がお父さんので、他が僕の」

「シアトの?まぁいっか。そう……私のも……おっちゃん、ピンクのカーネーションをあと11本頂戴」


 あと11本!?

これ1本20プルトするから、11本で220プルトって、


「シアト、チェア様に渡すなら12本の花束にしよう」

「でも高いし…」

「昨日のお詫びだと思って。この分は返さなくて良いから」


 そりゃぁこっちは得でしかないから良いんだけど……


「お嬢ちゃん、ありがたく貰っとけ。友達の好意は大切にした方が良いぞ?」

「そうですか?」

「おぅ、良い友達を持ってるぞ」


 まぁ、こんなにお金出してくれてるし……

ラントカイ、将来悪い男に引っかからない様にね?

「メインスキル」とかの地球、アルタナザでの呼び方が出てくるのは滅多に無いと思います。(主人公の感想、結構先の展開なら出てくる事も有り得ます)

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