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自由と鬼胎と眼力  作者: いさら井蛙
童時代
16/20

無知は罪

いきなり1週間と少し休んですいませんでした。

投稿再開です。

――――――――――――――――


「先週の復習からする。スキルとは人がそれぞれ持っている力のことを言う。いつ使えるようになるかは不明。生まれてすぐに使える人も20歳ぐらいで使えるようになる人もいる。ほとんどの人は10歳ぐらいでスキルを使うことができるようになる」


 1時間目から能力の授業。

小学1年生だから初歩中の初歩の内容だけど、日本の常識とこの世界の常識は当たり前だけど違うから、時たま出てくる用語とかは頭の中ですり替えないといけない。

今はあんまり出てきてないから良いんだけど、小3とかになったら………覚悟しておかないと。


「――スキルをより強いものにするにはどうすれば良かったのか覚えてる?プライに聞く」

「はい。自分自身の持っているスキル名について知見を深めたり、自分なりの解釈を深める事で強化されます。過去には信仰心や感情でスキルが強力になったり、変化したという事例も有ります」

「感嘆。でも言ってなかったことも言ってる…」


 相変わらずプライくんは本当に小1ですか?

転生者の僕より大人っぽいんだけど……


 まぁ、それは置いておいて。

スキルが変化する要因は前世に続いて同じだから分かりやすくて、ありがたい。それが本質なんだろうけどね。

前世では、スキルの「展延」「転成」「解釈依存」などなど沢山の文言が存在したんだよね。人によって感覚が違うらしくて、沢山有る言葉の中で自分のスキルや思考に合った言葉を選ぶんだと。

 

 スキルは、解釈次第で何にでもなる。

これは本当に言葉通りで、スキル名に対する知識とか印象とかでスキルの効果とか成長先とかが変わる。

僕の場合も「【眼力】?目力が強くなるのかな?」と考えて本当に強くなったから確実だろうね。まぁガン飛ばしてる顔だったからその訓練はやめたけど。

聞いた話だと、火系のスキルを持っている人が氷を生み出したりできた例も少なくないらしい。理屈はエネルギーを奪って水蒸気を凍らせたと言う事みたいだけど、単純に考えると「?」ってなるよね。


 

 でもそうか、そうだよね。

やっぱりスキルの解釈を変えろって事だよね。

そっか……どうしようかな。う〜〜ん


「――ってる?シアトに尋ねる」

「……え、あ、すいません。聞いてませんでした」

「ふむ。じゃあこの人知ってる?」


 ボードには、見知らぬおっさんの顔面アップの写真が映されている。

…………誰?


「え、えっと……ヤキソバ・ハンさんとかですか?」

「ふふっ」

 

 分からなかったからボケたけど、先生は微笑んでくれたし、微かに後ろの席からも笑いを我慢している様な声が聞こえてくる。

自分で言っておいてなんだけど、そんなに面白かった?


「この人はアンカチェ・フウと言う」

「は、はぁ。……餡かけ風?」

「……この国の現国王」

「え」



 あ、あっぶなぁ!いや、もう遅いか。

とにかく、おっさんとか言わなくて良かったぁ〜!!

数秒前のシアト、ナイス!傷は浅いから。



「……この餡かけではなく、アンカチェ王が建国からずっと在位してる」


 ん?ずっと?

て事は…長命なのかな?


「どうやらシアト以外は知ってる様子」


 その言葉を聞いて後ろを向くと、笑いを堪えて蹲っている子が数名いた。


「……餡かけ焼きそば」

「ちょっ、ま……くっッ」

「ふふふふ、ぁっ、あっああひぃぃ」

「アハハハ!やめ、て、おなかいたいぃ!!」


 よし、これで僕と同罪だね。

でも、そんなに面白い?

子供の笑いの沸点は分からないなぁ。


――――――――――――――――


「シアトちゃん!王さま知らなかったの〜?」

「うん、全然分かんない」


 授業が終わると、フィナーラが直ぐに話しかけてきた。ちなみにフィナーラの席は、一番右側の席の一番後ろ。僕の席は一番左側の席の一番前。縦5席+横4席の距離を、脇目も振らず、駆け足でやってきた。


「じゃ、じゃあ、アルカレートさまは〜?」

「だ、誰?」

「もう!王ひさまだよ!じゃあアカチャートさまは〜?」

「あ、赤チャ◯ト!?え、えっと…王子様かな?」

「う〜、やっぱりぜんぜん知らない。アカチャートなんて人は王ぞくにいません!」

「えぇ……」


 なんだかいつもより熱量を感じる。


「シアトちゃん、アンヘーデス王国に住んでるなら知っておかないとだめ!わたしが教えてあげるよ〜」

「え、いや、また今ど」

「まずアンカチェ王さまはね、王さまってだけじゃなくてすごい人なの!むかし、たくさんのモンスターがアンヘーデス王国をせめてきたことがあって――――」


 

 それから王族の名前と功績を1人ずつ叩き込まれた。勿論たった1回の休み時間で済むはずもなく、今日の休み時間はずっと暗記暗唱暗記……

この時間で分かった事は、フィナーラは貴族オタクだと言う事だ。王族以外の貴族にも詳しくて、そのお陰で放課後に教室居残りになってしまった。

正直あまり内容を覚えていないから、再発防止の為にも帰って復習しないと。


「う〜ん、わたしはやっぱり[ピー]は[ピー]だと思うので、すぐにでもこうかくすべきだと思います〜」

「私もそう思うわよ?実際[ピー]な事ばっかりしてるらしいじゃない。でも中々ボロを出さないのよね。問い質してものらりくらりと…あの几帳面さをもっと真っ当な事に使って欲しいわ」


 現在、いつの間にか領主令嬢のミザリーも混ざって、何か危なそうな会話が始まっている。

と言うか途中に規制の[ピー]が入ってるし……

あ、僕は会話に参加してませんからね?


「やっぱり1ばんは――」

「ふーん、良い趣味して――」


 

 そろ〜り


「それじゃあ、バイバイ!!」

「あ、シアトちゃんまって!」


 走れシアト!急ぐんだ!


「明日!朝、学校行く時におぼえてなかったらしょう知しないから〜!!」


 か、可愛い声で怖い事言うな〜

……どうか明日の僕が生き残れますように!

(やべっ、なろうで貴族とかが出てくる作品は結構読んだ事有るけど、結局あんまり分かってないんだよなぁ…なんでこの作者は知らない事ばっかり入れるかなぁ)

あ、作者は私だった。

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