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第三話 風の上級精霊さん?
スカウトの話を断ってから1週間。
今ボクは学年の音楽の授業として、中国の楽器演奏を聞いている。でも、何かやらされるの嫌だから、一番後ろにいる
親からも勿体無いといわれたけど、あの回答が真実だ。
ボクには歌は自分の思いを形にする道具でしかない。
誰かに喜んでもらえるのは嬉しいけど、そのために遊ぶ時間を削るのは違うと思う。
レッスンだって受けたくない。
だから、歌手になる気はない。
それにしても、この音凄い落ち着く。
この楽器なんていったっけ?「にこ」だったっけ?
馬の尻尾を束ねた弓?っていうので弾いてるんだよね。
でもなんか、勿体無い気もする。
あの楽器ならもっときれいな音が出る気もする。
「あぁ…。あの男はあの二胡の良さを出し切れておらぬ。」
突然聞こえた声に塗り替えるとそこにはゴールデンレトリバー位の大きさの綺麗な銀色の大型犬がいた。