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Prince of the weather  作者: あるでるの
1/3

第一話 日常

帰還後の小説を投稿していますが、並行して過去の話を上げていきます。


この主人公と筆者は体験が酷似しています。


皆さんは、学生の頃テスト前に雨がふるように祈ったら雨が降ったことありませんでしたか?


文化祭や体育祭の前日、予報で雨が確定している時に

降らないように祈ったことは?


天気を捻じ曲げることは、人間にはできません。運で上手くいる人もいますが。


筆者には、そんな不思議な体験が幾度も続きました。


この小説は、筆者の実体験と空想を織り交ぜた物語と

なっていきます。温かい目で見て頂ければと思います。


それでは、今後とも宜しくお願い致します。

ボクには不思議な力がある。


パパにもママにも言ったことがない。


ボクは天気を操れるみたいなんだ。


ただ、この力は使いにくいの。


だって…歌を歌うんだもん。



ボクの名前は工藤大貴(くどう だいき)

ピカピカの小学一年生!

パパもママも○ィズニーが大好きなの。

毎月行ってるの。乗り物よりもパレードっていうのかな?

それを見に行ってるの。

お家の近くの公園で遊ぶよりも、楽しいからボクは

良いけど、家の近くの友達と遊ぶ機会がなくて、

ボクはいつも一人なの。


だからなのかな?ボクには人には見えない不思議なものが見えるの。その人達は自分たちのことを精霊っていうの。


その子達が言うには、ボクには精霊達を従えて自然を操る力があるんだって。


信じられないけど、雨の日にボクが鼻歌を歌うとどういうわけか必ずといっていいほど晴れるんだ。


でも、こんなこと家族にも話せない。どうせ信じてくれないし


でも、一度でいいからその力を使ってみたい。


ボクのことを褒めてほしい。


そんなことを考えながら、ボクはいつもの日常を過ごしてきた。朝から、他の男子が好き勝手に走り回って先生を困らせている。


ボクの先生は、小池先生っていって、僕らと同じでピカピカの

先生だ。だからなのかな、調子乗りの子たちに強く言えてない。女子達は先生を庇ってるけど、男子達は縦横無尽に走り回って小池先生は泣いてばかり。


だから、授業が全然進んでいない。別にボクはいいんだ。

昔から勉強は嫌いじゃなかった。算数は苦手だけど。

ボクは小学四年生のお兄ちゃんといっしょに勉強してる。

だから、一年生の範囲なら授業なんて受けなくても全然問題ない。だから、ボクも騒がしくなったら教室を抜け出して、

音楽室に向かう。


ここは騒がしくなくて、静かだから、よく来ている。

特に今日は雨が降ってるせいか、より落ち着く。

ここは一つ歌ってみようかな。

何歌おうかな。そうだ!昨日家で見たディズニーの映画の

曲を歌おう。なんて言ったっけ?

あぁ、そうだ!『Circle of Life』


「僕らは地球に生まれ 太陽はまぶしく 目に映るもの 手に触れるもの 求め旅は続く…」


ボクは、人の目なんか気にせず歌った。

出入り口のドア鍵閉めてるし。

ボクはパパにもママにも歌が上手いって褒められてるんだ。

精霊さんも心地良いって褒めてくれる。

ボクは昔から高い声も低い声も自在に出せるんだ。


「イッツ・ザ・サークル・オブ・ライフ 巡る命 悩み 望み 愛しながら やすらぎのときを求めて 果てしなく続く命…」


はぁ~。スッキリした。窓を見てみれば

日が差し込んでいる。やっぱり晴れたか。

今日は台風が来ていて1日土砂降りだって言われたのに。


パチパチパチ(拍手音)


急な拍手の音に振り向くと、

出入り口に校長先生が立っていた。ボクがよくここに来ていることを知っていて、勉強ができることも知ってる数少ない人。

そして、いつものボクの歌を褒めてくれる。


「やっぱり、だいきくんの歌は素晴らしいね。女性のような声質に加えて、心地良い声量で聞き入ったよ。」


「ありがと。校長先生。」


「小池先生が倒れてしまってね。今から小泉先生が授業を始めるそうだ。お調子者の生徒達も教室に戻ってきているから、

だいきくんも戻ろうか?」


「うん!わかった。」


校長先生に連れられてボクが教室に戻ると、教室から凄い声が聞こえてきた。この声質間違いなく小泉先生だな。

ボクは何気なく教室に戻った。いつもの如く怒られているのは、悪ガキトリオの翔和、優希、大勢。どうせ、小池先生に

いたずらでもしたんだろう。


小泉先生はボクが戻ったことに気付かないので、ボクの席。

教室の一番左の隅に座った。


…それから30分後こってり絞られた三馬鹿は、泣きべそをかいて席に座っている。


「さて…小池先生は、疲れて寝ているから、今日は私が授業を担当します。今から国語を始めます。起立!礼!着席。では、今日は…」


ボクは小泉先生の声を聞き流しながら、外を見ていた。

朝はあんなに雨降ってたのに、今じゃ雲はちらほら戻って来てるけど晴天であることに変わりない。


「では、このときの主人公の思いについて皆さんはどう思いますか?じゃあ、そこで授業を聞き流しながら黄昏れてる、だいきくん。答えてください。」


ボクが指摘されたことに対してニヤニヤと苦笑を隠さずにいる三馬鹿。悪いね。ボクは準備に怠りはない。この物語も入学当初にさんざん読んで、検討済み。


「その主人公の思いとしては………だと思います。理由としては、………だからです。」


「うん!素晴らしい考えね。そんなによく考えてるならもっと授業に集中してくれると助かるのだけど。」


「ボクは小池先生の授業ならしっかりと参加してますよ。小池先生は優しいから。小泉先生は怖いので必要最低限で。それより、問題ばかり起こしてる人達に考えを聞いて見てはどうですか?」


「あら、嫌われちゃったかしら?でも、小池先生が慕われているのはいいことね。さて、岡村翔和。あなたの考えは?だいきくんと同じは、駄目だからね。聞き流してただいきくんがあれだけのことを言えたんだから、私に叱られてしっかり聞いていたあなたならばもっと言えるわよね?」


「えぇ…」


自業自得だね。ほら、また余計なこと言って小泉先生に怒られてる。これは3人分やると授業と終わっちゃうな〜。


…結局国語の授業は殆どお説教で終わっちゃった。三馬鹿は、

思考停止しちゃうくらい呆然としている。後先を考えないからこうなるんだ。


「おい、お前。」


ボーとしていると三馬鹿が近づいてきた。

どうせまた面倒事持ってきたんだろうけど、無視するともっと大事になるからな。一応きいてやるか。


「なに?どうしたの。」


「お前のせいで小泉先生に怒られた。謝れ。」


「知らないよ。元はと言えば君らが小池先生をいじめたからこうなったんだろ?」


「小池先生は可愛がってあげたんだ。」


何コイツキモ。


「別に君らの気持ちは知らないけど、授業の邪魔するなら学校来ないでくれない?」


「そんなことより、謝れって言ってんだよ。」


「何を謝れって?」


「あそこで俺達に振る必要は無かった!」


「あぁ、あれ?ごめんごめん。」


「は?」


「だから、ごめんね。」


「なんだよそれ。」


「謝れっていったのはそっちだろ?」


「もっとだよ。」


「どうしろって?」


「土下座だよ。」


ボクは、僕の友達に目配せした。うちのクラスは職員室の直ぐ側。そして小泉先生がここに来ればコイツラはジ・エンド。


「は?何言ってんの?」


「土下座しろよ。痛い目みたいのか?」


何だあれ?木製の定規?あれで殴る気?

別にあるくらいなら痛くないからいいけど、それやったら

もう終わりだよ。


「そんなことに回す体力があるなら勉強しろよ。」


「お前うるさいんだよ。調子乗りやがって!」


翔和は、後ろにあった椅子を、優希は道具箱で、大勢は、定規で、俺を殴りつけようとした。

だが、一歩遅かったな。入り口には物凄い形相をした小泉先生。


そして、早足で近づいてきた先生は、三馬鹿に拳骨を落とした。凄い音がして3人とも号泣した。その声で色んな先生が飛んできたが状況確認すると、戻っていった。


最後に校長先生が来たが、物凄い怖い顔をして、三馬鹿を校長室へ連れて行った。


それから一時間後、算数の授業が終わったあと。

給食を食べ終えたときに校長先生がボクを呼びに来た。

申し訳無さそうにして…


「だいきくん。昼休みに悪いんだけど少し来てくれないかな?」


「いいですよ。」


どうせ、あの三馬鹿の件だ。


ボクが校長室に入ると、○ラえもんのメガネくんのように

頭にたん瘤を作ってさっき以上になきべそをかいて正座させられている。その横には椅子に座っている大人の人。


「皆さん、この子がだいきくんです。」


校長先生がそう言うと、大人の人達が立ってボクに謝ってきた


「「「ごめんなさい。うちの子が」」」


それから校長先生からの話があった。


結局、3人は転校することになった。学校でも授業妨害をし続けていたせいでPTAでも問題になっていた。

そこに来てのボクに対するイジメのような行動。本人達は

冗談だといったが、それで済む問題ではなく、3人とも

親の実家の学校への転校が決まった。


ボクは特に何も思わなかった。

ボクには友達なんていないから。



夕飯を食べて、自分の部屋でのんびりしていたボクのところには、精霊さんが集まってきていた。精霊さんは、人差し指くらい。今日来ているのは風の精霊さん。


ボクは彼らのために歌を歌うことにした。

曲は、ゆずさんの『栄光の架橋』

声を自在に変えられる僕にピッタリの曲だと思うし、

僕も好きな曲。


「誰にも見せない泪があった 人知れず流した泪があった

決して平らな道ではなかった けれど確かに歩んで来た道だ

あの時想い描いた夢の途中に今も何度も何度もあきらめかけた夢の途中…」


精霊たちは、僕が歌っている間、音が近所に漏れないように

結界?みたいなものを張ってくれている。彼らとしても途中で遮られたくないんだというんだ。

それでも、ボクの歌を聞きたいって言ってくれるのは、本当に嬉しい。彼らのためにもボクは歌の練習をしないと。


「終わらないその旅へと 君の心へ続く架橋へと…」


精霊たちは、盛大に拍手して帰っていった。

ただ一人だけ残って、こう言い残した。


「明日は水の上級精霊が会いに来るって。彼女に気に入られれば、雨を好きに操れるようになるから。頑張ってね。」


…どういうこと?


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