第三話~ソフィア視点~
第三話(*´꒳`*)
「やったわ〜!!」
馬車に乗った途端、私は歓喜の声を上げた。
長年王太子の婚約者として過ごしてきたが、婚約者としての務めに私は嫌気が差していた。
いつ、どこでも、誰にでも気を抜けない生活は思った以上に神経を消耗する。
由緒ある三大公爵家のサンセット家の令嬢として、王太子の婚約者として過ごしてきた17年間は息苦しくとても窮屈な生活だった。
公爵家に生まれたため、生まれながらの定めと最近は諦めもつきつつあった。
我が国にある公爵家は3つ。三大公爵家のサンセット家、ランゲンブルク家、アンハルト家の中で王太子と年齢の近い令嬢は私のみ。
ランゲンブルク家は長男と次男、アンハルト家は長男のみと女子はいなかった。
ここ数年、王太子との結婚を回避する方法が何かないか探していたが、公爵家に他に女子がおらず、私がいるため、サンセット家より家格が下の侯爵家等の令嬢が王太子に手を出すわけがなく、打つ手なしの状況で諦めモードだった私に光明が差したのが今日の出来事だ。
王太子殿下は、王太子妃教育を受けていない事を婚約破棄の理由の一つに挙げていたが、王太子妃教育は修了したため“今は”受けていないだけ。学園は早期卒業制度で1年で卒業した。表情は“感情を表に出してはならない”という教えを忠実に守ったのみ。
今回、王家の有責での婚約破棄となれば、王家から賠償金が支払われる。
元々王家から打診を受けて整った婚約であり、婚約期間も17年になることから多額の金銭が支払われることになるだろう。
「待ってなさい!3食、おやつ、お昼寝付きのスローライフ!」
ソフィアが理想の生活に夢を膨らませている間に、馬車は王都の屋敷へと向かっていた。
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