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戻らぬ時を僕らは行く  作者: star of K
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1.5章 時間が無い…2

僕が国王と話をしていると、そこに男の子と女の子が走りながら入ってきた。それを追いかけるようにしっかりとした格好の者も入ってきた。すると、国王が紹介をしてくれた


「おお、羅鱶では無いか。いつもすまないな」

「滅相もございません。ところでこちらの方は…」

「そうだな。ラムよ、彼は世の元で執事をしておる者だ。世の子供達の世話役もやってくれててな…」

「あの御二方が国王様のご子息と娘様と言うわけですね。」

「うむ。ほれ、2人とも客人だ挨拶をしなさい」

「こんにちは、コーメです」

「こんにちは、金魚姫です」

「うん、こんにちは」


礼儀正しい子達だ。まだそんなに歳も取ってないだろう…さすが王族と言ったところか。

そうだ…知りたいことがあるんだった


「大変厚かましいお願いですが、この国の歴史書を拝見させてもらうと…」

「ほう、歴史に興味があるのか。ならば住民に解放している王立図書館へ訪れるといい。場所は…羅鱶に案内してもらうとしよう。羅鱶、案内してあげなさい」

「仰せのままに…」


しばらくして…王立図書館


「こちらが王国図書館です。ここでは様々な文学に関する書物が貯蔵されており、誰もが自由に閲覧できます。」

「広いな…」

「歴史書はこちらです。」


ふむ…これが歴史書か。この歴史書も僕らの国と同じ物だ。…魚王国は歴史がかなりあるようだ。1000年以上の歴史はある…あの国王が13世だ、そこまであっても不思議ではない。

ん?約600年前に石板から紙へ文字が変わった…?なるほど。この国が泡に包まれているわけだ。どうやらこの国は元々泡になど囲まれていないようだ。そこに何かしらの方法で国を泡に囲んだ。魚族の国だ、海に沈んでる街でも不便は少ないだろう。

だが、その中でも1つ問題点として文字が上げられる。元々石板を使っていたようだが、そこに文字を掘るのは時間がかかる。それに曲線など、どうしても掘るには難しい物も多かったのだろう。ならば紙に文字を書く方が圧倒的に楽だしそこに余計な時間を割かなくて済む。文明を発達する上でどうしても必要だったのだろう。

しかし、紙にするならばするで邪魔になってくるのが水だ。当然ながら紙やペンは水の中では使い物にならない。ならばなくてもあってもいい海の水を無くすのは自然な考え方だ。あとはどうやって泡で囲んだか…だが、今は関係ない。

グッ!?こんな時にっ…!!


「ガハッ…」

「ラム様!どうされましたか…!ラム様!!」


……


目を覚ますと、僕はベットの上にいた。どうやら羅鱶がここまで運んできてくれたらしい。国王も心配で見に来てくれた


「大丈夫か…?」

「いえ…すみません、一介の旅人でしかない私にここまで…」

「気にするな。困った時に助け合うのは当たり前だ。世は国王になってもその心を忘れることだけは絶対にせぬ」


…本当にこの人はお人好しというかなんというか。旅人でこの国にとっては異質である僕に対してここまで親身に接してくれるなんて。この国は…なんと素晴らしいのだろうか。

すると、国王が僕に質問してきた


「何か病気でも持っているのか?」

「いえ…簡単に言えば寿命です。体が若く見えるのは魔法で無理矢理体をそう見せているだけ。実際は老人とほぼ等しい状態です」

「魔法…?聞いたことある。草食王国 ズーラムが使用する術と。世の国の妖術と違うのだろうな」

「妖術…?」


僕は妖術に着いて説明を受けた。説明を聞いてわかったことは、魔法とは大きく違うこと。

まず魔法は才能に依存しているところが大きく、努力しても力が開花しないこともある。ところが、開花してしまえばどこまで伸びるかは努力次第。妖術は誰の中にでもある潜在能力のようなもので、開花するのは誰でも出来るが上限を伸ばすのには限りがあるらしい。

他にも違いはあるようだが大雑把に言えばこのような違いがあるようだ。それを聞いて僕は恐る恐る聞いた


「…このようなこと聞くのは禁忌かもしれませんが、寿命を伸ばす術を知ってますか?」

「寿命を伸ばす…?世は知らんな。しかし、何故?寿命を伸ばすことは禁じられしものの1つであろう」


…そんなことはわかっている。寿命を伸ばすことが禁忌で罰せられるような大罪であることも。それでも…それでも僕は。


「…守りたい人がいるんです」

「守りたい人?」

「かつて私はとある国と戦争をしました。しかし、私の力が足りず国と…彼女を守りきれませんでした。もう二度と、あの気持ちになりたくない。そして…彼女のあの顔をもう…見たくないんです。だから私はこれまで以上の力を手に入れるため、彼女を最期まで見守れる命を手に入れるために。旅してるんです」

「…決心は硬いらしいな」

「ええ…。」

「ならば着いてくるが良い。もう歩けるだろ?」

「はい」

「案内しよう、この国の殆どが知らないところへと…」


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