表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戻らぬ時を僕らは行く  作者: star of K
36/39

第二章 あれから...2

フローレル特殊刑務所…


ここは限られた者しか存在すら知らない最高警備の刑務所。ここでは入ってきたものは善人も含め全員が魔法、妖術、武術、竜力を発揮することが出来ない。そういった効果のある所刑務所として機能させている。

なぜそうなったのかは不明な部分が多く、説としてはには禁じられた物への対抗策として先人が開発した説、未知なる人種の産物という説…などと言われ、未だ謎多き建築物として調査も進められている。

当然僕も魔法は使えず、ここにいるグリースも妖術を使えない。だからここから脱出するのは不可能だと言われている。

今日はそんなこグリースに尋問をする時だ。


「連れてまいりました」

「ご苦労…さて」

「今更私になんの用かね?ラムよ」

「君には聞かないとならないことが沢山ある。帝王学のこと…第六天魔王のこと…それら全てを…」

「くくくく…無駄だよ。私が何の得もないことをすると思うかね?」

「…だろうね。だから僕は根気強くやらないとならない。不幸にもここではあらゆる戦力が無意味と化す。だから…しつこく問い詰めよう。あの子のためにも…」

「金魚姫か?あいつは哀れだなぁ。家族全員殺されたのにまだ生きなきゃならないなんてねぇ。ファーハッハッハッハッ!!」

「っ…」


彼の言った通り、何も答えが返ってくることは無かった。悔しかった…何も出来なかったことが。


「くそっ…くそっ!!僕のやっていることは…正しいのか…っ!!」



草食王国…


「金魚姫にそんなことが…」

「そうなんだアマリア…僕にはどうにも出来そうにない。」

「ふぅむ…私に任せて貰えないだろうか?」

「君にかい?もちろん構わないよ。」



魚王国ウリーマー…


-魚王国に行くのも随分と便利になった。あり王国の科学力で私が何十人乗っても大丈夫な程の大きなエレベーターを地上から海底まで伸ばし、魚王国へ行き来しやすいようにしてくれた。

…まだ街には戦争の爪痕が残っているけども、あの時に比べると街は復興しつつある。

城に着くと、羅鱶が私を出迎えてくれた。彼と目線を合わせ、私は語り掛ける


「出迎えありがとう、羅鱶。」

「いえ、当然のことです。悲しいことに私の一存ではどうにもなりませんから。姫様は今お部屋で休まれております。きっと…アマリア様ならば歓迎してくれると思います」

「ああ…案内してくれ。」


…考えれば不思議なものだ。 兵士を持たないで他国を訪れることが私達にとって当たり前になりつつある。本来ならば兵士を何十人と連れて訪れるはずなのに…。そう考えると、この大陸も平和になりつつあるのだと実感が湧く。

だが、その平和はあの子の心を癒すことは無いのだろうな…


金魚姫の部屋…


「姫様、羅鱶です。アマリア様と御一緒ですが入ってもよろしいですか?」

「!は、はいどうぞ!」

「失礼するよ。ふぅ…入るのがやっとだ」

「ご、ごめんなさい狭くて(汗)」

「いいんだ、私が大きいだけだから…」

「私は1度失礼致します。」

「ああ、ありがとう羅鱶。」


最初はたわいもない話をした。私は少しでも気持ちが楽になればと思ったが…元気そうにしている彼女はどこか…悲しさを感じさせた。やはり…この子は


「…寂しいかい?」

「えっ…?」

「君は家族をあの男から奪われてしまった。…正直悲しい所の話ではないだろう。けど…」

「アマリア様、私は大丈夫です。皆様がいれば…」

「私もね、死のうかと思った時があったんだ」

「え?」

「…ラムが国を出ていって旅をしている間、私はずーっと食事を殆どしなかった。それが起きる前に私はとある国と戦っていたんだけど、それに負けてしまったから愛想を尽かされてしまったのかと…」

「…」

「その時の私は君みたいに周りに隠すことは出来なかった。だから…君はすごい。周りの人々を心配させないために心にある悲しみを閉じ込めて…王として国を支えているのは。私なんかよりずっと立派な王だ。」

「アマリア様…」

「だけどね…ずっと押さえ込んでたらいつかきっと君は…壊れてしまう。だからさ…1度泣いてみて欲しい。私の勝手なワガママだけど、私は君が壊れてしまうのは見たくない。ずっと君と…仲良くしたいから。」

「……」

「…私には君の家族の声は聞こえないけど、きっとこう言っている気がする。''この国を…ありがとう''ってきっと言ってる。」


そう言って私は…羅鱶から借りた彼女の家族写真を手渡した。ずっと…ずっと目を逸らしてきただろうから今一度その家族を見つめてあげて…。


「なんで…なんで皆先に行っちゃったのよ…会って話がしたいよ…話が…したいよ…もっと私と遊んでよ…」

「……」


その日…彼女は夜まで泣いていた。一生の涙が無くなるような、そんな感じだった。泣いたっていい…だからその涙の後は笑って過ごそう。心からの笑顔で…過ごそう。きっと君の家族は君が無理して笑うより…心から笑っている方が、大好きだから。

「…K」


なんだい?アマリア?


「本編では言えなかったけどコーメって誰?」


ああ、金魚姫の弟だよ((((


「このシーンでさりげなく名前を出すなっ!!((((」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ