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戻らぬ時を僕らは行く  作者: star of K
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第一章 草食王国編2

-アマリアの誕生日が明日に近づいてきた。アマリアは儀式を行うことに反対だったが、国民がぜひ行いたいと言いアマリアもその期待に応えることになった。

…でも、アマリアの懸念も分かる。先日あのようなことがあったばかり、こんな時に誕生祭を行えば敵に攻めてくださいと言っているようなものだ。つい先程も偵察部隊の報告で"肉食王国に動きあり"との情報を得た。

だからせめて準備を完璧にしなければならない…僕はゲニアの元を訪ねていた


「ラムか…どうしたんだ?」

「ゲニア、君のところで1番優秀な偵察部隊はどの子だ?」

「1番優秀…?それはノアだな。あいつは偵察において失敗したことが唯一ないからな。今日もまだ偵察しているはずだ」

「この後そのノアって子を僕の所に連れてきて欲しい。誕生祭の日だけは君の指示じゃなくて僕の指示で動いてもらうことにするよ」

「…おまえがそういうんなら手配しよう。だけど、本当にあいつは…」

「ゲニア、僕らは戦争をしているんだ。"こんなことは無いだろうってことはありえない"。そういったことでの過去の経験は役に立たないよ」

「…お前、変わっちまったな。アマリアはなんにも変わんねぇのに。あんなに泣き虫だったお前はどこに行っちまったんだ?」

「……戦場の地に涙は必要ない。必要なのは…確実な勝利だ」


…これで対策の1つ目は完了する。だが、まだ足りない。これではあいつらを止めるのに不十分だ、だから今度は別働隊を用意することにした。

彼らの対応できないくらいのスピードで懐に潜り込める戦闘員が欲しいところ…僕の足は偵察部隊の所に向かっていた。ゲニアは内職が多いからあまり訓練には立ち会わない、けど僕も立ち会う訳では無い。戦闘員の育成が大変だから中々行けないんだ。けど今必要なのは戦闘員では無い

僕は一人一人見定めることにした。彼らは主に勉学をしている。偵察する時に探るポイントや失敗しないためのコツなどを学んでいる。しかし、勉学を見に来た訳では無い、僕は指示して全員に立ってもらった。そして、言葉を切り出す


「偵察部隊のみんなご苦労。これより急だがテストを行う。やり方は簡単だ、各自得意な魔法を見せて僕にアピールしてくれ…以上だ」


彼らは驚いていたが、僕の指示通りに魔法を見せてくれた。ゲニアに聞くでもいいが、ゲニアでも気がついてないような才能があるかもしれない…

すると、1人のうさぎ族の魔法に僕は注目した。彼は爆発系の罠をしかけ、味方のすばやさをあげる魔法を放てるようだ。だが、まだダイヤの原石…完璧ではない。

-この子だ…僕は確信した。


「君、名前は?」

「ら、ラビトです。」

「入隊してどれくらいになるんだい?」

「ま、まだ1ヶ月…経ってません」

「なるほど、君は優秀なようだ。」

「へっ…?」


そして、全員の審査が終わった。機動隊は6人居れば充分…あまり多すぎると敵に察せられるかもしれない。

僕は彼らにこの審査の趣旨を説明し、6人の名前を言った。その中の一人はもちろん、ラビトだ。この6人に機動隊を組んでもらおう


「そして…君達は今から僕が直接指導する。」

「!!」

「こっちだ…」


僕は彼らを別の場所に連れてった。僕は彼らに作戦の内容を説明した…


「ラム様!僕達が……そ、そんな大役を!?」

「大役を受けられるように僕が君達を訓練するんだ。僕の目に狂いはない、君達にこの任務を与える。この作戦に…失敗は許されない。覚悟してくれ」


そして、この後僕は彼らに訓練を施した。


数時間して、僕の元にゲニアと1匹のリスがやってきた。どうやらこの子がノアらしい


「どうも、ノアです!!ラム様、わたしは何をすればいいですか!」


大変元気な子だ。それが仇にならなければいいが…


「ノア、明日の誕生祭…君は悪いけど肉食王国に1日偵察に行って欲しい」

「!わかりました!偵察隊の役目ですからはたしますー!」

「うむ、それと明日は特に気にして欲しいことがひとつある。」

「?」


数分後

-これで偵察の方も完璧だ。準備は完璧だ、あとは明日の誕生祭を向かえるんだ。

僕がアマリアの所へ向かうと、アマリアは怯えていた


「ラム…私は怖いよ…私の誕生日のせいで…みんなが…傷つくのが怖い。」

「アマリア…」


ああ、分かりきってはいた。誕生祭をやろうと言うんなら"犠牲はさけられない"。それを誰よりも人が傷つくことを嫌うアマリアが耐えられるだろうか…本当ならばやっぱりこの戦争はやるべきではなかったんだ。

-僕は…何も言えなかった。言えるわけがなかった。本当ならば何かを言うべきなんだろうけど何も…



--そう、何も言えなかった。



翌日…誕生祭当日


ついに誕生祭が始まった。国をあげてのお祝い事。アマリアは皆の前に出て国民はアマリアを祝福する。本当ならば僕もちゃんと祝ってあげたい…でも、僕は護らないと。この国もアマリアも…

そして、僕へ報告が入った。戦いの始まりを知らせる報告が


「ラム様!ミトロン王国がこちらにむかってきています!」

「…わかった。各隊戦闘員用意をしろ!!!絶対にこの街へ入れてはならない!!」

「ぉぉおおおお!!!」

「れいのことですが…ラム様の言う通りでした!」

「わかった…君はこのまま他の偵察部隊と合流して務めを果たしてくれ」

「はい!!」


終わらせよう、シン…アマリア。

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