第二章 帝王降臨3
給仕室…
「ここが給仕室ですか…」
「おう。さてと…繭はどこだ〜?」
「繭?」
「さっき俺が入ってた奴だよ。繭見たいだろ?中に誰かいて動かないなんて」
「言われてみれば…」
「もしかしたら…抜け殻を別の化け物に変えたりして」
「そんなまさか…ははは」
「だよな〜!ははは…はっ!あれはなんだぁ!?」
「いいっ!?」
眉の中から人ともなんとも言えない"何か"が出てきた。それはまるで何かを求めているかのように私達に縋りよってきました…
「うっそだろ!?まさか本当に!?」
「っ!!繭は……上か!」
繭の中身を出すように打つと、さっきのような何かと兵士達が出てきました…これは本格的に早くしなければ
「おい、どうすんだよコレ!?」
「くっ…しつこく追いかけて噛み付いて…!」
「いだっ!?こいつらなんちゅう顎の力してんだ!!」
「倒す訳には…!蘇る方法が見つかる可能性が」
「どのくらいあるんだよ!!その可能性にかけるほど俺達は余裕があるのか!?こんなにいるんだぞ!」
くっ…確かにフーゴ様の言う通り、このまま倒さずにいればしつこく追いかけてきて私達がやられるかもしれない。それに本当に見つかるとも限りません。しかし…見つかったら…
「俺様は…倒す!ぶった斬ってやる!!」
「ああっ!?」
「ふんぬ!!!」
…フーゴ様は全ての何かを斬ってしまった。決して間違ってはいませんが…これは…
ん?フーゴ様の様子が…
「…あいつら、やられる時なんて言ったと思う?…"ありがとう"だってよ」
「!!!」
「…俺達は今までこんな事をするやつを…ほっといたのか。許さん…絶対に許さん。」
「…………行きましょう」
暫く散策して…王座の間の前
「生きているものは可能な限り救えました。あとは…アマリア様と金魚姫様、魚王国国王が…」
「この先だな」
「ところで姫が囚われたことに違和感はなかったのですか?」
「俺達が馬鹿だった、姫様は国王様に対して身勝手な反乱を起こしたとしか聞いてない。今思えば国王様の指示も全てあいつを通してだった…この時点で気が付くべきだ」
「…嘆いても仕方ありません。行きましょう」
「ああ…」
私たちは…重い扉を開けました。そこには…魚王国の国王と姫、そして…アマリア様の姿が。当然グリースもいました…
「くくく…ここまで辿り着いたことをまず褒めてやろう」
「グリース…」
「…1つ聞こう。前の国王様を殺したのは、お前なのか」
「ああ、今更そんなことを。確かに私が殺したよ。お前も難儀だな…かつての国王に拾われて使われたからっていつまでも忠誠心を持ってるもんな…あのような何もしないやつになんの価値がある?」
「!!!グリース…グリぃぃぃぃぃぃぃぃいいス!!!!!!!」
「…そんなに熱くなるなよ。気楽にやろうぜ?クラッシャーズ長男よ」
「てめぇは、てめぇだけは!!!!!!!ぶっ殺す!!!!!誰がなんと言おうと、倫理観がどうだろうと!!!!!!てめぇだけは生かさん!!!あの方から受けた恩を…貴様は侮辱しやがった!!!俺は…俺は!!!絶対に許さねぇ!!!!」
フーゴ様の一撃はとても強力でした。しかし、魔王の力が解放されたからかその一撃すらグリースには届いてなかったようです…
「生意気な奴だ…帝王の前に、ひれ伏せ!!」
「ぐがぁ!!!くっ!!」
「フーゴ様、怒りに任せて攻撃しているだけでは倒せません!やつはあなたの怒りを誘っているんです!ここは落ち着いてください!」
「っ…これ以上奴の手の内で踊るのはゴメンだ。で、なんか作戦はあるのか?」
「まずは何が弱点なのかを知らないと」
「だったら俺が前線で戦う、お前は後ろから攻撃しつつ弱点を探るんだ。それと…隙を見て国王様達を助けてくれ。…それでいいか?」
「ええ、もちろんです。」
そう言うと、フーゴ様は攻撃を始めました。大きめの剣を素早く振り回して攻撃しています。豪快かつ繊細な攻撃…これが彼の戦い方のようです。
「ほう…落ち着いたようだね。アリになんか言われたか?」
「てめぇには関係ねぇ。俺の静かな怒りを受けてみろ…!!!」
しかし、グリースも影の腕を使いながら器用に戦っています。私もマシンガンなどで応戦しますが、影の腕に防がれてしまいます…もし、やつの意思で操ってるならば
「フーゴ様、これを」
「ん?なんだこれ…?サングラスか?」
「つけてください!」
「うおっ!?またなんか投げやがったな!?ええいままよ!」
「?…なっ!?強力な光だと!?ぐうううっ!!目が…!!」
「サングラスつけてなかったらやばかったな…今のは」
「閃光弾です!今のうちに!」
私の思った通り、グリースの目が上手く効かなくなると影の腕の厄介さも一気に落ちました…この隙を逃さず私たちは攻撃を加えて、グリースを倒そうとしました。しかし…
「…ふん、この程度の傷。すぐ治る」
「!?再生しやがった!」
「これは…治癒魔法や治癒妖術よりはるかに強力ですね…本当にまずいですね」