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戻らぬ時を僕らは行く  作者: star of K
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第二章 帝王降臨2

-薄暗い、寒い。…初めに私が感じた感情はこれだった。1人は嫌いだ、確かに多人数でいる時は考える時も敬語になってしまう。しかし、孤独でいるよりずっとマシだ。

蟻族の男は基本的に行為の後、1年も経たないうちに死ぬ。今まで女性の国王が多かったのはこのためだ。母親はずっと仕事で忙しかった…だから私の相手をする暇もなかった。勉学の為に学校に行けば"王族らしくない"、"王族だからって偉そうだ"と誰かに虐められるのが当たり前だった。

使用人はいた。しかし、使用人で孤独が和らげられるかと言われたらそうでは無い…使用人は、使用人でしかない。私の気持ちを理解してくれる家族ではない。もちろん母上の寵愛も受けていた…しかし、幼い私にとってその時間は非常に短かった。国王が大変なのはもちろんわかっている、だが、親の愛を欲することは悪いことなのだろうか…?そう思ってしまう。

孤独が長かったから…孤独が怖くなった。そして、孤独にならないために私は…"自らを偽ることにした"。誰に対してもいい笑顔を振りまき、誰に対しても…敬語を使った。それがたとえ…私をいじめた相手でも。そうしていくと、誰も私をいじめなくなった。そして、国民皆から支持を貰うようになった。私は…自らを偽り、孤独を抜け出した。

…そうやって手に入れた手前、こうやって孤独になると私は考えてしまう。"私のしてきたことは正しかったのか"…と。だから私は…孤独が嫌いだし、怖い…。

そんな私の悩みを解決してくださったのは、ラム様だった。ラム様が蟻王国に来て何日か経った後に、話の中でこの話題が出てきた。今思えばなぜあの話になったのか思い出せない…でも、自然とあの方に相談してみたくなった。その時ラム様はこう仰っていた…


回想…


「…自らを偽り、孤独を抜け出した…か。」

「…ええ、本当にそれが正しいのか私には…分かりません」

「誰しも…生きていれば自らを偽ることがある。そこに理由は様々だ。身勝手な理由もあれば、誰かの為に偽ることもある。偽ることは、悪いことじゃない。大事なのは…どうして偽るかだ。ビリャオ、君の偽りは君自身を救った。誰かに頼るわけでもなく、誰かのせいにする訳でもなく…自らで考え自らの手で解決した。」

「…」

「…間違いなんてものはこの世にはない。誰かが間違いだと思っても誰かにとっては正解だ。大事なのは…その正解をつらぬけるかだ。君はその正解を貫いてきた。だからそれは…正解でいいんだ。大事なのは人の意見ではなく…最後に決める自分の意思だ。自ら考え行動してきた君は…なんも間違ってない。」

「…………ありがとう…ございます…ラム様…」


現在…


…きっと、グリースにとってはこの戦いが正解なのだろう。けれど私達にとっての正解は止めることだ。その正解を私は…貫こう


食堂だった場所


ここは…確かクラッシャーズというのがいた…ん?あの玉みたいなのはなんだ?なんか…誰かが入りそうなくらいの大きさだ。慎重に壊して見ることにしよう。そう思い私は銃弾を何発か放った。そこに居たのは…クラッシャーズだった


「やっぱり…」

「う…ううん…」

「ご無事ですか?」

「はっ!弟達は!?」

「既に助けてあります。あなた達、変な玉みたいなものに包まれていましたよ」

「そうか…覚えているはずねぇんだがなんか力が抜けていく感じがしたんだよな。」


力が抜けていく?つまり、この化物は人々をみんなこの玉みたいなものに入れて力を吸収すると…考えるのが妥当ですかね…


「だとしたら他の皆様も助けないと…」

「そうだ!国王陛下は!?」

「きっとグリースに捕まってるかと…」

「なぁにいいいいいいい!!!裏切りやがったなぁあぁぁぁ!!!マグロやろぉぉおおおおお!!!ぶっ殺してやる!」

「…私達の利害は一致してます。どうでしょう?手を組みませんか?」

「なんだっけな…敵の敵は味方だったか。いいだろう!弟達を助けてもらった借りもある!手を組んでやらァ!」

「…私はビリャオです」

「俺はクラッシャーズ三兄弟が長男、フーゴだ!俺様の名前を言ったのは国王様以外ではお前が初めてだ!」


正直どうでもいいのですが…(((((

だが、これでこちらに好機が巡ってきました。彼は仮にも国王直下部隊…城のことは熟知しているはず。


「弟達は目を覚まさねぇか…しょうがねぇ、ここで休んでもらうか。後で必ず迎えに来てやるからな、弟達よ」

「行きましょう…どこか大人数がはいりそうな部屋はありますか?」

「そうだな…食堂意外だと給仕室とか…ってここは城なのか!?薄暗っ!!寒っ!!なんじゃこれぇ!」


…説明してなかった。分かるわけないですよね…ははは。とりあえず私は彼に一通りのことを説明し、道案内をしてもらいました。

しかし、やはり道は変わっている部分が多いようで簡単に辿り着きそうにはありませんでした


「あのマグロ野郎…城の構造変えすぎだ」

「…この壁、影の手で作られてますね。なんと手の込んだ真似を…」

「おらぁ!っ、かってぇなこの壁…」

「…離れてください」

「おい、なんじゃそr」



ちゅどおおおおおおおおおおん!!!!


「…え?」

「今のは手榴弾です。行きましょう…」

「こ…こわ、こいつ怖っ(((((」

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