第二章 王国の闇3
-くっ、これは先程と比べ速度や威力が段違いだ!何故…はっ!!そうか、1人が戦ってる間に他の2人が術で支えることでさらなる力を手に入れているのか!
しかもこの陣形…1人を倒したとしても後ろで回復する体勢が整ってる!正しく不死鳥というわけか!初めから出せばいいものを…!
「おらおら!どうした疲れてるか!?」
「まだまだ…私は戦えるっ!」
「ふんっ、弟達のサポートと俺の攻撃の前にどれだけ持つか楽しみだな!ひゃはははは!」
ふざけているように見えるが、この連携はやはり厄介だ。後ろから倒したいところだが前がこれではどうしようもない!
すると…兄者とよばれるものが弟のひとりに何かしらの合図をした
「ゆけ!弟よ!」
「はっ!俺が相手だー!」
「ちっ、疲れたから交代か…!」
相手は私の体力が無くなるのを狙っているようだ。正直このままでは私の体力が先に無くなり倒されてしまうだろう。だが…私とて1年間何しなかった訳では無い!見せてやろう、強くなった我が力を!
「真なる力よ!我が身に宿りきたれ!皆を平和に導く力を我に…!はあああああ!!!!」
「うおっ!?なんて圧だ!?」
「弟よ、油断するなよ!あれは恐らく竜族の真の力の1つ…竜気覚醒だ!」
「…よく知っているな。褒めて遣わす…だが、私はこの先へ行かなければならん。終わらせてもらうぞ!」
私は刀をかまえ、目の前の敵と向かい合った。
…あの時を思い出す。ゲニア殿と向かい合ったあの時を…あの時は楽しかったな。だが不思議だ…今はあの時の高揚感はない。あるのは勝つという信念のみ。それは前のあの時よりも強く…。
「終わらせるだ…?それはこっちのセリフだーー!!」
「…!切り捨て御免っ!」
「ごふっ!?めっちゃいてえええ!!!」
「なんだ今のは!?」
「…安心せよ、峰打ちだ。」
「なめやがってえええ…!」
峰打ちでも痛みは生じる。許せ…殺さぬも苦しいのはわかっているつもりだ。
「兄者!もっと力を!」
「もう2人とも限界ギリギリまでやってるぞ!」
「くっ!?ここは…」
「交代か?悪いがそんな暇はないぞ」
「はやっ!?」
「まずは1人…」
前に出ていた弟とやらを1人気絶させることに成功した。これには敵も焦りが隠せないようだ
「フェニックスモードが崩された…どうしよう兄者!」
「ええい、狼狽えるな!俺たちは王族直下部隊なんだぞ!1人やられたくらいで負けてたまるか!ゆけ、弟よ!」
「おう!」
「戦い続ける執念は見事。だが…勇気と無謀が違うことをお主らは知っているか?」
「こうなったらスタミナ切れを狙うまで!」
「相手に自らの作戦を露呈するのか…((((」
阿呆なのか武の才能があるのかわからん相手だな…(汗)
だが…あの時のゲニアどのに比べれば…
「…明鏡止水…静寂に映りし我が運命。何人たりとも近寄らせはせぬ。」
「何言ってんだか分からないし目を閉じてるしなんだコイツは…やっちまえ!弟よ!」
「せいやああああ!!!!」
「…抜刀 !」
「ぐほっ!?」
「なっ…!?」
…2人の弟は片付けた。あとは親玉のみ。覚悟はいいか…?
「クラッシャーズとやらよ。今度こそ終わりだ。」
「それはどうかな…?知ってるぜ?それは体力の消耗が大きいはずだ」
「…よく調べたな」
「竜族は有名だからなぁ!だから俺が耐えきれば勝ちってわけよ!」
また相手に作戦を言うか…確かに耐久されれば今までの私はキツかっただろうな。…そう、今までならばな。
数分後
「はぁ…はぁ…なんでくたばらねぇ!!てんめぇ!」
「…日々鍛錬を怠ってないからだ。それに比べ…お主らは鍛錬してないように見える。1人はやせ細り、1人は巨体…お主は普通だし((((」
「普通がいちばん酷い気がするな((((」
「今降参すれば痛い目を見ずに済むぞ?」
「…はぁ、わかったよ。降参だよ降参だ」
…にわかに信じ難いが私は彼に近寄った。すると、予想通り彼らは私が近寄ると構えてきた
「なんて言うと思ったか!」
「…御免っ!」
「ぐふっ!?これも見破られただと…!!俺達の負けだ…」
「…終わったな」
…グズグズしている暇はない。私は彼らを縄で縛り先へ向かうことにした。
一方…アマリア達は
「この部屋です!この部屋にアイツらが!」
「よーし…道をあけ…おっとっと!?」
「開いてた…?むっ!?」
-そこに居たのはグリースに国王らしき人物…そして、フードを被った者。彼は一体…
すると、彼らは私達の方をちらっと見た
「またドブネズミが増えたか!」
「役者は揃った。そろそろ始めようか。君が今まで行ってきたことの全てを話そう」
…身長的に彼かと思ったが、声が違う。じゃあ彼は一体何者なんだ…?