第二章 王国の闇1
「ビリャオ様、もうすぐ目的地に到着します!時間にしてあと2分!」
「かしこまりました。皆様…戦いの準備を」
-始まるんだな、こういうのなんて言うのか…解放戦ってやつか?違うか。ま、そんなことどうでもいい…俺達は魚王国を救うだけだ。
「お前ら気を張っていくぞ!絶対にあの王国を救い出すんだ!」
「おお!!」
「…あの国の闇を私達が魚王国の勇士達と晴らそう。皆…私に着いてきてくれ」
「はいっ!」
「まもなく上陸です。我々の化学力で先の見えない恐怖を晴らすのです」
「はっ!!」
「潜水艇上陸します!」
魚王国 城前戦場地
「くっ…ここまでなのか…」
「敵の攻撃が激しすぎる。このままじゃ…」
「諦めてはなりません…!この国を…私達の手で取り戻すのです!姫様のためにも…私達のためにも!」
「くくく…反乱兵共も終わりだな」
「おい!あれはなんだ!?」
「なっ!?なんなんだ!?」
…入口が開いた。目の前には聞いたとおり、海の中なのに空気や陸地のある魚王国があった。さぁ…行くか
「全軍出撃ーーーー!!!!」
「ぉぉおおおおおお!!!!!」
魚王国城内…
「ほ…報告!!!突如出現した巨大な物体より草食王国、肉食王国、蟻王国のもの達が襲撃!!とても数えきれません!!グリース様、どうすれば!」
「ええい、落ち着くんだ。奴らはどうやら…全員生け捕りにするらしい。そんなヤツら私達が殺意を持って戦えばなんてことないわ!ゆけ!!」
「はっ!!」
「ええい、奴らめこんな時に来おって…!!絶対にこの国を明け渡すものか!」
戦場地…
俺達は2グループに別れることにした。城に入り国王を助けグリースを捕まえるグループ、この戦場で戦うグループだ。城に入るグループは少人数の方がいい…そこで、少数精鋭のチームを作ることにした。メンツは俺にアマリア、ビリャオ、ダホ、ドライトン、そして姫様だ。この人数なら…
しかし、城の門には鍵が掛かっており入れない
「そりゃそうか…!国王、ぶっ壊すか!」
「ダメだ、ダホくん。この城が姫のところに戻る時に門が壊れてはみっともないだろう!」
「国王、確かにそうであるが入れなければ意味が無い!」
「…!後ろから兵士たちがきた!戦場にもいるはずだが、相当いるらしいな」
「シン様、直すことはいくらでもできます!今は…!」
「私からもお願いします…!弟が何をされてるか。すぐにでも行きたいんです」
「くっ…仕方ねぇか」
時同じくして城内…
-……もう来たんだ。予想よりかなり早かったがいつでも行ける準備はしていた。さぁ、行動開始だ…
城内廊下…
「!?誰だっ!」
「あいつは!フードを被った小柄の…!懸賞金が掛かってる…」
「説明する暇があるなら…戦う用意をしなよ。この国はそこまで気が緩んでいるのかい…?」
「ぐあっ…!?」
…無駄な殺傷をするつもりは無い。僕の目的はあくまでグリース。奴を捕まえてこの国を元通りにするんだ。
ん?入口に誰かいるな…!あれはシン達か!そうか…少数精鋭を組んで城に入るつもりか。ところが鍵が閉まってて入れないと。ならばもんをあけるのは僕の役目だな、この城の構造は熟知している。どうすればもんが開くのかもわかっている。
東見張り塔…
「ぐっ…くそ…強いっ…」
「さてと、解除方法はレバーを右に一回転、その後左に半回転して押し込むだったな」
「!?な…ぜそれを…」
よし、これで鍵は開いた。あとは僕の魔法でここから門を操作するだけだ…開け、そして勇士達に道を示せ闇へ続く扉よ
城門前…
「おいおい…どういうことだ。ひとりでに門が開いたぞ!」
「どちらにせよこれで行けるな!」
「しかし、このまま行けば魚王国の兵士達が共に城に入り挟み撃ちに…!」
「なるほどなぁ…どけ。ここは私が止めておいてやる」
「ダホ君!」
「大丈夫、私はこの位でくたばりはしねぇよ。いけ!」
「…ありがとう、ダホ君。」
-みんな行ったか。さてと…みんな元気あるらしいな。相手にとって不足なし!
「追えーー!!」
「…へっ、追いたいか?なら…私を倒してからいきなぁ!!!さぁ…久々の戦いだ。血が滾るぜ!!」
生け捕りにしなきゃなんねぇんだよな…難しいな。けど、やるしかねぇ。
「ぉぉぉぉらあぁああああ!!!!!」
「ぎゃあああああ!?!?」
「うかうかしてると…私がくらい尽くしてやるからな。覚悟しな…」
一方…城内廊下
「なんだこの道の多さは!?」
「調べてくるべきでした…ここまで複雑とは」
「いえ、こんなに複雑では…これはきっとグリースが幻を見せて道が多いように見せかけてるんです」
「つまりは私達が入っていることは向こうにバレてるということか…」
一方…グリースは魚王国の国王の傍にいた
「国王様、御安心を…あんな奴ら私がすぐに…」
「私がすぐに…の先を聞かせてくれないか?グリース」
「なっ!?お、お前は!フードの!ええい…散々内乱を延期させ混乱させたドブネズミめ!!貴様のせいで私は!」
「ドブネズミ…?ああ、間違っていないね。ただし…君の方が僕よりもドブネズミに見えるけどね」