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戻らぬ時を僕らは行く  作者: star of K
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第一章 肉食王国編

肉食王国 ミトロン


誇り高き肉食動物達の暮らす国…それがミトロンだ。私はそこで戦闘部隊の隊長をやってるダホっていうシャチだ。

貧弱共の集まりのズーラムなんかに負けちゃならねぇ!けど、この国の王であるライオンのシンは中々攻めに出ない。聞くところによると、向こうの女王と幼なじみらしいが…情でも働いたか?はっ、バカバカしくて聞いてられないね。

とにかく今日も隊員共を鍛えてやらねば!最近気が緩んでるらしいからな、ここらで喝を入れよう!と、やってるとシンが見学にやってきた


「今日も精が出てるね、ダホ君」

「国王か…お前ら、ダサいところを見せるんじゃあねぇぞ?いいな」

「はっ!」

「ダホ君、ちょっといいかい?」


どうやらシンは私に話があるらしい…なんだかんだ言ってシンはいざと言う時は頭回るからな、みんなついて行くんだ。

すると、シンが話を切り出した


「次の戦いについてだけど…」

「お、明日にでも攻撃するか?」

「いや、俺に考えがある。1週間後、アマリアが生誕式を迎えるんだ」

「ふむ……じゃあその時に?」

「そういう事だ。あいつもまさか誕生日に来るなんて思わないだろう…お互い暫く動きがなかったわけだし」

「確かに気が緩む時ではあるな、よしその作戦で行こう」

「うん、詳しくは今日の夜の会議で話し合おう」

「わかった」


相手の誕生日に乗じて攻めるか…中々いい作戦だ。そして、完全なる決別を行うという意味ではこれ程ピッタリな日は存在しない…1週間後が楽しみだ。


夜の会議終了後…


-私はすることがある、それは勉強だ。私は昔は所謂筋肉バカだった…しかし、シンに頭を使うことの大切さを教わった。だから、この先も見据えて私は色んなことを学ぶんだ

この大陸にはどうやらズーラムとミトロン以外に何個か王国があるらしい。いずれかその王国を見てみたいものだ…そのためにはまず戦争に勝たなくてはいけない。


翌日…


私はいつものように訓練をさせていた。だが、突然驚きの報告が入った


「隊長!城の兵士達が草食王国の攻撃を受けました!」

「なんだって!?今どこに!」

「国王のところにいます!直ぐに行ってください」


玉座の間…


「国王!兵士達は無事か!」

「大丈夫だ…重症ではない」

「そうか。」


この城では兵士と戦闘部隊員では役割が違う。兵士は戦闘を行える雑用係と言うべきか。戦闘部隊員は完全に戦闘に特化した部隊だ。だから兵士達だと戦闘力はそこまで高くない…

何があったのか事情を聞く。すると、草食王国がシンをバカにしてきたと言う。私は怒りそうになったが、シンは冷静だ…


「挑発に乗っては行けないよ…全く、なんてことをしてくれたんだ。」

「国王、それはどう言うことだ?」

「向こうに警戒されてしまうということだよ。生誕式もきっと万全の体制で行われるはずだ。不意を着く作戦は難しいということだ」


シンの冷静さに私は驚いたが、シンの言うことは正しいと私は思う。

-そうさ、戦争なんてこんなもんだ。ただの口論が殺し合いに変わるもの…シンは時々戦争を起こしたことを後悔している。だけどなシン、起きちまった戦争を後悔したって生まれるのは敗北だけだ。私達に勝つ以外の道はもうないのさ。

そして、私はシンに聞く…


「…作戦はどうする?」

「今更変えるつもりはない。このまま決行する…この醜い争いを…俺達の手で終わらせよう」

「ああ、わかった」


そういうシンの背中はどこか哀愁が漂っていたのを私は覚えている…


その日の夜…私とシンはシンの寝室で話し合っていた…上手いダジャレじゃないぞ?


「ダホ君…くだらない質問なのはわかっている。だが…俺は正しかったのだろうか?」

「…国王、戦争に正しいも間違いもない。互いの思うことをぶつけあった結果に生まれるサイアクの結果だ。この結果に入っちまったら…前に突き進むしかないのさ」

「ああ…そうだね」

「…俯くな、迷うな…シン。お前が道に迷っていたら、この国は、私達は誰について行く?私たちを連れて行けるのはお前しかいないんだ。」

「ダホ君…」

「だからお前は…前だけ見てろ。」


そう言って私は寝室から出た。

-扉の音が戦争の終わりを知らせるように私は聞こえた

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