第2章 新たなる悪意1
「アマリアに用事ってなんなんだ、シン」
「あー、ちょっと前のことなんだけどね」
-1時間ほど前、ドライトン君とダホ君がそれぞれのやることを始めた時の事だった。俺の所に手紙を持った兵士がやってきたんだ
「報告します、国王様宛にお手紙が」
「宛名は?」
「見てませんでした…えっと…ラム…ラム!?」
「…直ぐに見せて…」
「は、はい!」
その手紙に書いてあった内容はこんな感じだった
シンへ
こうやって手紙を宛てるのも久しいな。あの時はこんなに余裕もなかったからな…。今、君がアマリアや僕のことをどう思っているかは分からないけど、今は国同士で協力しなくては行けない問題が起きた。…魚王国が全世界に宣戦布告を図ろうとしてるんだ。魚王国の兵士の数は草食王国にも並ぶほどいる、そんなのが戦争を起こせばまた尊い命がいくつも散る…だからそんなことが起きないようにしなくてはならない。今、魚王国では内乱が起きていてそれで宣戦布告が止まっているという状況だ。僕もサポートしてるが5日持つか危ないところだ…そこでだ、君とアマリアにはまず蟻王国に向かって欲しい。そこの女王に掛け合って協力を得て欲しい…大丈夫、君たちならできると僕は信じてる…頼んだ。
ラム
現在…
「つーわけ。長ったらしいけど要は蟻王国と草食王国、肉食王国で協力して魚王国を倒そーって思ってんじゃね?」
「そっか…」
「この部屋か…」
「乱暴なことはすんなよ?シン」
「分かってるって…」
「…果たして国王陛下は本当に理解しておられるのだろうか、母よ」
「私に聞くな、私に」
とりあえずこのドアを何とかして開けてもらわなくちゃな。話にならねぇ
「おーい、アマリア〜。俺だ、開けてくれ〜」
「…」
「返事ねぇな。」
「沈黙か…よし…ダホ君、ドライトン君、とびらをこわすんだ((((」
「え((((」
「…国王の命令とあらば…」
「やめろ、殴り飛ばすぞ((((」
「お、出てきた」
「国王…お前なぁ、私達を巻き込むなよ(汗)」
「結果出てきたのだから良いであろう」
とりあえずアマリアに事情を説明した。アマリアは理解はしていたものの、行くのを嫌がった
すると、草食王国の兵士が手紙を持ってきた
「アマリア様…申し訳ございません、ラム様からのお手紙があるのですがお渡しするべきか悩みまして…」
「!?直ぐに見せてくれ…」
「は、はっ!」
「…君、そういうのはすぐアマリアに見せるべきだよ」
「しかし…それでまたアマリア様が…」
「ま、アマリアを考えての行動ならいいんだ。」
…どうやら手紙の内容は大体同じらしい。これで決意が着いたかと思ったが、そう簡単には行かねぇようだ
「…私が行ってもいいのだろうか。また、間違った行動をしてラムに失望されないだろうか…ズーラムを、この国の国民の期待に答えられるだろうか…怖い。また、誰かが離れるのが…怖い」
…すると、その言葉を聞いたダホが呆れた様子でアマリアに声をかけた
「あのなぁ、あのネズミ野郎はお前に任せたんだろ?」
「…」
「ネズミ野郎が何を思ってここを出て、何を思ってお前と国王に手紙を書いたのかはわからねぇ。けど、少なくともネズミ野郎はお前らを信じたんだ。必ず成し遂げられると…それなのにお前はどうだ?この部屋に脅えながら閉じこもって…。きっと今でもネズミ野郎は戦ってんだろうな…一人でなにかと」
「…ああ、そうだね」
「恥ずかしくねぇか?大事な幼なじみが何かと戦ってる中お前に頼んだのにその期待に応えないって…。」
「…」
「…聞いてんだよ!!恥ずかしくねぇのか!!ええ!!??」
「…すごく情けない」
「ならば…動け、アマリア。…これを出来んのはお前らしかいねぇんだぞ!!アマリア!!」
「っ…かつて私達の国を苦しめた君に言われるとは思わなかったよ、ダホ。けど…ありがとう。私も覚悟ができた。行こう…シン」
「そう来なきゃな。ダホ、ドライトン…君達は国に戻って警戒を強めてくれ。」
「おう」
「御意…」
「ゲニア…引退したのに済まない。この国の警戒も強めるように進言しておいてくれないか?」
「ああ、任せろ…」
そして、俺達は新たなる戦争を止めるためにあり王国へ向けて足を進めた…
「…とうとう動いたな、2人の王が」
「ああ、私達もやってやんなきゃな」
「して、ゲニア殿。ノア殿を魚王国へ偵察に向かわせたのを王達に報告せずとも良かったのか?」
「…大丈夫だろ、多分な。」