ヒーローに
四作目
僕はヒーローになりたかった。
ピンチの時に颯爽と現れて敵をかっこよく倒す。
そんなかっこいいヒーローに。
だが、そんなものは幻想で存在するはずもない。
そりゃそうだ。
テレビのように分かりやすい悪者はいるわけもない。
もちろん悪者を倒すヒーローも。
分かりやすい悪者がいない現実のヒーローはどんなことでも寛大に受け入れることができる人だと思う。
あの人のように。
「------------」
あの人は僕を受け入れてくれてそんなことを言ってくれた。
その時に思ったんだ。
いつかはこの人のようにって。
パターンが同じ...。