僕のいる場所
「ここは……どこだ?」
気づいたら僕は青い空の下、綺麗な若緑の草原の上に寝ていた。どうしてこんなところにいるのだろう。微かな頭の痛みも関係あるのかもしれない。
「寝ていても仕方ないし…とりあえず起きるか。」
何をすればいいのか寝ぼけた頭で考え、とりあえず自分の身に何が起きているのか整理することにした。
『名前は、折田 斗真。16歳で高校生。校内では野球部に所属。何故この場所にいるのかは不明。頭を打ったのか少し痛む』
と、ここまで整理したところで一つの疑問に辿り着いた。
「僕はこの場所に来る前に何していたんだ?」思い出そうとしても頭が痛み、思い出させてくれない。それにこんなに綺麗な景色なんて今まで写真でも見たことがなかった。僕が住んでいた都会とはまるでかけ離れていた。夢か、と思い頬をつねるも痛みを感じ夢ではないと理解する。
僕はこの状況を把握するのに苦しんだ。そこで抱えてた頭から手を下ろし、醒めた目で辺りを見回すと、同じくらいの歳の少女が少し離れた木の下に立っていた。
その少女の髪型は黒髪のツインテールで、陽の光を受け艶がかかっていることが分かる。そして顔は大人びた雰囲気を出しつつもどこか幼くも見えた。彼女の顔立ちは世間ではいわゆる可愛い女の子の分類に入る子で、それを見た折田は気付かぬ間に頬を赤らめていた。
「話して何かわかればいいんだけど…こんな僕が話しかけてもいいのだろうか……」そのような不安を抱きながら少女のところへ向かった。
「すいません、ここに来る直前の記憶がないのですが……ここはどこですか」
すると少女の口から思いもよらぬ返事が返ってきた。
「あんたは、初対面の人になにか聞く時はをする時は自分から名乗んないわけ?」
「あ、僕の名前は折田 斗真といいます」
「あ、じゃないわよ!」
「ごめんなさい!」
なんで僕は初対面の人に怒鳴られて謝ってるのだろう。そして、何も関わりの持たない知らない人に名乗るものなのか……。
彼女は言うこと言って満足したのか、
「折田君ね…まあ、いいわ。ここがどこ、という疑問はあって当然ね。私だってここに来た時は同じような反応をしたわ。あなたも幸運ね、こうやってこの世界に来てすぐ近くにここを理解してる人がいるのだから。」
(何言ってるんだこの人……)
話の展開が全く見えてこない。そう思っていると、僕の反応を読んだのか
「何言ってるんだこの人、とか思ってないでしょうね。普通は私のように近くに人がいることなんてないんだよ?」
「え、そうなんですか?」
「そりゃあそうよ。まずここに来る人自体、滅多にいないし。まあそう言っても大きな街に行けば日本の東京の人口の6割くらいはいるけどね。」
へえ、そうなんだ。街か。どんな街並みなんだろ?
「って、脱線しすぎたわ。本題はこの世界についてね。あなたの直近の記憶がないのは、ここに来る人全員に当てはまることだから、その疑問に関しては気にしなくてはいいわ。そしてこの世界はね……」
そう言って少女は間を開けて
「……地獄よ」
と言った。




