02 現状
青縞の少佐に付いていくと、5メートル位の高さがある扉の前に案内された。
「これから、王との謁見となりますが、くれぐれも失礼の無いように頼むぞ。」と言われた。
少佐が扉の前にいる兵士に何やら言うと兵士が敬礼し、扉を開け始めた。
「ねえねえ、あの兵士の装備何なのか判る?」と隣にいた、木暮友梨に聞かれた。
自分は、ある分野の兵器が好きすぎて仕方がないミリオタではあるが、一応他の兵器についての知識もある。
「あの兵士が装備しているのは、多分この建物内でしか使われてないと思う。あの人の装備品は、装飾のされた兜や鎧だし、持ってるのは半自動小銃に50センチ位のかなり長い銃剣が付いた物だ。」
「けど、あんな装備でこの施設守れるのかな?」
「一応はできると思うが、相手の装備にもよるな。
敵がサブマシンガンや拳銃であれば、ここの通路は縦に長くて曲がり角は丸くなってるから射程の問題でなんとかなるけど、突撃銃とかアサルトライフルなどの射程がそこそこ有って連射できるの使ってくればきついと思う。
おっと、扉開いたぞ、行こうぜ。」
中に入るとそこそこ優雅ではあるものの豪華過ぎない良い感じの部屋が広がり、玉座まで敷かれた赤いカーペットの脇に、扉の前の兵士と同じ装備をした兵士が20人位いた。
「突然の事で驚いていると思うが、私語は慎んで欲しい。
私の名前は、タカギ・ヒノマレ・リゼルという。このヒノマレ国の国王だ。この世界について教えよう。」
玉座には、そう自分達に話しかける40歳位の装飾のされた豪華な服を着たおじさんが座っていた。
国王の話は、その後何時間かあったが、まとめるとこういうことだ。
・僕達は、転生させられた(もとの世界では、全員心不全という世にも奇妙な集団死という事で処理されるらしい。)ということ。
・この世界は、地球のある世界とは別の世界ということ。
・この国ヒノマレ国は、地球から来た日本人が建国したということ。
・この世界には、科学が無く、代わりに魔導という技術があるということ。
・この世界は、西のユーリシア大陸と、東のイレイズ大陸、北のホーキョク大陸、そして島国のヒノマレ国と、その南にあるウーロンド帝国があるということ。
とまあこんな感じの話を延々と聞かされたところで今日は、各自の部屋が用意されているからその部屋で休んでくれと言われた。