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Chapter1 蒼い夢
夜の闇に銀色の月が浮かんでいる。月の明るさで、星は全く見えない。そこには月と闇があるだけだ。
私は断崖から夜空を見上げる。下は海。ただこの海はあまりにも蒼い。微かな潮の香りと波の音だけがこの蒼が海であること示している。
ここはどこなんだろう。私はぼやけた頭で考える。しかし全く分からない。頭にかかったもやが思考を妨げている。体も思うように動かず、周りを歩いて調べることも出来そうにない。
唯一分かることはここがとても懐かしい場所であることだ。考えることも体を動かすことも出来ない今の状況でも、私には一抹の不安もない。それにここはとても綺麗だ。海の蒼さのせいか空が微かに蒼く光り、銀色の月の美しさを一層際立たせている。
何処からともなく声が聞こえる。
「瑠璃。汝の使命は世界を変えること。汝の答え、楽しみにしているぞ。」
声が止んだ瞬間頭の中のもやが一気に濃くなる。遠退いていく意識の中で思った。この声も遠い昔、どこかで……




