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華の都、貴女は蕾  作者: Onyx
婚約者編
7/17

ルシッサ視点


親友であって、同階級のゼルダ・ローズの誕生日を祝うパーティーが行われた。もちろん、僕も出席した。


ローズ邸に着いた時、初めにゼルダに会いに行った。


「ゼルダ」

「ルシッサじゃねーか」

「誕生日おめでとう」

「サンキュー」


こうして他愛ない会話が終わった後、僕はその場を離れた。ゼルダは今日のホストで主役だ。僕なんかにいちいちかまってられないだろう。その証拠に、別れてからすぐ違う人がゼルダに挨拶に来た。

それにしてもおかしな世の中だ。フルクルスという階級で分けられた世の中。どうして大の大人がまだ幼児の僕らに頭をペコペコ下げるのか。見ていて気味が悪い。


そういえば、今日この会場にリス家のご令嬢が来てるんだっけ。

興味ないけど。




◇◇◇◇◇◇




ゼルダの誕生日パーティーが終わり、少し経ったある日のことだ。

予定がお互い空いていたので、ゼルダが僕の家に遊びに来た。遊ぶといっても、ただ話をするだけだ。


「パーティーの時、リス家のご令嬢と庭園を歩いた」


ゼルダは開始早々こう口走った。

正直驚いた。ゼルダは女性というものが嫌いだったからだ。もちろん、僕もだけど。理由は簡単。煩いんだ。僕らの容姿がいいからってだけできゃあきゃあ騒がれて。初めは単に褒められているだけだと思ったから、普通に嬉しかった。でも彼女達の下心に気づいてしまうと、もうなにもかもうんざりになった。


そのゼルダが、女の話をするのが意外だった。


「で、どうだったの?その子」


僕は少し興味が出た。


「別に。ただ、変な奴だった」

「変?」

「ああ。久しぶりだったよ。あんな豪快に笑ったのなんて」

「…何があったの」

「面白い奴だった」

「答えになってないよゼルダ」


しかし、ここまで言わせるそのご令嬢。何者なんだろう。

その子の話をしているとき、ゼルダは少し楽しそうだった。




◇◇◇◇◇◇




夏になり、僕の誕生日パーティーが開かれた。ゼルダは用があって来れないと連絡を受けた時、少し悲しかったが、僕には興味目玉が他にあった。リリィ・リス。

目玉は向こうから来た。


「はじめまして。ルシッサ様。お誕生日おめでとうございます」

「ああリリィ様。お忙しいところおいでくださりありがとう」


はじめて彼女を見た時、正直怖いと思った。まるで殴られるのではないかと思った。彼女は普通に見つめてるだけだろうが、僕には睨まれているように感じた。

あと、雰囲気がゼルダに似ていた。

そんな彼女、リリィは挨拶が終わるとスタスタとどこかへ消えてしまった。

少し意外だった。普通の女の子だったら、離れまいと話し続けるのに。彼女は僕に見向きもしなかった。自惚れすぎかな、僕。


リリィが去ってからも挨拶回りが続いた。

その波がようやく途絶えた時、はぁ、と小さくため息を吐いた。

その時だった。


「ルシッサ様」


リリィが声をかけてきた。

何やら話がしたいようだったので、だれも来ないであろう一つの書斎にリリィを案内した。もう敬語で話すのは疲れた。


どうやら話は結婚についてで、リリィは僕と、それとゼルダとも婚約したくないと言ってきたのだ。

その理由は、「好きな人と結婚したいから」。できるんだったら苦労しないよ。


僕にはアネッサ・バレーという兄がいる。もう結婚し、次期社長として頑張っている。なんで完璧にこなす、憎たらしい兄。

僕はいつも比べられた。

次男だからというのもあるが、僕の結婚相手は別に国内同階級でなくてもいいが、できればそれでぐらいだった。だったら、好きに恋愛させてよ。結婚させてよ。自由にしてよ。


「もし、本気でその人のことが好きならば、どんな障害でも走り抜けることができると、私は思うんだ」


楽観的で、自由な人だ。でも、彼女はその夢を叶えようと、こうして行動している。

少し、尊敬した。


「だから、ルシッサも本当に好きな人を見つけて、いい恋愛しようね」


あれ?もしかして思ってたこと顔に出てた?

でも、まぁ、嬉しいよ。親には失望され、応援してくれるのなんて、今までゼルダしかいなかったし。

なんだか、彼女と話をしていて楽しくなってきた。


「あ、そろそろ行かなきゃ」


え、待って。行かないで。もっと君と一緒にいたい。


「じゃあね、ルシッサ」


その言葉が出ずに、彼女を逃した。

それからリリィが出て行った扉を、見つめることしかできなかった。


「……」


ゼルダ、君の言った通りだったね。

面白い。

ねぇ、ゼルダ…




「フルクルス表」

上から高い順。


・ピオニー(王族)

・クリサンセマム(王族に近い貴族)

・アマリリス(貴族)

・チネンシス(貴族と庶民の間)

・プインス(庶民)

・ラフレシア(奴隷)


名前は全て花からとっております。

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