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華の都、貴女は蕾  作者: Onyx
学院生活編
15/17

「主人公は記憶力が良くて辞書と呼ばれるのに、数学の公式が覚えられないの?」という質問をいただきました。

それについて、主人公は「記憶力だけ」がいいのです。公式だけならすぐ覚えられます。しかしどこで使えばいいのかあやふや…。

そんな風に受け取ってください。


次の日から私はお弁当を作ってもらうことにした。しかしこれをお弁当と呼ぶのだろうか。でかいぞ。




◇◇◇◇◇◇




「ええーっ、リリィ様食堂に行かないのですか?」


昼になり、いつものようにシルバー達が私を誘う。でもごめんね。今日からしばらく無理なのよー。君達も定期テストの対策しないとうんぬんかんぬん。


「な…なんて勉強熱心なの!」


それにしても、なんでこの二人はここまで私を褒めようとするんだろう。そこまでたいしたことじゃあないと思うんだけどなぁ。




◇◇◇◇◇◇




図書室に行くと既にクルスがいた。もりもりと自分の弁当を食べていた。


「おう、まぁもぐもぐ座れよムグ」

「飲み込んでから話しなさい」


少し呆れながら彼の隣に座る。私も弁当を机に広げて食べ始めた。やはりというか、図書室には私達しかいなかった。そりゃみんな食堂だよね。

にしてもこいつの食べっぷり、見ていてなんだか食欲が湧いてくる。なんていうのかな、伝わるんだよねこういうのって。さて、食うぞ。


「ごちそうさまでしたっ」


あら早い。いやまじで早い。確かに私の方が後からきたけど、その時は弁当箱の三文の二はまだあったよね?まだ私食べ始めたばかりなんだけど?


「お前食うのおせぇな」


やかましいわい。


そんなこんなで私も食べ終わり、勉強会が始まる。今日も数学だ。公式は全部覚えたんだけどなぁ…どこで使うか、まだイマイチなんだよね。つーかこの世界の勉強が進みすぎてて怖い。


「うーんと…ああ、ここであの公式を使うのね」

「そうそう」

「ってことは…よし解けた!」


この前は解けなかった問題だったが、どうやら私は一度やれば解けるらしい。その事についてクルスが褒めてくれたのは結構嬉しかった。本当にこれが、あのヤンデレになるのかな?今はヤンデレのヤの字も見えない。


「……あっ」


そうだそうだ。なんで私は思いつかなかったんだ。


「どうした?リリィ」

「あー、なんでもないわ」

「そうか」


ヤンデレのヤの字も見えない。もしそれを逆手にとれれば!そうと決まれば早速作戦を立てねば!


「…本当に大丈夫かお前」


なんのことかな⁉︎今の私は機嫌がいいんだ!これでゼルダ達と婚約しなくて済む!とはしゃいでいた時と同じくらいにな!その後沈没したけどな!…ぐすん。


昼休み終了の鐘が鳴る。今日はこれでお開きだ。




◇◇◇◇◇◇




家に帰った私は速攻で自室に向かった。新たな作戦を立てるためだ。なんの作戦かって?ふっふっふ。これから始めるのは「奴らを非ヤンデレに育てるプロジェクト」会議だ!私一人でな!


今まで私フラグ破壊活動、なんのためにやって来たか思い出して欲しい。え?破壊じゃなくて建設だろって?よろしい、表にでなさい。

因みにその理由は「ヒロインのついでで殺されないため」だ。どんなに私がいい子ぶっても、シナリオ的に殺される落ちだと思うんですよ。だからそれらのフラグは破壊しようと努力はしてきた。

しかしだ。「ヤンデレを非ヤンデレに調教する」方が話が早いんじゃないか?

人生、なにがどう転ぶかわからない。フラグ折ったー!と思ってても実際そんなことなかったり。

だったら「殺す」道理を生み出す、根本のヤンデレを直してしまえばいいのだ。お?そう考えたら怖いものなしじゃね?ヒロインがこの学院にくるまでまだあるし…。

ゼルダもルシッサも、ヤンデレを抜けばただのイケメンだし、金持ちだし、結婚しても不自由なく大往生できそう。

って、それじゃあゲームのリリィと同じになる。ヤンデレがないただのイケメンを取られると思ってヒロインをいじめてしまいそうだ。

やっぱり結婚は国外で。


まぁなにが言いたいのかというと、肩の荷が下りたのだ。この作戦がうまくいけば、トゥルーエンドならぬハッピーエンドを見れる。


「…がんばろう」


自室で私の声だけが響く。




◇◇◇◇◇◇




「やぁやぁやぁやぁクルス君。ごきげんよう!」

「……おう」


次の日の昼。今日も勉強会のため図書室にやってきた。クルスが若干引いてる気がするけど、知るか。今は昨日から機嫌がいいんだ。


「さぁさぁさぁさぁ、お弁当をたべようじゃないかクルス君」

「……ああ」


私は既に食べ始めているクルスの隣で弁当を広げる。そして食べる。お肉がおいしい!


「なぁ、どうしたんだお前。なんかいいことでもあったのか?」

「わかる?…わかる⁉︎」

「ま、まぁな」

「実はね!実はね!」


言わないけどね!しかしテンション上がり気味の今日の私は止められない。シルバー達にも少し引かれたけど止められない。

クルスは今にも飛びかかろうとする私の肩を押さえるが、押さえ切れるかぁぁあ!!


「…なにやってるの?」


だだし今現在、クルスではない人は例外だ。


図書室の扉が開かれ光が入り込む。私は扉に振り向くと、開けた人物と目が合う。するとどうでしょう。先程のテンションが嘘のように下がって行った。


「…ルシッサ」


なんであんたがここにいるの。


「リリィの取り巻き」


名前・シルバー・ブロッサム

性別・女

階級・アマリリス


名前・ハールティア・デイジー

性別・女

階級・アマリリス


なぜでしょう。こういう取り巻きって、書いていて楽しいんですよね。

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