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華の都、貴女は蕾  作者: Onyx
婚約者編
1/17

初投稿ですが、なにとぞよろしくお願いいたします。

姿見の鏡の前に立ち、私はそこに映る6歳の女の子を見つめた。

肩まである黒すぎる髪、それをじっと見つめる紫の瞳。紫をベースとした黒レースのドレスとよく合う。全体的に顔立ちが凛々しく、可愛いというよりは、綺麗系。否、どこか怖い。


私は腕を組み、ため息を吐いた。まるで他人事のようだが、こんな6歳児は嫌だ。何が嫌だって、この気の強そうな顔もだが(美しく産んでいただき感謝はしている)、私の内面に問題がある。


私の名前はリリィ・リス。

フルクルスはクリサンセマムのご令嬢だ。フルクルスというのは、簡単に言えば家柄の階級だ。上から、王族(ピアニー)上流貴族(クリサンセマム)貴族(アマリリス)富豪(チネンシス)庶民(プインス)奴隷(ラフレシア)。ピアニーは国を動かす王族だから、その次のクリサンセマムはかなり上のランクだろう。


そんなお嬢様な私なのだが……


違う、違う!ちっがーう‼︎


いや、何が違うのかと聞かれても答えられないのだが。ただ、「何か」が違うのだ。

あれは4歳の時。今まで好き勝手生きてきたが、ある時ふと思った。「違う」と。

その時から私はこうして自問自答を繰り返すようになった。そのおかげで私は「無口」「堅物」「辞書」という称号を得た。わぁい。嬉しくない。

辞書というのは、私は記憶力がいいらしい。そのため一度読んだ本の内容や習ったことは忘れない。ある時暇で、書斎で辞書を片っ端から読破した。あとは、言わなくてもわかるだろう。他人に「○○ってなに?」「それはあれでこれでそれで」と、答えられる自信しかない。


でも、もうすこしで思い出せそうなんだけどなぁ……ん?思い出す?何を?


「リリィお嬢様」


コンコン。と自室の扉を叩かれた。ハッと我に帰り返事をする。


「……なにかしら?」

「ステレナ様がお見えに慣れました」

「そう、今行くわ」


ステレナ様とは、私の家庭教師だ。ステレナは私の記憶力を非常に絶賛してくれる。そりゃ教え子が有能なのは嬉しいに越したことはないが。


さて、自問自答もそろそろにして、自室からでますか。




◇◇◇◇◇◇




成る程成る程。外交とは色気で落とすものなのかってバカヤロウ。途中まで小難しい用語やらその流れやら説明された最後、女の武器とやらを教えてもらった。いや、てか6歳児になんてことを教えてんだよ。


ステレナは帰り、私はまた部屋にこもる。

なんか引きこもりみたいだな私。

因みに私が家庭教師に教わるのは勉学だけではない。元々はそれだけのはずだったのだが、覚えが良い私の両親がさらなる期待し、ステレナに将来のためのあれこれを教わっているのだ。今のように仕事のこととか、料理とか、手芸とか、立ち振る舞いとか…。

なんか花嫁修業だな。


さて、ステレナが来る前の思考に戻ろう。

私が違うと感じるこの「何か」について…


「リリィお嬢様」


コンコン。とまたしても自室の扉を叩かれた。


そんなに私に自問自答をさせたくないのか。


「今度は何かしら?」

「ローデリヒ様がお呼びです」

「お父様が?」


ローデリヒ・リス。私のお父様だ。

お父様はあまり家には帰らない。なぜなら仕事で王宮に出向いているからだ。

なので、今お父様が家に帰られているなんて、今の今まで知らなかった。そのお父様が私に何の用なのかしら。


受験生なので、不定期更新です。

半笑いして踊りながら、気長にお付き合いください。

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