「昼休みです。お弁当を忘れました。サイフには百円しか入っていません」
さて、今日のおかずは何かな~とお弁当を取り出そうとして、鞄の中に入っていないことに気がついた。一瞬、目の前が真っ暗になった気がした。
待て、落ち着けあたし、よ~く思い出せ。
朝起きてからの自分の行動を、記憶の中からコマ送りのように再生してみる。
朝ごはんを食べて……このときはまだ弁当箱はテーブルの上にあったはず。さらに記憶を進めると……、あ! お母さんが玄関まで持ってきてくれたのに鞄に入れ忘れてる!
く、一生の不覚! 教科書は忘れても弁当だけは絶対に忘れないハズのこのあたしが、手渡されておきながら鞄に入れ忘れるなんて! ……しょうがない、今日は学食にでも。
財布を取り出して中身を確認すると十円玉が十枚、つまり百円しか入っていなかった。
なんとッ! この財布の膨らみようと重さならランチ一食分はあると思っていたのに、すうどんすら食べられないとはッ!
「なぁ、冬眠前の熊みたいなツラして、どうしたんだ?」
獲物発見。隣の席の標的は程よく焼けた玉子焼きを口に運ぼうとしているところで、まだ食べ始めたばかりらしく弁当箱の中にはまだ財宝がたんまりと詰まっていた。
「ころしてでも うばいとる」
「な なにをする きさまー!」
クラスメイトを倒した。お弁当を1個手に入れた!
「馬鹿なこと言ってねーで、弁当忘れたなら素直に少し食わせろと言え!」
「少しじゃ足りないのよっ!!」
奪った弁当をもぐもぐしながら、あれこれって間接キス? とか思ったのはナイショだ!
これの前に「幼馴染が、朝起こしに来た」があったのですが、設定が複雑でわかりにくいという理由で自己ボツにしました。
「ころしてでも うばいとる」
「な なにをする きさまー!」
は、スクウェアのゲーム、ロマンシグ・サガの有名なセリフのパクリです。
本文中に名前は出てきませんが、ともえさんと護くんのコンビです。




