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竜の喉元  作者: 暁月紫陽
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第一話 最悪な女

「お前みたいなけったいな女、初めて見たわ!」

「何を言うか、ただの軍人風情が!」

 俺と奴との出会いは本当に最悪だった。

 上からの命令で、俺は超重要人物の護衛に就くことになった。なんでも、竜族の生き残りらしいねん。この国は、竜の力を利用して栄えて来た。せやから、守らなあかんねんな。

 けど、まあ仲が深まらないのなんの。まず、俺が挨拶してやったというのに返事を返さん。そもそも、こっちを向いてすらくれん。こりゃあ、ムカついたわ。かの四龍将の一人、トシマがわざわざ護衛についたるのに、なんのお願いの挨拶もなしとは。

「これっぽっちの礼儀も備えてないんか?お前さんは!」

「だから何度も言っている!軍人程度に見せる礼儀はない!」

「俺は四龍将やぞ!?あの!」

「知らん!うるさい!」

 なぜ、俺はこんなのの護衛を任されてしまったのか。護衛とは、寝食を共にするほどに近くにいる仕事。これから長い間を共にするなんて、気が狂いそうや。また、上司に文句でも言いにいくか………。

 俺の仕事は本来、戦争にある。戦場を荒らし、火の海に包む。それが、俺の仕事やった。でも、なんの気まぐれか、俺は前線から外された。しかも、戦争はその後すぐに終了した。あれだけ他国を攻め落としにかかっていた皇帝が。訳がわからなかった。

「………はぁ………。」

 難しいことを考えてもしゃあない、今ある環境を受け入れるだけや………そう思ってタバコに火をつけようとした時、ライターの火が切れていることに気づいた。

「……あ!切れとるやん!」

 それを見て彼女は、リョウミは、首を傾けて疑問符を浮かべた。

「………何をしてるの?」

「知らんか、タバコや。」

 ちょと良いやつをひらひらと見せつける。リョウミは、それを初めて見るような反応を見せた。興味が湧いたのか、目は光っていた。

「火ぃつけなあかんくてな。けど、ライター切れてるようじゃあ………。」

 ボウ、と火が灯る。その火がどこから来たのか。優越感に浸っていそうなリョウミの顔を見れば、すぐにわかった。

「………そやったな。お前さんは竜やった。」

 この女は竜族の生き残り、もちろん、火が扱える。

「ありがとな、助かったわ。」

 俺は煙を燻らせ、物思いに耽った。

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