書き手の立場になって初めて気付く事もある
最近なろうで投稿を初めました。その小説とも呼べない駄文を書いていた時の、心理状態を書いてみようと思いましたので、少しお付き合いいただけると幸いです。
ある日読み専だった私が何をとちくるったか、思い付いただけの小説を書き始めます。二話、三話と投稿しますが、ブックマークはおろかPVもつきません。
ある程度それは予想していました。何しろ素人が小説の書き方など何も知らないで書いているのですから、一話目で読者を惹き付けられるようなものは書けないのです。
ですが、右往左往と迷走しながら投稿を続けていくと、ポツポツとブックマークが付きました。
ありがてぇ、こんなものでも読んでくれている人がいるんだな、時間を無駄にしたと思われないようなものを書きたい、と思いました。
ですがそこから伸び悩みます。いくら投稿しても読者様から何の反応もないのです。いいえ、PVがつかないので、読んでも貰えていないのです。
そこで私は自分が読者でしかなかった頃の行動を思い出していました。
スマホでなろうを開くとまず目にするのがランキングです。私はそこから自分の興味のあるジャンルから上位に位置する小説を読み始めます。
上位の小説にハズレはないだろうという安易な考えです。私の考えは当たりです。ブックマークして、何日も何時間も、何年もかけて作者様が書いた小説をものの数時間で読み終わると、面白かった!と読了していたのです。
過去の読み専の私に言いたい、面白かったなら評価ボタンを押しやがれ、と。
たまに後書きなどで評価ボタンを押すように促す作者様がいますが、それを評価乞食のように揶揄するようなコメントを残す読者様がいます。
小説を読んで何を感じるか、それは人各々なので読者様のコメントについて私から何か言うことはありません。
ですが、面白いと思ったなら評価ボタンを押して欲しいという作者様の気持ちは分かります。悩んで時間をかけて、苦しみながら生み出した小説なのです。評価して欲しいと思うのは自然なことではないでしょうか。私も書き手になって初めて作者様の立場で考えるようになったのですが、作者様としても後書きにこんなことは書きたくないのではないかと思います。
私のように初見でなろうや小説サイトの仕組みを理解せず、☆マークが並んでいても何なのか気付かずスルーする読者も多いのではないのかな、と思います。
それからランキング上位の名作をあらかた読み終わった私は、完結済みの小説や連載中の小説なども読み出します。玉石混淆とはこのことか、面白いと思う作品もあれば何じゃこりゃ、な作品もあります。因みに私の作品は後者です。
面白いと思った作者さんの、他の小説を読みたい!と思って作者さんのマイページを辿るべく、名前をタップしたくてもリンクがありません。
これは私もやらかしたのですが、作品を投稿する際、作者の名前を入力するとマイページのリンクが切れてしまうのです。
意地でもあんたの他作品を読んでやるぜ!とWeb検索してやっと作者様のマイページに辿り着きます。
私はそこまでしますが、これがなかなか面倒です。敢えてマイページを隠す意図がないなら、リンクを出してくれると有難いです。
※作品下部の『作者マイページ』のリンクから作家さんのマイページに飛べます。親切にコメントで教えて下さった方がいらっしゃいました。ありがとうございました。
面白い小説を探してさ迷っていた私は、これだけ多くの小説があるのだから、日の目を見ることのない埋もれた名作があるに違いない!と検索の鬼と化します。するとありました。読んでみると、これがまあ、面白いのです。一話目で世界観に引き込まれ、二話、三話と読み進めると、私の中の色々な感情を揺さぶってきます。最後はとても美しく締められているのですが、完結しているのにブックマークも評価もつかず、コメントも少ないです。
この作品の何がダメなんだろうと私なりに考察してみました。まずタイトルですが、なろうによくある説明文のタイトルではなく、ネガティブワードと主人公の名前を組み合わせただけのものでした。女性向けに書かれたであろう作品なのですが、そのタイトルでまず読者に弾かれたのではないのかと考えました。あらすじさえ読んでもらえなかったのでは、いくら面白い作品を書いても……と思いましたが作者様には各々スタイルというものがあるのでしょう。
ですがその作者様は作家としての力があったのでしょう、次作で商業作家デビューを果たしました。一読者ですが、嬉しかったです。
色々読んでいますが、作者様にも色々な方がいらっしゃいます。私自身は言葉が上手くないのでコメントを残すことはあまりないのですが、とても上手く作品を評価するコメントがあれば、作品を貶したいだけの悪意あるコメントも散見されます。
後者は問題外ですが、批判的なコメントであるというだけで攻撃的になる作者様がいます。あるいは落ち込んでしまう作者様も。
百の褒め言葉より一の批判が胸に刺さるのは分かります。
ですが、少し考えてみて下さい。コメントを残すというのは割りと面倒なのです。
作品を読んだ上で下のコメント欄を開き、自分の考え、感想を書き込んで、確認ボタンを押し、コメントを送信する。
そんな手間をかけているのです。仮令それが批判的な内容だったとしても、あなたの作品がその読者さんの何か琴線に触れたのです。人の心を動かす作品を書いたと捉えることはできないでしょうか?
はい、コメントを貰える作者様が羨ましいだけです。
小説を読むと人は色々な感情を抱きます。それは楽しいだったり、面白いだったり、嫌悪だったり、悲しいだったり、様々です。中には自分の思う通りにストーリーが進まないのは気にくわない!なんて方もいるでしょうね。
小説を書く時に、読み手の事を頭に置いて書け。これは私のようなへっぽこに言われなくても、どの作者様も意識している事でしょう。
これは私が小説もどきを書いている時に、とても考えさせられました。自分の書きたいものを書くのと、読者の読みたいものを書くのは両立するのだろうか?
私の場合それ以前の問題がありますが、私自身の答えは出ていません。しかし両立させている作者様はいると思います。
それが読ませる力のある作者様なのです。有無を言わせないのです。羨ましい。
タイトルの書き手というより、読者の立場での事を書いているような気がしますか?私もそう思います。
小説もどきを書くのは思いの外楽しかったので、また書いてみようと目論んではいるのですが、いや、小説を書くって難しいですね!