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悪魔吸血鬼のSCP生活録  作者: 零央
第一章ーSCP収容所へようこそ!
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二度目の収容違反と1048

 シャイガイやトカゲと会ってから数日。俺は大人しく収容室に収容されていた。

 理由としては、前外に出た時に認識変換を長時間使ったもんだから、魔力の消耗が激しくて疲れちまったんだよな。だから魔力の回復に専念する為に、大人しくしてるってのもあるが……


「19005、ほら、ご飯」


 そう言って優斗は、俺の前に小さな白色の円形状のテーブルを置いて、その上にリゾットの入った皿を乗せた。

 俺は優斗を見て言った。


「俺……飯いらねぇんだけど」

「別に良いでしょ……僕が好きでやっているだけなんだから」


 そう言って何故か少しだけ顔を赤らめる優斗。

 こうやって優斗がちょくちょく俺に構ってくるもんだから、外に出なくとも楽しいんだよな。

 最近、少しだけ優斗の俺に対する言葉使いやら何やらが、柔らかくなった気がする。少しだけ、SCPと職員という垣根のようなものを取り払えたようだ。

 そうしてしばらく大人しく収容室に収容されていたら、優斗が出張することになった。日数は一日。東京で新たに発見されたSCPの確保が非常に難しく、応援が必要で、その応援部隊に優斗も入る事になったそうだ。

 俺が優斗に「何故そんなに確保が難しんだ?」と聞くと、優斗はこう返した。「そのSCPは、人間を“オモチャ”だと言い、弄んでは殺しているからだ」と。それと「そのSCPに従っていると思われるSCPが、そのSCPを確保しようとした瞬間すごく怒ったらしくてね……そのSCPを確保しようとした人間の周囲が、人間じゃ理解できないような殺傷能力のある“現象”に包まれたらしいよ」と。


 ……………………。


 俺は思わず黙り込んだ。

 何故なら……どちらとも知っているからだ……。あの二人は俺の兄弟が拾って、育て上げた奴らだ。俺もたまに会いに行ったが、あの二人は見ていて微笑ましかった。……遊びは危険だが。

 まさか人間界に遊びに来ているとはな……恐らくルマが認識変換をかけていたと思われるが、精度が低かったんだろう。だが……もし、だ。レイルのやつの認識変換を突破したならば、SCP財団という組織の技術力は、相当高いという事になるだろう。

 どちらにせよ、あの二人を確保・収容・保護って、かなり難易度が高いぞ。そこに優斗が応援として行く事になった……か。

 俺はここ数日優斗と過ごしている時間も多かった。その為なのか、“優斗”と言う存在に少しだけ、()()が湧いたのだ。

 俺は優斗には死んでほしくないと思った。だから、優斗にある事を持ち掛ける。……そして、優斗はあの二人を確保しに応援として出向いた……。




「よっしゃ!魔力も全快!見張り(優斗)もいない!外出るぞーーー!」


 俺はそこそこの音量でそう言って、身体を霊体化させて扉をすり抜ける。

 扉を潜る時に電気は流れたが、痛みとかは無く、すんなりと扉をすり抜けられた。

 俺が収容違反をした事は、認識されていないらしい。どうやら普通の人間には、この状態の俺は見えねぇみてぇだな。まあ、霊体化する=幽霊になるって事だからな。霊感が無ぇ人間には視えるわけがねぇか。

 そんな事を考えつつ施設内をウロウロしていると、施設の廊下をヨチヨチと可愛らしく歩いているクマを見つけた。ティディベアとそっくりの見た目をしているそのクマは、俺を見つけたのか俺に向かって走って来た。その速度は速い速い。分速五十キロは行ってるんじゃないかと思うほどの速さで俺に向かって来て……俺に飛びついた。何故かそのクマは、今の俺にも触ることが出来るようだ。

 飛びついたクマは、俺の肩に乗って、人語を話し始めた。


「君は僕を確保しようとしないんだね。気に入ったよ」


 足をブラブラとさせて、嬉しそうにそう言うクマ。

 クマのSCPすら存在しているらしい。


「俺はSCPだからな」


 非常に不本意だが。


「へぇ……何番なの?」

「19005だ」

「19005?語呂合わせしたら“悪魔凰牙”じゃん。君、悪魔なの?」

「そうだが」


 ……何で俺の種族を知っている奴がいるんだ?……まさか。いや、んなわけねぇ。きっと偶然だろ。意図的だったとしても、悪い感じはしねぇしな。


「へぇ……悪魔がSCPとして大人しく収容されているなんて、意外」

「……興味があって滞在しているだけだ。やろうと思えばすぐに抜け出せるさ、こんな施設」

「あはは、そっか。それにしても、君ちゃっかり収容違反してるね」

「ブーメラン刺さってるぞ、クマ」

「そうだった、僕も収容違反してるんだった。忘れてたよー」

「つか、何でお前幽霊にも触れるんだ?」

「んー、自然法則に反した存在だから?」

「自分でもよく分かってないんだな……」

「というか、君話聞くの上手いね」

「……そうか?」

「うん」


 そう言うと、クマは俺の肩から降りる。そして、手を振りながら言った。


「また話そうね、悪魔凰牙君」


 そう言って、そのクマは施設内の何処かへと消えてしまった。

 ……嵐みたいな奴だったな。

 「また話そうね」……か。俺、SCPに好かれやすい体質か何かなのか?今まで会ったSCP全員俺に対して友好的だったんだが。

 ……ん、ここってEuclidの収容エリアか。丁度いい、シャイガイのとこにでも寄って行くか。

 俺はプレートに096の数字が書かれた部屋に向かって部屋に入り、シャイガイが入っている箱の中に入る。箱の中には、白髪ロングの少女――シャイガイがいた。


「……誰?……って」

「よ、シャイガイ。数日ぶりだな」

「うん、数日ぶり。けど、何で透けてるの?」

「ん?ああ、この状態で外に出た方が断然楽だと気づいたからだな」

「そう。身体を透けさせることの出来る人間なんて、聞いた事ないけどね」

「い、いや、特殊能力みたいなもんだ……アハハ……」


 苦笑しつつ、俺はシャイガイにそう説明する。能力なのは本当なので、嘘はついていない。


「それ、普通にSCPじゃん……って、そう言えばSCPだったね」

「ああ。人間の姿での生活は慣れたか?」

「うん……前髪で顔が隠れてくれてるお陰で、僕の顔を見る人間が減ってくれた。だから、外に出る回数、減った」

「そりゃ何よりで。つか、今の姿の方が可愛いぞ?」


 俺がそう言うと、シャイガイは顔をすごく赤くする。なんか頭から湯気も出ていそうな感じだ。


「ほ、本当に……可愛い?」


 俺の目をじっと見て、答えを催促するようにシャイガイはそう言った。

 俺はシャイガイの頭を撫でながら、言った。


「可愛いぞ。守ってやりてぇ妹って感じだ」

「か……可愛い、妹……僕が……?……嬉しい」

「本当にSCPなのかと疑うぐらいには可愛いし、人間っぽいぞ」

「そっか……ありがとう、ディアロ君」

「……?よく分かんねぇが、まあ、どういたしまして」

(ディアロ君って、恋愛系鈍感なのかな……)


 そうしてシャイガイと話していると、シャイガイ担当の職員らしき人間が声を発する。


「096、誰かと話しているのか?」


 どうやら話し声が聞こえてしまっていたらしい。

 俺は今は普通の人間には視えていないので、そのままシャイガイの箱の中にいる。

 俺らがしばらく黙っていると、職員らしき人間は「気のせいだったのか?」とだけ言って、それ以上は何も言わなかった。


「そろそろ収容室に帰ったら?ディアロ君」

「そうしてもいいが、俺専属の職員が今出張中……あ、帰って来たわ」

「……え、部屋にいないとマズくない?」

「ああ、俺帰るわ。気が向いたらまたくっから」


 俺はそれだけ言って、自分の収容室へとテレポートした。

 ギリギリ優斗のやつが部屋に入る前にテレポート出来たらしい。俺は霊体化を解除する。

 にしても、随分と早かったな。予定じゃ一日だったんだが……。

 そう疑問に思う俺をよそに、優斗の隣には、見覚えのある銀髪ショートの猫耳少女がいた……

はい、今回のキチクマも筆者の好みの性格になりました。

キチクマって言われてるけど懐いたら可愛いかな?って事で可愛い感じの性格にしてみました。好奇心旺盛と言うか、天真爛漫と言うか……まあ、結局筆者好みの性格って事なんですけどね。

長くなりましたが、良ければ感想などもお願いします。

全然評価されないの寂しい……(小声でボソッと)

それでは、次の話もお楽しみに。まあ、いつ完結するかわからないけど(いつでも完結させられるから)

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