間違いない、間違いない。
胸を張る君。
間違いない、主役は君で間違いない。
その眼光、序列の審議に染まってる。
こっち見ないで、私が見たい。
その手捌き、優劣の審判が憑依している。
こっち来ないで、私が見たい。
その手ほどき、優越の隠し味が染み付いている。
こっち構わないで、私がしたい。
決まってる、主人公は君で文句はない。
胸を撫で下ろす私。
間に合わない、敵役は私じゃ待ちきれない。
この反抗、役不足の押し問答にはなりきれない。
この振る舞い、役不足の匂わせにはなりきれない。
この黙秘、役不足の隠し味にはなりきれない。
昨日の優しさ、今日の毒。
さっきの優しさ、明日は知らない。
嘆いて願って、昨日は消える。
諦め願って、また明日。
胸を張る君、主役は君で間違いない。
胸を撫で下ろす私、役不足は私で間違いない。